RRRは異文化との遭遇
すでに8R(8回目のRRR鑑賞を達成したという意味ね)したので今更感想を乱文で書いても仕方ないし、映画の感想はこのNoteに賛美9割以上あるのだから、そこを見てくれたらいいと思う。
私はもともとじっとしているのが苦手な子供だった。だから映画に行ってもすぐに動きたがるし、大人になってもそれは変わりがない。自分ですら、生活に支障のない程度のADHDな人間だと自覚している。なので、基本的に映画のように何時間も拘束されるようなことは私の個性として苦手なのだ。
それなのに、RRRは3時間拘束を8回も自ら飛び込んだのだ。
なぜか。
それは単純に楽しいから。
映画内のあらゆる部分が洗練されすぎている。
起承転結がはっきりとしたストーリー、主役や悪役はもちろん脇役子役やモブと呼ぶのにも憚れる群衆の俳優さんにまで至るすばらしい演技、見たことのないアクション、今では見ることもなくなった派手で素直な感情表現、歌唱音楽そしてダンス、ラージャマウリ構文ともいえる映像作り、アヴァンタイトルからエンドロールのダンスまで。
私は旅行が大好きだ。
日本人が誰一人いない中東や南米、中国の街で2年ほど仕事していたこともある。
若干ADHD気味な私が、人生で一番刺激を受けるのは、単にきれいな景色とかおいしい料理とかだけではない(もちろんそれも大好きなんだけど)。「理解できないほどの異文化と出合えた時」に、旅行に行ってよかった、楽しい!って心の底から感じれるのだ。大したことのない私の人生も、意外といいもんだなって輝いてくる実感が沸く。
RRRはまさに見たことのない、感じたことのない異文化を目の当たりにしてしまったことの衝撃と、その世界が私にとっては世界一美しいと感じてしまったこと。これが8Rしてしまっている楽しい理由だと思っている。
「俺は森で生まれ無知だった」は自分自身にぶつけられた言葉だったよ。
さらにいえば、この映画は大多数の日本人にとっても異文化と触れ合う喜びを感じていると思っている。だって、感想が「凄い、凄いしか言うてないけど凄い!」って感じばかり。
異文化に出会えた喜びとそれを表現する言葉を私は持っていないし、たぶん世の人々はみんなそうなんだろう。
またはリアルで「異世界系」というものを、アニメのような絵ではなく、血の通った役者さんの演技っを通じて体感させてくれるものにも感じている。
聞いたことのないリズムから始まるあの瞬間、架空の1920年を舞台にした物語に転生させてくれる映画でもあると思ってる。
10年20年前に比べて、海外で日本人と会うことがほとんどなくなり、世界中どこに行っても日本以外のアジア人ばかりになってしまった。
この映画をきっかけに、異文化に出会う衝撃や喜びに目覚めたのなら、ぜひ家を飛び出して、ちょっとした旅にいこう。
世界はいつも輝いている。
海外でなくてもいい。隣の街の有名なレストランに行くとかでも異文化だ。
隣の県まで行けば、また違う景色が見れる。
海外まで行ったらなおのこと。
そんな人が一人でも増えればいいなと思う。
生きていることを実感させてくれたラージャマウリ監督初め、全スタッフに感謝。