富士フィルムスーパー杯 横浜Fマリノスvsヴァンフォーレ甲府
〇マリノス 4231
GKはオビ DFライン右から上島、畠中、角田、永戸 CHは喜田と渡辺、トップ下西村、LWGがエウベル、RWGが水沼、CFはアンデルソンロペス
〇甲府 4231
GKは河田 DFライン右から須貝、山本、マンシャ、三浦
CHは松本、佐藤、トップ下長谷川、LSHが水野、RSHが鳥海、CFはウタカ
〇前半
甲府の守備は442でミドルブロック。マリノスバックラインにはボールを持たせる。1列目がCBからCHへのパスを遮断。上島から水沼に渡ると、LSBの三浦が縦を切り、LSH水野がプレスバックし挟みにいくなど中盤でマリノスからボールを奪ってカットしてからのカウンター狙いが見られた。
甲府は立ち上がりからかボール保持はせず、キーパーに下げて対角に蹴ったりゴールキックも繋がず蹴っ飛ばす。(河田のキック精度は良い。)
8分上島から下りたアンデルソンロペスへ縦パス。ロペスはキープし左ワイドのエウベルへ展開。エウベルから、内側から左のHSを抜けてRSBの須貝の裏を取った永戸にパス。永戸がクロス。10分内側にポジションを取った永戸の前へのランニングと連動し畠中から左大外フリーのエウベルへ展開し前進。左サイドで繋いでから右へ展開。上島と水沼のパス交換から右HSへ抜け出した西村へパス。西村の落としを渡辺がミドル。
16分畠中から上島へパス。上島へアプローチする水野の裏で上島からのパスを受けた渡辺が水沼へパス。水沼はターンし、真ん中(RCH脇かつライン間)のエウベル→アンデルソンロペスのシュート
マリノスが前進方法を見つけ甲府を押し込むことに成功。甲府は押し込まれると全員が自陣まで下がるため、奪ってもカウンターは出来ない。
20分左サイドで永戸、エウベル、渡辺、西村でパス交換し、エウベルから左HSでパスを喜田が貰い、水沼とワンツーでペナ内まで侵入。
29分バックラインで回しながら相手の前線が奪いにきたところをオビ→渡辺→喜田→水沼→上島→西村→水沼→アンデルソンロペスと繋ぎ、アンデルソンロペスの永戸へのパスがフリーのエウベルまで流れてそれをエウベルがゴールへ流し込み疑似カウンタ成功。マリノスが先制する。
36分も水野の裏で上島からのパスを受けた渡辺から水沼→アンデルソンロペス→渡辺→永戸ミドル。
しかし甲府は前半終盤にマンシャがボールを奪うと一気に前線にスルーパス。抜け出した鳥海がウタカにプレゼントパス。ウタカが決めて甲府が追いつき前半終了。
〇後半
50分上島→喜田から水野のうしろに流れた渡辺へパス。渡辺からアンデルソンロペスへ縦パス。ロペスが永戸へ落として永戸ミドル。
52分河田のロングキックを回収し、畠中から渡辺へ縦パス。(このとき甲府の前線4人とも立っているだけで守備の準備できていない)渡辺ターンから西村→アンデルソンロペス→渡辺→水沼クロス。
困った甲府は守備のテコ入れを図る。マリノスのバックラインに持たせる際に「4213」の形に変更。トップ下の長谷川をアンカー気味に振る舞うCHのマーク担当に。左に開く角田に対し、鳥海が前に出て牽制する。
この甲府の変更に対し角田がいきなり回答を見せる。
60分アプローチに出てきた鳥海を巧みにかわし甲府陣内にドリブルで侵入。甲府の両CHを引き付けアンデルソンロペスへスルーパス。抜け出したロペスのシュートはポストに阻まれるもこぼれ球を西村が詰めて勝ち越す。
失点後前に出て守備出来なくなってしまった鳥海。
67分水沼→ヤンマテウス 西村→マルコスジュニオール
71分鳥海→三平 三平はトップ下、長谷川はLSH、ジェトゥリオはRSH。
73分甲府松本が前に出て角田へアプローチするも、角田→オビ→渡辺→畠中→エウベル→マルコス→ヤンマテウスにシュートを打たれる。
76分ウタカ、三平、松本でオビと両CBと喜田にプレスをかけにいくも、オビ→エウベル→アンデルソンロペス→エウベル→渡辺→ヤンマテウスシュートのブロックに合う。
ビハインドの甲府はウタカと三平の1列目に松本が加勢する形でプレスをかけにいくが、マリノスはGKのオビを使ったプレス回避からの疑似カウンターで追加点を狙いに行く。
81分佐藤→武富
武富が1列目と一緒にプレス隊になり、松本が後ろに残る形に。
武富は保持時では積極的に受けて失うシーンはなく味方に繋ぎ攻撃のリズムを作ることにも貢献。(持つ時の余裕を感じた。)
諦めずに同点を狙いにいく甲府。終盤のCKのチャンスではGKが上がる。CKの流れからジェトゥリオがゴールネットを揺らすものの、オフサイドの判定。結局このまま試合は終了。
マリノスが6度目の挑戦にして初のスーパーカップのタイトルを獲得した!
〇マリノス選手評
・オビ
失点場面はノーチャンス。シュートストップも堅実だった。キック精度も良くミスはなかった。
・上島
ファーストプレイでミスをしコーナーを与えたりなどミスが多く、正直「大丈夫か??」と思ったが、アンデルソンロペスへの縦パスや空中戦の強さなど持ち味を発揮。
・畠中
堅実に90分RCBの役割をこなす。
・角田
積極的に縦パスやミドルパスにチャレンジ。守備対応でも後半の立ち上がりのミス以外は上手く対処出来ていた。
・永戸
エウベルとの外と内の使い分けがスムーズで左サイドの関係も良好。効果的なランニングがとても多かった。
・渡辺
ミスが普段より多かったが、相手のLSHの後ろのスペースへ入り込むプレーで右サイドのボール循環に貢献。喜田が交代してからは喜田のボールを奪い返す仕事役を引き受けていた。
失点の場面では、奪ったボールをすぐに縦に送りカウンターを狙うも、これがロペスと合わずマンシャに奪われてしまう。この時、渡辺は悔しがるリアクションをし、中央のプロテクトに戻るのに遅れてしまう。奪われたのは仕方ないにしろ戻るのに遅れるのはいただけなかった。猛省してほしい。
・喜田
ボールハントは健在。カウンタープレスでボールを奪い返すシーンが今日も多かった。
・水沼
SBとして慣れない上島のサポートが乏しく、孤立するとロストしていた印象だが、CHや西村、アンデルソンロペスとの連携からの崩しに参加した際は輝いていた。
・エウベル
困ったときの預けどころ。持てばなにかしてくれる。先制点は落ち着いて決めた。
・西村
ライン間、裏抜けなどオフザボールの動きが巧み。決勝点の場面は走り続けることが出来る西村の特徴が良く分かるシーンを言えるであろう。
・アンデルソンロペス
コンディション良さそう。上島からの縦パスを受けてキープ、前進するための仕事は流石。決勝点に繋がる抜け出しとフィニッシュ。
・マルコス
ライン間で受けて疑似カウンターのチャンスシーンに絡んだ。ターン、パスも相変わらず上手でコンディション良さそうに見えた。
・ヤンマテウス
右サイドがいいなと思った。カットインからのフィニッシュで惜しいシュートを放つ。左利きのためCFやトップ下への縦パスも水沼より入れやすいと思った。守備意識も昨シーズンよりも上がった印象。
※藤田、植中はプレータイムが短いためコメントは控えさせていただきます。
〇おわりに
怪我やコンディション不良で本職のRSBがいないなか、上島をRSBとして起用し、後ろ3枚にした少し左肩上げのようなビルドアップを準備してきたマスカット監督。
後ろ3枚にすることで上島と角田からの縦パスは出しやすい印象だった。
しかし、上島の縦パスの質は良いが、周りと合わず失ってしまうと即被カウンターの場面が見られたので使い時を間違えると怖いなという印象。
甲府は前半の最初はマリノスのバックラインをほぼ放置していたが徐々にと奪いに行くために前に出て行くも空転させられた印象。失点するまではそのままマリノスのバックラインには持たせたままにしておいても良かったのではないかと感じた。
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