【医食の章/5節⑤】〜[どの様な「食べ物」を、私は食べれば良いのか!?]〈「肝臓障害(肝症状)」が気になる方へ、…(「体質/体調別」栄養摂取のアプローチ)〉〜
◉[再構築「Ⅴ」⑤]〜【どの様な「食べ物」を、私は食べれば良いのか!?】〈Ⅴ「肝臓障害(肝症状)」が気になる方へ、(「体質/体調別」栄養摂取のアプローチ)〉〜…
◆『肝臓の病気(肝の症状)』に於ける「東洋医学(漢方)」的 見解について、
◉「東洋医学(漢方)」的見解に於ける『肝臓の障害(肝の症状)』の解釈とは、…
■「中医学」に於いての『肝臓の生理(肝の機能)』とは!?、
●[「東洋医学」では、「肝」は「樹木の性質」に例えられ、「大地の養分を吸い上げて、太陽のエネルギーを吸収して育ち、 空に向かって、枝葉を伸ばし、広げる性質」を持っているとされています。]
「大地の養分」は、『腎・脾』が作り出す「精」に該当し、「太陽からのエネルギー」が、『心の陽気』に該当します。
「気血」を「体の内部から体の隅々まで配り、発散力を供給する機能」を『肝』が担います。 『肝』の役割は、「常に外に伸びやかに広がる力」を提供します。 「発汗に於ける外に向かう力」、「排尿の際の外に向かう力」、「射精時の外に向かう力」を『肝』が提供し、 「発汗」に於いて『肺』が、「排尿・射精」に於いて『腎』が、『肝』の「外向きの力に拮抗して、調節」を行います。]
●【東洋医学的、肝の機能 解釈】〜
・「東洋医学」では、「自律神経を司る“肝(かん) ”の働きが乱れる」と「自律神経失調症」と云った不調が起こると考えます。
実際の「症状」としては、「精神活動/気血の運行/消化活動の調節」に影響を及ぼします。「強いストレス」で食欲に異常が出たり、「便秘」や「下痢」になったりするのは その為です。
・では、どういった原因で、“肝”の働きが乱れるのかと云うと、「イライラ」や「激しい怒り」、「思い通りにならない不満」等の感情によって起こる事があります。
“肝”を含む「五臓」は、「七情」と呼ばれる“怒・喜・思・憂・悲・恐・驚”の感情を過度に感じると五臓を傷める為です。感情以外に、「季節の変わり目/環境の変化」と云った「外的要因」や、「身体的な負担や栄養不足」、「睡眠不足」等の「内的要因」によっても「“肝”の働き」が乱れます。]
●【疎泄を主る】〜
[「疎泄」とは、「体全体に気/血/津液を順調に巡らせる機能」を云います。 目的に応じて、「必要な所に、必要なだけ配分する調節機能」を担っています。「肝の疎泄」は、「全身気の機能・消化器機能・気持ちの調節」をします。]
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■「中医学的体質別」、『肝臓の障害(肝症状)』の分類とは!?、
◆【気機を暢達(伸びやかに)する。=気の巡りを順調に保つ】、
[Ⅰ][ 肝鬱化火(かんうつかか)体質]、
●[「ストレス等の精神刺激」により熱が生じている状態。]
※[随伴症状 - イライラし易い/情緒不安定/手足の冷え/頭痛/目の充血 等。]
※[「強いストレス」によって、「自律神経が失調しているタイプ」です。「ストレスが過剰になる」と「気の流れ」をコントロール出来ず、「流れが詰まる」事で熱を持ち易くなります。「気の巡りを整え、熱症状を抑える」様な漢方薬を用います。]
[Ⅱ][ 肝気鬱結(かんきうっけつ)体質]、
●[「肝の疏泄機能(気を伸びやかに巡らす作用)」が失調して、「気の流れが鬱滞した状態」です。「感情の抑圧や、怒りが原因」になります。「肝気の滞り」となり、「抑鬱状態(精神的な落ち込み状態)」、「ため息をよくついたり」、「イライラしたり」、「怒り易く」なったり、「感情の起伏が激しく」なったりします。
・女性では、「生理痛(張った様な痛みは、『肝』が関係します。)、月経異常」を生じます。「伸びやかに巡っていた気が滞る」のですから、気滞が生じた部位には、「膨満感・疼痛」が生じます。「特に肝経に沿った、張った様な痛み」を生じます。]
[Ⅲ][ 肝血瘀滞(かんけつおたい)体質]、
●[「肝気の疏泄作用」が「長期間に渡り障害を受ける」事により、「血の巡りが悪くなる(血瘀)」病態。]
※[随伴症状 - 顔色が青黒い/顔がくすんだ感じ/脇下が詰まる感じや痛み 等。]
※[「舌質〜暗紅」、「痛みの特徴〜刺す様な痛みで夜間に強くなる」。]
[Ⅳ][ 寒滞肝経(かんたいかんけい)体質]、
●[「寒邪が肝経に侵入」し、「肝の疏泄機能が失調」し、「気血が滞り、強い痛みを生じ」ます。「下腹部痛や肝経は、生殖器を絡んでいます」ので、「睾丸痛・月経期に下腹部疼痛があり、温めると痛みが軽減」します。]
※[随伴症状 - 生理痛、生理前の下腹部痛/手足の冷えあり。]
[Ⅴ][ 肝経湿熱(かんけいしつねつ)体質]、
※[「湿熱の邪」が「肝経」に滞り、「脇痛/口苦/黄疸/倦怠感」等の症状が出現します。「肝炎・胆嚢炎の病態」を指します。]
[Ⅵ][ 肝経湿熱(かんけいしつねつ)体質]、
※[「激怒」による「肝気暴張(肝気が爆発しそうな勢いの状態)や肝気鬱結」が、長く続くと、「熱を生じ、火となって、肝火が上逆して特徴的な症候を呈します。
「舌質」は、「紅で、舌苔は、黄」になります。]
※[随伴症状 - 赤ら顔/目の充血/目眩/耳鳴り/口苦感/激しい頭痛 等、顔面に熱症状として現れます。]
[Ⅶ][ 肝陽上亢(かんようじょうこう)体質]、
※[「肝火上炎(かんかじょうえん)」が、「病 態気鬱や激怒 等で蓄積した熱」が「火邪」に変わり、「火の勢いが、上方にたち上がる実熱証の事。「激しい突発性の症状」を呈する。]・[「陰虚」を背景として、「陽気を制御出来なくなった」為に、「陽気が上方に浮上する」。「熱象は、陰虚内熱による虚熱(陰液が不足して相対的に陽気が高まった熱状態)」で、持続性でやや穏やかな症状を呈する。]
[Ⅷ][ 肝火犯肺(かんかはんい)体質]、
※[「肝気の滞り」が長時間に渡ると、「熱を持ち、火に転じたりする」と、或いは、「熱邪」が「肝経に籠って、肺に侵入する」と、「肺陰」を消耗して、「肺の陰液不足」を齎す。『肝』は、「疏泄(特に肝から肺へ上方向に気を巡らせる)を主り、『肺』は、粛降(下方向に巡らせる)を主る」。この両者が協調する事によって、正常な健康状態を作り出します。もし、「肝火が上昇して、肺の粛降が損なわれる」と、「気逆(気の逆流)」を起こし、激しい咳を現す。『肝』は、「目に開竅する」ので、「肝火」が上昇すれば、「目が赤く」なります。「頭に上れば、イライラして怒り易く」なります。]
[Ⅸ][ 肝風内動(かんふうないどう)体質]、
※[症状としては、「激しい眩暈や頭痛/頸の後方の強張り/四肢の痙攣や麻痺/耳鳴り/顔面神経麻痺/昏睡/意識障害 等」がある。「脳の興奮に伴う症候」と考えられ、「脳血管障害の前駆症状」の事がある。]
[Ⅹ][ 肝血虚(かんけつきょ)体質]、
※[「全身を栄養する肝血が不足する」病態で、「滋養作用(栄養を与える作用)が低下」し、それぞれの部位での機能低下を引き起こします。その為、それぞれの障害部位に対する治療法も異なります。]
※[症候としては、「顔色が蒼白/舌が淡白」がある。]
※[症状としては、『肝』の関わる部位に対応して、「視覚障害/筋肉障害/髪・皮膚・爪の異常 等」がある。]
[Ⅺ][ 肝腎陰虚(かんじんいんきょ)体質]、
※[「肝血が不足する」と、「腎の栄養供給が傷害され、腎陰虚(腎陰の不足)」を招きます。「肝血虚の症候」の他に「腎陰虚の症状」として「腰が痛む/下肢が怠い/歯が抜け易い/髪が抜け易い」等の症状を伴います。]
※[症候としては、「顔色が蒼白/舌が淡白」がある。]
※[症状としては、『肝』の関わる部位に対応して、「視覚障害/筋肉障害/髪・皮膚・爪の異常 等」がある。]
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◉《『肝の障害(肝症状)』チェックリスト》
◆【『緊張するタイプ』】
□『自律神経・運動神経 等をコントロール出来ているか⁉』、
□『何時も、情緒が安定して否いか⁉』、
□『代謝や排泄に、異常があるか⁉』、
□『普段から、血の道の症状があるか⁉』、
□『普段から、眠れないか⁉』、
□『普段から、イライラし易いか⁉』、
□『普段から、怠さを感じるか⁉』、
□『神経症に陥った時があるか⁉』、
□『普段から、眼精疲労があるか⁉』、
□『何時も、頭痛が起こり易いか⁉』、
□『普段から、爪が割れ易いか⁉』、
以上です。
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以上です…。 次回『「肝臓の障害(肝の症状)」に良いとされる、「食べ物(食材/食薬/生薬)編【医食の章/5節/➅】』に移ります。