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【詩】雪色
雪色を見てきた
かじかむ手で
タイヤにハシゴチェーンを掛けて
痛む心で凍結路を走る
しょうがない
ヘッドライトに照らされた街
-4℃雪色の夜更け
僕は4℃がわからんかったクリスマス
思い出したブレスレットを
色がない。この色を知らない
雪が選んでいるのか白色を
雪色だ
雪色の町か
白い世界と呼ぶには汚ない地面五センチ
這いつくばってもぐりこんで
チェーンを10分で掛けたとき
目の前が紫色になる血圧おかしい
吹雪いた道は汚れたサビ色
雪色が白くないのはなんで
紫色の目がなおる
丈夫なポンコツ
空に舞う雪が描く線
まるで君の髪の毛先のように見えた朝方
あ、白いって叫びたいのをがまんした
やっぱり雪色は汚れない白色だった
白色を選んで降るのか粉雪
たまには紫色で降れ
汚してやりたい
白いもんぶちこんで
なんて素敵なんだ白って色は
ひきずりの後輪が滑る
大好きな君の乳房を思い出す色だ
こんなときでも
雪色が本当は白やった、それは
あのクリスマスに君が大好きだと決めた日からずっと
じつはずっと、白やったのに
シャンシャンとチェーン走行音が
ソリの鈴の音みたいだ
雪色にまざる一人旅クリスマス
雪道走行は詩のようにあまくない
気をつけろ
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