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ポルトガルと日本の違いー4か月過ごして思うこと・カルチャーショック―

ポルトガルに引っ越してからちょうど4か月が経ちました。
旅行でも来たことがない国だったので、暮らしのちょっとしたことでさえも新鮮で、数年分をぎゅっと詰めたのではないかと思うくらい本当に濃い4か月を過ごしました。
日本との違いや驚いたことを、新鮮な気持ちのうちに、感じたままを綴っていこうと思います。
ちなみに、ポルトガルは地域によって人の性格や文化が異なるようです。こちらには、私が住んでいるポルトのことを中心に綴っています。

生活編

夕飯の時間が遅い

日本のディナーレストランや居酒屋さんは、17時もしくは18時開店のところが多いので、定時で仕事を終わってもすぐに飲みに行くことができます。しかし、ポルトガルではそれが当たり前ではありません!ポルトにあるレストランのディナーは19時開店のところが多いです。
その感覚で、お腹空いたしご飯を食べにに行こう~と思ったら、ブックマークしていたお店が全て19時開店だったため、1時間ほど時間をつぶさないといけなくなったこともありました。
地元の人に聞いたところ、ポルトガル人は基本的に夕飯の時間が20時以降だそう。小学生も同じくらいの時間に食べるとのこと。学校は朝8時開始らしく、遅寝早起きだそうです。こちらの子どもたちはタフだと言っていました。
人気店と言われているお店でディナーをした際、19時の開店にお店に入っても、ほとんどお客さんがおらず、本当に人気店?お店間違えた?と疑心暗鬼になっていたところ、20時からぞろぞろ入ってきて満席になったこともありました。
ちなみに、お隣のスペインは22時に夕飯を食べる人が多いそう。お腹が苦しくて眠れなくなりそう!体のつくりが私たちとは違うのかもしれません。
ポルトガルに旅行に来た際は、お店の開店時間を確認しておくことをお勧めします!

牛乳は常温で売られている

こちらのスーパーに初めて行ったとき、冷蔵コーナーに牛乳がないことに驚きました。そんなはずはない!と思い、スーパーで買い物をしていたマダムに冷蔵の牛乳はどこ!?と聞いて困惑させてしまったのが懐かしいです笑
実はポルトガルでは常温の牛乳が主流。「ロングライフ牛乳」と呼ばれるもので、未開封の状態で常温で最大6ヶ月保存できるそう。一般的な牛乳と同じく生乳100%で作られており、保存料などの添加物は一切使用されていいない上に、栄養価においても、通常の牛乳と差はないらしい。優秀!
高温殺菌と、アルミ箔が内蔵された紙パックやプラスチック容器によって、菌が繁殖しないようになっているとのことです。
災害時の備蓄食品としても注目されており、非常時の飲料としての需要が高まっているそう。
ちなみに、6本で1つのビニールに包まれていますが、1本だけ買いたいときはこのビニールを破ってしまってOK。これにも最初慣れず、なんとなく悪いことをしているような気分でした笑

こんな感じで6本セットになっていますが、1本買いたいときはビニールを破って取ってOK!

これを6本まるまる買う人もいます。保存期間が長いからできること!
開封後は要冷蔵ですので、ご注意ください!

青果系は量り売り

日本で野菜や果物を買う時は、個数で料金が定められていますが、ポルトガルでは重さで料金が決まります。
私が通うスーパーでは、各野菜・果物の種類ごとに番号が書いてあり、量りコーナーで商品を乗っけて、番号を入力すると、バーコードシールが発行される仕組みになっています。
お会計は、他の商品と一緒にレジに持っていけばOK。
ついつい日本の感覚で、できるだけ大きなサイズの野菜・果物を買ってしまいそうになります笑 

👆見えづらいですが、緑に白抜きで107と書いてあるのが商品番号です
商品を乗っけて107と入力するとバーコードシールが出てきます

ペットボトルのキャップは落ちないようにくっついている

初めは、くっついているのを取らないといけないものだと思っていましたが、あえてキャップが取れないようにしてくれていたのですね!これは便利。
ちなみに、牛乳も同じくキャップが取れないようになっています。
こういった細やかな気遣いが感じられる工夫、とても素敵です!

家にペットボトルがなかったので牛乳ですが!こんな感じでくっついています。

ごみの分別がかなりしっかりしている

ポルトガルのごみ箱は、種類ごとに色がついています(グレー:リサイクル不可な一般廃棄物、青:紙・段ボール、黄色:プラスチック・金属、赤:バッテリーなどの危険物用)。
この色分けはポルトガルで統一されています。実はスペインに行った際も同じ色分けで分別されていました!
プラスチックと金属が同じごみ箱であること、紙パックがプラごみに含まれることがまだ慣れません😂

人編

電話が大好き。家族に電話しながら仕事するのが当たり前?!

ポルトガル人の人は本っっっ当によく電話をしています。何をそんなに話しているのか?誰と話しているの?初めはその光景に驚きました。
内見をサポートしてくれたポルトガル人のエージェントの人に聞いてみたところ、「そうそう。私の場合はお節介な第二のお母さん的な人がしょっちゅう電話してくるのよ。」とのこと笑
電車の中でもバスの中でも関係なく皆電話しています。特にご高齢の方が電話している印象なので、「ああ、あの子にこれも言っておかないと」とあちこちの第二の子や孫に電話しているのかもしれません😂
私が一番驚いたのは、家のトイレの修理に来たお兄さんが、電話をしながら修理していた場面に出くわした時。
ある日、家のトイレの水栓ボタンが押せなくなってしまい、オーナーさんを通じて修理屋さんを呼んでもらいました。
インターホンを押す前から、ドアの向こうから何やら声が聞こえます。
2人組で来ていたので、2人で話しているのかな~と思ったら、片方が電話で話している声でした😳
しかし、電話をしながらも、きちんと玄関で靴を脱いでくれて、その律義さに感動しました笑 (ポルトガルは家でも靴を履く人が多いようですが、私が靴を履いていないのを見て、そのお兄さんたちは靴を脱いでくれました。優しい!)
修理しながらもずっと電話で楽しそうに話していました。なんて器用なんだ。(ちなみにもう一人は見守るだけ。笑)
絶対に日本では見ない光景!笑
夫曰く、職場でもおそらくは家族に電話をしながら仕事をする人もいるのだとか。
仕事をきちんと全うしていればそれでOKなのかもしれません。

好奇心旺盛でおしゃべり好き?

例えば、バスでおじいさんが順に周りの人に話しかけたり、明らかに娘さんのために大きなぬいぐるみを買ったお父さんのような人に「これ、プレゼントかい?☺」(ポルトガル語が聞き取れなかったのでただの想像)と話しかけて盛り上がっていたりする場面を見かけたことがあります。
また、私たちがスーパーのレジに並んでいたら、アジア人が珍しいのか「どこの出身?いつからここにいるの?」と同世代くらいの人に話しかけられたり、夫が一人でスーパーでお土産を探していたら、「これおすすめだよ~☺」と地元民の方に話しかけられたりしたことも笑
何人かのポルトガル人の知人に聞いたところ、特にポルトの人は人懐っこく、よくも悪くも素直に感情を表す性格の人が多いとか。リスボンは本音と建前を分けている人が多いそうです。地域柄に違いがあって面白い!

運転が粗めなドライバーがかなり多め!

ポルトではメトロやバスなど公共交通機関が割と発達しているので、移動手段に困ることはあまりありません。しかし、電車のルートは遠回りなことも多く、電車だと1時間近くかかるけど車で行けば15分、なんてことが結構あります。
ポルトガルに来る前、ペーパードライバーだった私は、ポルトガルに行けば車を運転する機会もあるかもと思い、わざわざペーパードライバー用の講習を受講して、東京の道路で練習をしていました。しかし、ポルトに来てみると、あまりの運転の粗さに、絶対ここでは運転できない!と思い、結局この4か月間で1度も運転していません笑 長年ポルトに住んでいる方も、ポルトでの運転は怖いと言っていました。
例えば、私のマンション手前に、車が通れるちょっとした道があります。そこを車が通るためには、大きい道からカーブして入ってくる形になるのですが、運転者からは歩行者が見えにくいはずにもかかわらず、全く止まることなくカーブしてくることが多いのです。しかも、カーブの手前に柱があるせいで車が来た時に見えにくく、ヒヤッとすることが何度もあります。
まだ交通事故の現場を見かけたことがないのが奇跡。
信号がなく、歩行者が優先(のはず)の小さな道でも、譲ってくれるのが当たり前と思わずに、車が見えたら止まるのが吉。これが4か月住んでみた学びです。

待つのも待たせるのも当たり前?

運転は荒いですが(笑)、例えばあらゆる窓口やチケット売り場で人が並んでいても、早くこの人たちをさばかなければ…!といった焦りや、早くしてよ!といった殺伐とした雰囲気はありません。
ある日映画館に行った際、窓口でチケットを買うしかなく、しかもチケット対応をするのはスタッフ一人のみという状況がありました。その上、何かトラブルがあったのか、同じ人をずっと対応しており、どんどん列は伸びていきます。日本で接客経験がある私は、自分が接客していたころを思い出して、こういう時焦るよな…となんとなくそのスタッフさんに同情してしまいました。しかし、笑顔で接客を終えた後、特に急ぐでもなく、はい次の方~と言った感じで、なんとなく余裕を感じました。お客さんも特にイライラするでもなく、淡々とチケットを購入していて、なぜか私がほっとしてしまいました。美術館でも、私がチケットを購入しようとしたところでシフト交代だったらしく、ちょっと待ってね~と言われて、引継ぎが目の前で行われて、新しいシフトの人が腰を落ち着けてから対応されたこともありました(ちなみに、並んでいたのは私だけ!笑)。
自分が接客をしていたことが大きいと思いますが、この文化はかなり衝撃的でした。接客の概念を覆されたと言っても過言ではないかもしれません。
もちろんスピーディーかつ丁寧な対応をされたらとても感動しますし、会社の利益にもなります。しかし、スピードを重視しないことで、落ち着いていて丁寧に接客できるし、待つ方も待たされているという感覚がないから、こんなにもお互いに心穏やかでいられるのか!と。そのためか、ポルトガル(特にポルト)の接客は本当に気持ちが良いです。表面的な笑顔ではなく心からの笑顔で接客してくれている感じです。私は、接客が合わないと思い結局転職してしまいましたが、このスタンスだったら接客も良いかも、と少し希望を持つことができました😇

カフェ編

実はカフェ文化!コーヒーの種類が多い

あまり知られていないかもしれませんが、ポルトガルはカフェ文化です(私が知らなかっただけ?笑)
ポルトは、スターバックスのような世界展開しているチェーンのカフェよりも、個人店やポルトガル内や近隣スペインで展開しているカフェの方が多い印象です。いつか、私のお気に入りのカフェを紹介するつもりです☕
カフェメニューの定番"Café"はどエスプレッソサイズのコーヒーを指します。
それに加えて、ミルク入りのメニューの種類がなんと多いことか!
それぞれコーヒーとミルクの割合が違います。
以下は私がよく見かけるメニュー。(説明文はAIより引用)
-Meia de Leite:エスプレッソと温かいミルクの比率が1:1の飲み物
-Galão: エスプレッソと温かいミルクを混ぜた飲み物で、ラテに近い
-Garoto:ミルクに少量のエスプレッソを加えた飲み物で、甘さが特徴
-Pingado:エスプレッソに少量のミルクを加えたもので、ミルクの量が少ないのが特徴

Meia de LeiteもCaféと同様、ほとんどのカフェに記載があります。他のメニューはあったりなかったり。ポルトとリスボンでメニューが違ったりするようです。
私は口がお子ちゃまなので、ミルク多めのGalãoが好み!Galãoを見つけたら必ず注文します笑
ぜひお好みに合わせて注文して見てください!

デカフェコーヒーはメニューになくても注文できる

ポルトガルでは、デカフェコーヒー(descafeinado)が当たり前のように注文でき、料金も普通のコーヒーと変わらなかったり、時にはデカフェコーヒーの方が低価格なこともあります。
ある時、デカフェのメニューが書いていなかったのですが、恐る恐る"descafeinado"を注文すると、ちゃんと用意がありました!さすがカフェ文化。
夕食後、コーヒーが飲みたいけどデカフェが良い、でもメニューにない...なんて時は諦めずに注文して見てください!

カフェの滞在時間はたったの5分?!

日本のカフェでは、ゆっくりおしゃべりをしたり、作業をする場になったりと、長居する人がほとんどです。席は争奪戦。カフェ難民になることもしばしばで、特に休日はカフェ探しに時間を取られて辟易することも。
しかし、ポルトガルでは、Caféを頼んで飲んだらさっと帰っていく人が多く、回転が早いことに驚きます。エッグタルトとコーヒーを頼み、さっと食べて飲んですぐに帰っていく光景も良く見かけます。
文字通り「一息つく」ために来ているような感じです。
始めは、「あの人たち我々より後に来てもう帰るよ!」と驚いていました笑
私はカフェの空間が好きなので、ついゆっくりしてしまいます笑
もちろん、すぐに出なければいけないわけではないので、ゆっくりしても問題ありません!ご安心ください!

飲食店全般編

飲食店でメニュー選びは即決が基本?

お食事処で、席に着いたとたんにメニューを聞かれるシチュエーションが多々あります。
いや、今来たばかりなんですけど!そしてポルトガル語に慣れてないからメニュー吟味させて~と少し焦ってしまいます笑
一度、ドリンクも食事もメニューを渡されずに席に着いたとたんに注文を聞かれたことがあり、さすがに驚きました笑 ドリンクはとりあえず炭酸入りの水を頼み、ランチについてはいくつか選べるとのことでその場で説明してもらって決めました。
もちろん、まだ決めてませんと言えば時間をおいてから来てくれます。
これだけ早く来るということは、もしかしたらポルトガルの人は最初の一杯を決めているのかもしれません(カフェだったらコーヒー一択、レストランだったら炭酸水、的な)。
私はできるだけ店員さんをお待たせしたくないのもあり、事前にメニューをチェックしておくのですが、それでも新メニューがあるかもしれないし、本日のオリジナルメニューがあるかもしれないので、一応はメニューに目を通しておきたい気持ちがあります。しかし、食べ物も直感でとりあえずこれとこれ!といった感じに決めてしまうのかもしれません。ポルトガル人の友達ができたらそのあたりのことを聞いてみたいものです。

複数人の割り勘も普通に対応してくれることが多い

日本では複数人の割り勘はかなり嫌がられるイメージがありますが、ポルトガルでは当たり前のようです。10人くらいでご飯に行ったときに、各自が頼んだものを各自が支払ったこともあり、店員さんも当たり前のように対応してくれました。
日本では、とりあえず誰かが支払って、あとでPaypayで良い?私持ってない~みたいなやりとりがあったり、とりあえずキリの良い数字で割り勘して、時には誰かが損をする...なんてこともありますが、こちらでは快く割り勘支払いに対応してくれるので、個人間でのやりとりがあまりありません。個人的にはストレスが少なくてありがたい。
これに慣れてしまい、日本に帰国した際に「6人分割り勘で」なんて頼んでしまいそう!笑

食文化編

レモネードが全く甘くない!?

レモネードがあるとつい注文してしまう私は、ポルトガルのレモネードはどんな感じなのだろう?と気になり、ある時フードコートで注文して見ました。飲んでみた感想は、「すっぱい」!「レモン水」の方が近いイメージかもしれません。こちらの方が健康的なのは間違いないのですが、甘いものを予想していたので、すっぱさがよりガツンと来ました!笑
他のお店でも同様に甘くなかったので、ポルトガルのレモネードはすっぱいのがスタンダードのようです。
すっぱいものが苦手な方はご注意ください笑

お米料理は「おかず」

お米文化の我々にはありがたいことに、スーパーでは当たり前のようにお米が売っています。私は必ず家にお米をストックして、毎日白米を主食に食べています。
しかし、ポルトガル人の知人曰く、「日本ではお米が主食だけど、こちらではお米料理はすべて味がついているから、おかずとして食べているんだ。だから、同じ食事でパンもお米も食べるよ」とのこと。目から鱗でした。そうか、こちらではそういう感覚なのね!言われてみれば、ポルトガル料理のレストランで白米が出てきたことない!お米がおかずという概念がなかったので、ある意味カルチャーショックだったかもしれません笑

高校生のとき、アメリカへ1年留学してホームステイしていた時は、アメリカのカルチャーに対するショックよりも、ホスト先の家庭と自分の家庭の違いがあまりに異なっていたことへのショックへの記憶が大きく、文化の違いをじっくり考えることがありませんでした。大人になってから新しい土地で異文化を体験すると、また違った感性で文化を見つめることができて、よりその違いを楽しめている気がします。
今度はどんな新たな発見や出会いが待っているか!楽しみです。


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