【非日常ラウンジ】 過酷すぎるインド一人旅 DAY6 「帰国直前まで試練の連続」
いよいよ、インド最終日。
台風欠航で昨日帰ることは叶わず、振替の便は1日後となった。
昨夜、空港でパッとネット予約したホテルはニュー・デリー内。
アクセスは非常に良いが、日本円で1泊3000円と激安。
部屋は汚く、ハエや蚊がうようよしているし、窓開けっぱなしでほぼ屋外状態の倉庫から取り出したバスタオルは蟻だらけ。
自前のハンドタオルを使ってササっとシャワーを浴び、クーラーをガンガンにかけて長袖・長ズボンで就寝した。
起床は7時。
さすがに部屋の環境に我慢ならず、無料の朝食は遠慮してすぐにチェックアウト。
そして夕方の便まで、デリーにある日本人宿、サンタナデリーで過ごすことにした。
バラナシで泊まったサンタナバラナシの系列店である。
400ルピーでデイユースも可能だったので、荷物を預かってもらいつつ、バラナシみたいに交流を楽しめたらと思ったのだ。
ここもアクセスはしづらい路地裏の奥。
わかりづらい場所に位置していたが、バラナシほどではなくすぐに到着した。
(駅員の対応が遅くチケットがなかなか買えなくて、電車は乗るのが遅れたが)
共有スペースに行くと、日本人スタッフが待っていた。
同じ広間には3人が横になってスマホをいじっている。
「こんにちは〜」
あっという間に意気投合。
私のコミュ力が上がってきたのでは?と思いたいが、シンプルに1週間弱もインドにいると、積もる話があってなかなか盛り上がるのだ。
3人でランチに行くことになった。
歩いてすぐのカレー屋で、アフガニチキンが美味いと聞く。
ハエが常に3匹ほど飛び回っているところだったが、文句なしに美味かった。
お互いの経歴や旅の話をして、観光地を一緒に巡ることに。
デリーは1人で既に回ったが、仲間と回るのはまた違う。
それに、雨が続いた前回とは違って今回は晴れ。
特にプランもなく暇ということで、まだデリーの観光地を特に回っていなかった1人に2人でついて行く形となった。
知り合ったばかりとは言え、母国語が同じ仲間との旅の面白さは2倍にも3倍にもなる。
ツッコミや感動を共有できるのはデカい。
映画「イントゥザワイルド」(原作: 荒野へ)で主人公が一人旅中に悟った、『幸福とはそれを共有した時に現実になる』を思い出した。
アグラーセン・キ・バオリー(ここは初訪問)、インド門(通っただけ)、フマユーン廟、コンノートプレイスと回る。
途中、過去最高に声をかけられた。
男性、女性、男二人組、家族連れ。
セルフィーOK?と言われて写真を交換。
相手によってはインスタ交換も。
まるでスターになった気分を味わえる、そう言っていたインド旅経験者の友人の言った通り。
現地の人に聞いたところ、誰々と写真を撮った、というのを友人に自慢したいらしい。
それにしても変わった文化だ。
それから、一気に北の方へ向かい、レッドフォート。
ここは手前の人だかりのところまでに留めたが、多くの人、人、人。
キレキレのダンスをしているTikToker?にも出会い、連れの一人が参戦。
日本サイドのダンスは経験者でないため無我夢中で手足を動かすのみ。
しかもTikTokerはイヤホンしているが、こちらは音無し。
日本男児の意地を見せつけてやった。
最後には仲良くなってインスタを交換。
レッドフォート含むこの地域の一帯は、ニューデリーに対してオールドデリーと呼ばれる。
ここはカオスなインドが感じられるマーケットがあるという。
レッドフォートから、大通りを渡ったところにある。
ここが凄かった。
購買意欲をげんなりさせる陳列具合。
見ている分には面白い。
パチモンミッキーやパチモンミッフィー探しという楽しみ方を見出した日本人3人組。
連れの一人が日本から折り紙を持ってきていた。
聞けば、現地の人との交流テクニックとして持ち歩いているという。
お世話になったり仲良くなった方に鶴を折って渡すのだ。
これは賢い。
小さな女の子向けに百均で買ったシールも持ち合わせている用意周到さ。
マーケットで見かけた美人店員には即席紙飛行機をプレゼントして投げ合って遊び、写真を撮るまでに距離を近づけていて驚いた。
さすが、旅慣れている。
結局マーケットではミネラルウォーター以外買わなかった。
だが見ているだけで楽しい。
夕方になり、預けていた荷物をとりに宿に帰ると、今夜帰国の宿泊者数名が集まっていた。
「はじめまして」
「はじめまして!タクシー呼んでるんですけど、乗ります?」
ありがたい。
今日一日中を共に過ごした2人とお別れし、宿を出てタクシーへ。
いよいよ、帰国か。
あれだけ揉まれて疲弊したはずなのに寂しさを感じた。
それから、渋滞に巻き込まれてなかなか来ないタクシーに乗り、急げと言っているのにガソスタに寄る運転手を説得し、空港に着く頃には離陸まで1時間半を切っていた。。
そして、セキュリティ検査は激混み。
はじめは大人しく並んでいたが、途中からさすがに間に合わないと踏んだ近くの人たちと、<列の一つ前の人の搭乗時間を聞き、自分よりも遅ければ先に入れてもらう>をひたすら繰り返すこと小1時間。
検査で足止めを喰らっていたおばさんも同じ便だった。
「時間がないよ」
「私もよ、頑張りましょ」
ノロノロした検査官により引っかかった髭剃りやジンバルを置きざりにして検査を抜け、搭乗ゲートまでダッシュ!
いざ到着すると、出発は30分ほど遅延しており、まだ搭乗開始していなかった。
後から走ってきた同じ香港行きの乗客が息絶え絶えに聞いてくる。
「まだ間に合う?」
「30分遅延しているみたい」
「パーフェクト」
まるで映画のワンシーンだった。
搭乗直前に、同じタクシーで来た日本人と再開。
「どうなるかと思いましたよ。ではまた」
ようやく、帰国だ。
最後の最後まで試してきやがる、インド一人旅。
お疲れさま、私。