【非日常ラウンジ】 過酷すぎるインド一人旅 DAY1「洗礼を受ける」
インドの首都、デリーに到着。
あいにくの雨。
8月は雨季の真っ只中、とはわかっていたもののちょっとテンションは下がる。
仕方ないか。
今回はVISAの事前申請が間に合わなかったので、
Visa on Arrival (VOA)。
到着して申請するもので、承認されなければ即帰国しなければならないのだが、ほとんど通るとのこと。
到着して承認されるか待たなければならず、
ここで同じ便だった日本人とお別れ…
と思ったが、ちらほらこちらのレーンにも来た。
同じ、旅を決めたのが直前すぎて事前申請が間に合わなかった組がいたとは。
助かった。。
なぜって、VOAとその支払い、税関のカウンターが分かれておりややこしく、その場で連携プレーをすることになったからだ。
「そっちらしいっす」
「頑張ってください」
「気をつけて」
日本人と別れる。
ようやく、一人旅の始まりである。
さて、空港はあまりインド感なし。
エアポート・メトロでインディーラ・ガンディー空港からニューデリー駅へ。
混雑。人、人、人。
チケット売り場で早速騙された。
明らかに200ルピー出したのだが、ニューデリーまでの運賃60ルピーでおつりは40ルピー。
混雑すぎて後から文句を言うこともできず、諦める。
メトロはいざ乗車するとまあ快適。
綺麗だしなにより定刻で来る。
いきなり車内の電気が消えてしばらくしてつく、なんてことはあるけれど。
なんて思っていたらニューデリー駅に到着して早速、散々な目にあった。
ニューデリー駅からホテルへは徒歩で10分。
歩いて向かおうとしていたら、なぜか線路の反対側へ渡る橋の上で荷物検査をしており、避けようとしたところ声をかけられた。
「セイフティパスは持ってるか?」
詐欺だろう。
そう思ってノーというと、「では取得しなければならない。こっちへこい」とのこと。
オート・リクシャーに連れて行かれ、道中付けているGoProを見たからか、ノーカメラ、ノーモバイルフォンと言われる。
特にスマホは擦られるから気をつけてポケットに入れろと。
たぶん、今行われている所業を録画されないためにだと思われる。
断る隙はなかった。
まあいい。ついていってみるか。
行き先のホテルを伝えると、ここは夜は危険だからいけないかもだけど行ってみようと。
わけがわからない。
「いくら?」
「20ルピー」
一応、リクシャーに書いてあるCNGシールを強調してくる。
なんとかガバメントと言っていたので、政府公認と言いたいのだろう。
ほんとかよ。
後で調べたら圧縮天然ガス(ガソリン使ってなくて環境にいい)のことだった。
そんなわかりやすい嘘つくか?
なんとか出発。
怪しいのでGoogleマップで確認しようとすると、ノーモバイルフォン!
わかったわかった、と頷きながらしまい、またこっそり出して検索を繰り返す。
コンノート・プレイス(ニューデリーの近代的な店が並ぶショッピング街)付近を回っている。
しばらくすると、大通りで、道に立っていたガードマンらしき男に、セイフティパスがないと通れないと止められる。
で、助手席に乗っていた先ほどの案内人に、
セイフティパスないの?と聞かれる。
だからノーと言ったろ。
ないならシティセンターで取らないと、と。
フリー、フリーと強調してくる。
「どこで取れる?」
「インフォメーション・センター」
「フリーって言ったからね?じゃあ連れて行って」
あたりはデモやテロの影響で取り締まっているとのこと。
特に夜8時以降は危険だからリクシャーでも通れないらしい。
歩いても止められる?と聞くと、
歩くなんてダメだ!危険すぎる!
とガードマン、案内人揃って脅かしてくる。
何分かかる?と聞いたら5分と。
5分?
と大げさに驚いて見せたら、3分かも、わからないと。
そしてインフォメーション・センターに連れて行かれる。
その道中。
通行人に突然なにかを投げられて私の顔と服にずしりと衝撃を受けた。
「痛っっった」
みると、落ち葉やバナナの皮、なにかのゴミが混じった汚物の塊だった。
リクシャー案内人も慌ててさすがに同情。
「オーマイガー。アーユーオーケー?」
そして、ダメだよ、絶対内側にいてね。
スマホはしまえと念押し。
アイノー、アイノー。
おれも怒鳴り気味で答える。
で、ようやくインフォメーションセンターに到着。
青い看板。一目で分かった、YouTubeで見たやつだ。
旅行会社に連れて行く詐欺。
入る前に、ホテルに行きたいっていっているだけだ、と連呼する。
すると、案内人が黙り、奥から日本語の話せる人が来た。
いまは、独立記念日に近いから街が危なく、交通も規制しているとのこと。
ググったら、ほんとに8/15が独立記念日。
今日は8/11で確かに近い、が、ほんとか?
とりあえず日本語話せる方に中に案内され、説明を受ける。
「アグラーは安全、バラナシも安全。でも、デリーは危険。
今日からもう車でアグラーに行って、そっちに泊まった方がいい」
「でも明日の電車予約してる」
「車手配してあげる。ついでにいいツアーを用意する。明日バラナシ、明後日もバラナシ、すべて車移動させてあげる。最終日は空港に送る」
「え?ホテルは既に予約してるけど」
「39000でどう?」
「いやいや、だから予約してるって。
なら自分で回りたい」
「まあ提案してあげるけど、判断は自由」
なんて会話しながら予約済みのホテルを調べたところここから徒歩5分だった。
近くまで来てるじゃん。ここまではこれるんかい。
「調べたら今夜の宿歩いて5分だけど?」
「危険だよ、まあ知らない。危ないと思ったら帰ってくるでもいいよ(諦めモード)」
「そうする、親切にありがとう」
店を出ると、ホテルの方向へ、逃げるように走る。
リクシャーの嵐、ひどい雨、ぬかるむ道、牛、う◯こ臭い通り、ホームレス、、、
途中で同じ方向に歩く3人の女性を見つけ、そこに混じって移動。
たしかに夜は危険だ。でも全然人が歩いている。
結局、ホテルに到着したのが9:30過ぎ。
空港に着いたのは7時だったのに。。
とりあえずホテル着。
(わからなくて途中他のホテルのフロントに道を聞きながら探し回った)
優しい人のカウンターでチェックインし、部屋に案内される。
まだ夕飯を食べてない。
汚物で汚れたシャツを捨て、着替えて下に降りて、スタッフにオススメのレストランを聞く。
向かいのカレー屋さんに案内されたので、チキンカレー、ナン、ラッシーを注文。
ホテルのスタッフが一緒に席についてくれ、軽く会話。
「エイジェイ、インディア」
今回の旅が5日間というと短いと驚かれた。
さきほどの騙された経緯を話すと同情してもらえ、日本人はターゲットだから気をつけるようにと。全て事前に予約して、移動はUberにしなさいとのことだった。
「センキュー」
食事中、たまたま隣に座っていた日本人の4人家族のお母さんが話しかけてきた。
「YouTuberさんですか?」
「いやいや、ただ撮ってるだけです」
疲れ切っており、何も面白い返しができなかった。
食事は429ルピー。
おつりを若干間違えていたが、残しちゃったし仕方ないと割り切る。
きつい、満腹だ。
ホテルに帰って荷物の整理。
シャワーは水しか出なかったが、寒くなかったしカウンターに言いに行くのも面倒だったのでそのまま洗った。
さて、過酷な旅になるぞ、インド旅。