【非日常ラウンジ】 過酷すぎるインド一人旅 DAY2後編 「牛、犬、糞、詐欺師」
さて、無事にUberに乗り詐欺男から逃げてきた私だが、まだまだ油断はできなかった。
次の観光地はフマユーン廟。
タージマハルが作られる際に参考にされたお墓ということで、小規模ながらこちらも綺麗なのだという。
残念ながら到着早々小雨が。
折りたたみ傘を広げて入場料を払い、コイン型の入場チケットを手にして中へ。
まっすぐ進んだ先に、それはあった。
綺麗。
雨だが、十分に綺麗ではないか。
近くにいたフランス人観光客に声をかけられ、お互いに自身が映った写真をパシャリ。
上に登れるようになっており、登って建物を一周した。
雨は降っているもののなかなかいい景色。
ここで日本にいる友達とビデオ通話をした。
「タージマハルの元になったフマユーンだよ」
「すげえー!」
見終えて門から外へ出るとリクシャー営業の連続。
Uberを呼びつけて次なる目的地に向かう。
ここで、ミスをしてしまった。
世界最大のヒンドゥー教寺院と言われるアクシャルダム寺院に向かったのだが、着いてから休館日と知ったのだ。
面倒なことになった。
このあたりの地理はわからないし、目的地に着いたら一旦降りないといけない状況で(この時なぜかUberの目的地変更機能が使えなかった)、さらに外は大雨だったのだ。
外にいる警備員の「休館日だから他へ行ってくれ」の声を振り切ってしばらく車内にいさせてもらい、次のUberを予約。
目的地は…
この日の夕方からタージマハルのあるアグラ行きの列車に乗ろうとチケットを予約していた。翌日、早朝にタージマハルをみたかったから。
そこで、それまでの時間潰し先を特に決めていなかったこともあり、焦って1時間程早いが、次のUberの目的地を列車乗り場となる駅に指定したのだ。
これがなかなか大変なことになるのだった…
そんなこと知る由もない私は、ニザムディン駅に到着。
目の前まではいけないから歩いて行ってくれと言われ、手前で降ろされたのだが…
屋台が所狭しと並ぶ繁華街。
道路にはリクシャーがひしめき合ってなかなか進めずクラクションの連続。
その隙間に人が無理やり歩こうとするものだから余計に交通の通りが悪くなっているではないか。
屋台には見たこともない食べ物が並んでおり、ハエが無数にたかっている。
前を歩くお兄さんの肩にも止まっているものだから、おそらく私の頭や肩にも止まっているんだろうと考えながら必死に進む。
轢かれやしないか?と不安になどなってられない。
隙間があればすぐに入り込む。
屋台のキャッチの声もうるさい。
階段を登ってなんとか駅に着いたが、地べたに座る人が多く、虫だらけ。
とても、ここで1時間もじっとしてられない。
反対側へ降りてカフェかなにかないかと思ったが、そこも屋台で埋め尽くされておりほぼ同じカオス状態。
Googleマップで調べたらカフェが出てくるものの、店前に行ったら食欲がなくなってしまう。
このあたりはすごい、すごすぎる。
ただ、今じゃない。
この疲れ切った中、このエリアで1時間も待ってられない。
仕方なく、駅から離れるように散歩する。
牛がお構いなしに闊歩しているし、街ゆく人々はじーっとこちらを見てくる。
そりゃそうだ、こんなところに観光客は来ないだろうよ。
一応、肩につけたGoProを回しておく。
床屋を見つけた。
こんなところで座ってじっと髪をきってもらうまで待てないって。
地面には牛の糞や水たまりが多く、常に下を見ていないとトラップを踏む。
ついてくるハエに最初は手で追い払う仕草をしていた私も、周囲の現地人があまりにも気にしないのと、余計に注目を浴びてしまうことに気づき、諦めた。
だめだ、一旦駅に戻ろう。
駅近くに戻ったら戻ったで人の多さと屋台の数は尋常でない。
一度座ってマップを確認していていたのだが、リクシャーのキャッチが次々とくる。
それに、5、6歳?の男の子が物乞いしてくる。
執拗に服やカバンを触ってくるのだ。
この子、可哀想ではあるが、素手で鼻をかんだりしており、衛生上の問題で子供とはいえ愛想よく対応できなかった。
これには耐えきれず、また駅前を離れることに。
渋々、時間潰しのためリクシャーを呼ぶ。
しかし、ここは大渋滞繁華街。
待てど暮らせどマッチしないしやってこない。
怪しいキャッチしか声かけて来ない。
イライラが募り、しかめっ面をしてブツブツと日本語を垂れていると、さすがに声掛けは減った。
やっっと、Uberが捕まる。
「国立◯◯センターへ」
「OK」
もはや名前は覚えていないが、近すぎず遠すぎない建物へ避難。
下車の際にバケツをひっくり返したような大雨が降ったが、小走りで雨宿りへ。
ここで20分ほど休憩して、再びUberを呼んで駅へ。
何してんだ、私。
ようやく駅の中へ入り、印刷してきたチケットを見ながらホームの確認。
わかりづらすぎて困る。
この番号がホーム番号を指している?近くにいたお姉さんに声をかけたが嫌そうに無視された。
そりゃそうだ、私だって声がけは無視してきたから。
ホームに降りると来る列車の番号が電光掲示板に表示されており、ようやく乗れると一安心。
近くにいたインド人にここであってる?と聞かれたが、わからないままOKと適当に答えた。
なんとか乗り、多くの乗客に聞きながら座席番号を探し、着席。
乗務員に席の確認をされ、ペットボトルが配られ、弁当が配られた。
めちゃめちゃ美味しい。
食べ終わるとすぐに夢の中へ。
休めるのは移動中の車内だけ。インド恐ろし。
アグラ・カント駅に着き、Uberを呼んで乗せてもらい、ホテルへ。
このドライバーが気のいいおじさんで、これまで乗せてきた客が書いた日記を見せてくれた。
私がwhats app(海外版LINE)を入れてなかったため、時間指定でホテル下に再集合となり、その後夕飯に連れて行ってくれた。
このホテルが私のインド旅史上最高峰のホテルだった。
そのため、金持ちに違いないとタクシーがついてくるのだとはじめは警戒していたが、このおじさん悪いだけの人ではなさそう。というか、良い人だった。
夕飯では高すぎず、でも衛生面のきちんとした店を選んでくれ、行きたいと言った薬局についてきてくれたり、逆に行きたくないと言ったところには強要しないで意見を尊重してくれた。
無事ホテルに帰ってきて、早めの就寝。
明日は早朝タージマハル。
朝早いぞ。