【後半】西部戦線異常状なし(ドイツ版)
またこんなに時をまたいでしまった。
その間に、イギリスの映画祭BAFTAをドイツのこの映画が総なめにしていたことをネットニュースで見て泣けた。
ドイツでは子供の頃から学校で習う文学らしいが、この映画は生々しすぎて見せられないとドイツにいる友人が教えてくれた。そうね、それはあるね。
さて。
もとは、反戦をテーマにしているドイツの小説である。そしてまた、1930年のアメリカ制作の映画とは別物になっていることを記しておく。
アメリカ映画ではラストシーンが絶対的印象を残す。そのシーンのための映画と言ってもいいほどに、儚くロマンチックに訪れる最期。観ているこちらが突然取り残されてしまうような、戦争の虚しさを感じれるのだが、本作は脚色賞にもノミネートされているとおり、最後のシーンをさらに変えてきている。私はここに、うまく作ってるなー、、、と大きな意味を感じた。すべては繰り返される ということを感じられる。
これが、本国ドイツが作る自国の話であり世界に訴えかけられる迫力だろう。
素晴らしい。
素晴らしい。
とんでもない映画を作ったと思う。
主役のフェリックスカメラーは、全くノーマークで初めて見る俳優だった。監督が、「フェリックスの演技にはモニター越しで何度も泣かされた」と話していた。わ、わ、わかるー(涙)(胸熱)
私もこの人の演技で泣いた。
穴に落ちて、フランス兵と2人きりになるところの心情が見事です。人間に戻るんですよ。
この狂気の地獄から我に返るようなパウル、ラストシーンでもありました。対 人で向き合ったとき、敵味方でなく、ただ人間であることに気づくようなすばらしい演技。
私はこのドイツ版の作品を観て、『繰り返される』というメッセージを強く感じた。
戦場に夢を見て憧れ志願する若者。目を輝かせる新兵たちを待ち受ける地獄。【西部戦線異状なし】というタイトルにもそお受け取るのだが、これら小さな犠牲を『繰り返し』戦争は続くのだ。
第一次世界大戦後、反戦を示す映画だったのに第二次世界大戦が起きてしまうという皮肉さ。
人間はこうも過ちを繰り返す。
戦争映画オタクとして、これほどリアルで生々しく、メッセージ性のある作品は貴重。
ミッション系(1917)やサバイバル体感系(ダンケルク(ノーラン))では伝わりきらない、これが真の戦場映画である。
万人におすすめできるものじゃないけど、世界が評価するこの映画の凄みを、時代の警鐘と捉えて興味は持ってほしいと思う。
ダニエルブリュールを起用するのも良かったと思う。Netflixとは言え、アカデミー賞入れること見越してたのかな。無名の俳優だけではいけなかったとも思うから。
監督、キャスト、メイク、美術、撮影、あと音楽もすごい!!自分が「すごい…」と感じたことが、アメリカ映画祭でことごとくノミネートという形で評価されていて、もう、、もうね、1人でこの胸熱を抱えるのしんどい。。。
アカデミー賞を目前に、ちょうどWOWOWから勧誘(たまに来る)が来て、運良く550円で加入できた。仕事は有休。
明日AM7時30分
アカデミー賞授賞式生放送
賞をとるとらない関係なしに、推しの映画を見届けます!
心はドイツ勢と共に!!!
〜予想なんてしちゃおかな〜
外国語映画賞は獲る
美術、メイクあたりはどお?!