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【非日常ラウンジ】 過酷すぎるインド一人旅 DAY6 エピローグ 「隣のインド人と香港へ」

何はともあれ、インド脱出。

復路はトランジット。

無事に香港行きの便に乗れたのだった。

コンタクトを外してメガネにして休みの準備。

映画なんて見られる体力にない。

と目を瞑ろうとしていたら、左の窓際席から視線が。。

隣に座った青年が質問してきた。

「荷物、前のポケットに入れても大丈夫?」
「ん?あ、ああ、OK」

席前のポケットとは雑誌やエチケット袋の入った部分のことを指している。

入れても大丈夫?て何の確認?と思ったら、次はシートベルトをもってごちゃごちゃしている。

「こうやって締めるんだよ」

教えると、お礼を言われた後

「実は、これが初めての飛行機なんだよ」
「ファーストタイム?」

初めてらしい。
そりゃわからんよな、と。

「機内モードにした方がいい?」
「した方がいいよ」
「ありがと」

聞けば、彼はインド人で、来期(10月?)から香港大学に入学するようで、そのために人生で初めての飛行機に乗っているというわけだ。

「香港大学はアジア圏でもトップに入る大学らしく、ワクワクしているんだ」

優秀じゃないか。

インドは世界一の人口を誇る大国だ。

その中で飛行機に乗るお金のある人は僅か。

さらにその中で、海外の大学で学ぶことのできる方は限られるのだろう。

「私はインド旅行に来ていて、これから帰るんだよ。これは香港行きだけど、乗り継ぎで日本に帰るんだ」
「なるほど、歳はいくつ?」

伝えたら驚かれた。

「日本人は若く見られるんだよね。君は?」
「19」

大学入学だからそりゃそうだよな。
それにしても、老けて、ないか。。?

その後は中田敦彦さんのYouTube大学で予習していたインド神話の話で盛り上がった。

「ハヌマーンがこう、手で山を切ったんだよね?」
「そうそう、よく知ってるね。彼は山に生えた草木のうち、どれが薬草かわからないから山を丸ごと運んだんだ」

こんなに盛り上がるとは。

ありがとう、中田さん。

その後はインド映画の話に。

「少し前に、バーフバリを見たよ。かっこよかった」
「おお、それはよかった。あれはよくできているよ。RRRは?」
「まだ見てないんだ!やっぱりみるべき?」
「もちろん!絶対見ないと。ボリウッド映画の中でもトップだよ」

そして、私の好きな名作映画の話。

「3 idiots(邦題: きっとうまくいく)は傑作だったよ」
「あれは良いよね。僕のお気に入りだ」

こんなに盛り上がってしまうとは。

つたない、時に単語の羅列のような英語だったが、インドの方は丁寧に聞き取るよう努力してくれる。

「英語聞き取りやすいね」
「ありがとう、でも日本人はみんな英語がそんなうまくないんだよ。インド人はみんな伝わるからすごいよね」
「学校の授業が全部英語だから、やらないと勉強できないんだ」

それから、料理の話、仕事の話、安倍元首相が亡くなった話。

結局、一睡もしなかった。

最後にツーショットを撮り、インスタを交換。

「勉強頑張ってね」
「そちらも仕事頑張って」

香港に到着し、乗り継ぎ便を待っていると、日本語が多く聞こえるようになってきた。

香港に来る日本人観光客は多い。

日本人を見れば見るほど、旅がつまらなく思ってしまう自分に気づいた。

羽田に到着してから、レンタルしていたポケットWi-Fiがデリー、インディーラ・ガンディー空港のセキュリティ検査場に引っかかっていたことを知った。

いいな、まだインドにいるのか。

帰国してすぐ、仕事が始まった。

特に価値観が大きく変わった、等はない。

が、しばらく夜眠れなかった。

時差はたった3時間のはずなのに。

目を瞑ると頭がうるさくなる。

連打されるクラクション、やかましいエンジン、ブレーキ音。
あのスパイスの香り。カビ臭い室内の匂い。
街ゆく人の好奇の目。

日本では刺激が物足りなすぎる。

しばらく、熱海とか行っても満足できないだろう。

現地や機内で仲良くなった方とは今でもインスタでやりとりしている。

アグラーでお世話になったタクシードライバーにもwhat’sApp でお礼を言った。

「ヘイブラザー、またこいよ」
「次はうちに泊まっていきな」

いつの間にかインドに何人もブラザーができていた。

私は少しでも、大きくなれたかな。

強くなれたのかな。

これで、noteにまとめながら思い出を巡るという、”2回目”のインド旅も終わってしまう。

ああ、またインドに行きたい。

オールドデリーのリクシャー。あの交差点は過去一の車両・人口密度だった。また乗りたい。

***

現地でお会いした方々、お世話になりました。

もし見ていましたら、ぜひご連絡ください。

旅先での出会いのみで留めたい方はスルーでOKです。

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