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うさぎとリスのある日の会話

丘の上でうさぎとリスはお話をしていました。



うさぎ「キミについているその大きなしっぽは、なんのためにあるの?」

りす 「僕にもわからない。」

うさぎ「なんでわからないの?自分のことは自分がイチバン知っているはずでしょ?」

りす 「そうかもしれないけど…。」

うさぎ「そうかもしれないけど…?」

りす 「だれにも教えてもらったことがないんだもの。」

うさぎ「そっかあ…。」

りす 「あなたについている、その長ーい耳は、なんのためにあるの?」

うさぎ「ボクも知らない」

りす 「なんで知らないの?自分の耳でしょ?」

うさぎ「そうだけど…。」

りす 「そうだけど…?」

うさぎ「だれにも教えてもらったことがないんだもの」

りす 「そっかあ…。」


スッとりすは立ち上がって、手で耳のポーズをとりました。


りす 「その長ーい耳は、ボクにはないでしょ?」

うさぎ「そうだね」

りす 「僕より、あなたの方が、耳いいでしょ?」

うさぎ「そうだよ」

りす 「もしかしたら、あなたの耳は、よく聴くためにあるのかも」

うさぎ「…そうかもね。」


うさぎはしばらく考えて、スッと立ち上がり、りすのしっぽに抱きつきました。


うさぎ「キミの大きなしっぽ、ボクにはないよ」

りす 「だけどあなたは長い耳がある」

うさぎ「ボクだったら、そのしっぽを日傘がわりに使うよ」

りす 「ほう。」

うさぎ「キミのしっぽは、たくさんのことに役立つんじゃない?」

りす 「あなたの耳もね」

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