【詩】ちょろい

要領悪く生きていく
不恰好でも生きていく
誰にも見つからないひと
ひとじゃないか
運転者

うそつきばかりの世間さま
ぼくもペコペコアタマを下げて
邪魔なトラックだと言われ

明日食う牛丼とタマゴと紅しょうがを思い出して

大好きな君のあたたかい乳房を思い出して

アタマを下げている

ハンドル握ってナニを握って
荷物を運んでいる

ポンコツガラクタボロ雑巾
ここにしかない居場所は運転席
どこにも夢や希望はないけれど

大好きな君

かつて
ぼくの希望は君の笑顔だった

君があいつと去ってから
ぼくはさみしいけど

仕方ないけどここしか居場所がないから
世間さまにアタマを下げて
ここに居させてもらっている

ここに居させてもらっていれば
牛丼特盛タマゴ付き頼める
ありがとうございます

今日も大好きな君を思い出して
君の乳房を思い出して

さあ行こう