フランスのマンガ喫茶のドキュメンタリー
夕飯どき、テレビでNHKの「ドキュメント72時間スペシャル フランス・パリのマンガ喫茶」というドキュメンタリー番組を見た。
その名の通り、パリにあるマンガ喫茶の3日間を映したドキュメンタリーだ。
パリのマンガ喫茶は日本の漫画作品を中心に、日本から取り寄せたカップ麺やお菓子を取り扱っている。
また快活CLUBなどと違い、完全個室制ではなく
コワーキングスペースのような開けた空間で、ソファや椅子に座って各々好きな作品を読む、という感じだった。
家族連れで来たり小学生くらいの子も保護者と一緒に利用していたりして、施設の在り方として日本とはほぼ別物のようだ。
わざわざ日本のマンガを求めて夜行バスに乗ってきた方もいるらしい。日本のマンガの影響力を改めて知った。
そして、インタビューに答えた人たちは皆、漫画を読んでくつろいだり、登場人物に感情移入し、勇気をもらったりしている。
コンテンツに対してすごく真摯かつピュアな受け取り方をしていた。
もしかしたらまだ日本の漫画文化ひいてはサブカルチャーが、フランスではまだ受け入れられて日が浅いからというのもあるかもしれない。日本には漫画のみならず、サブカルチャーだけでも様々な作品が氾濫し、コンテンツの過剰供給に苦しむ人も少なからずいる。(断言しよう。これは絶対いる。)
趣味の範囲でコンテンツを追っているつもりが、「コンテンツを摂取すること自体」にアイデンティティを見い出し、それに固執して私生活や大事な物を取りこぼしてしまうこともある。
実際、私もそうだからだ。
好きで見始めたはずの特撮、ゲームその他もろもろを、心の底から楽しめず、ただ「情報」として摂取しているだけになってしまった。
サブカルチャーはいわば「お菓子」のような物であり、本来なら精神を癒やすためのものであるはずなのに。誰だって一般的には、お菓子を食べている間は辛そうな顔はしないだろう。
漫画やゲームなどは、自分の心や体調に合わせて、無理のないように楽しむのが一番であるというのが、「ドキュメント72時間」を見て今一度理解することができた。
とても良い番組を見ることができて、心の底から良かったと思っている。今日はよく眠れそうだ。