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積み読者📚️

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あとでも読む、読みたい本があります。大切に大切に、この手に包んで本棚に収納させていただきました。ありがとうございます。
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#現代詩

【詩のようなもの】四つの命

【詩のようなもの】四つの命

母の子宮に命が宿る「宿命」

宿された命を使う「使命」

御縁に運ばれ生かされる「運命」

三つの命を全うした「寿命」

命を寿ぐ(ことほぐ)

今日もどこかで
生と死という祝事が
繰り返される

繋がる生命(いのち)にありがとう

【詩】痛み

【詩】痛み

いったい いくつの恋愛を繰り返せば
昔の傷を忘れるのだろう

いったい いくつ人を傷つければ
自分の傷が癒やされるのだろう——

【詩】 悩み

【詩】 悩み

カーゴメカゴメーとグルグル回って

籠の中の鳥でも

ふっと野花の見えるとき

スッと輪から抜け出して

ちょっとの夜明けに別世界

トボトボまた輪に戻っても

ちょっぴり足元は軽いはず

カーゴメ籠目小さな羽が生えてきて

少しステップが軽くなる

鳥たちが滑る前に

扉を潜って

過去の澱などなんのその

かーごめ籠目時に麗らか

後ろの正面

もう春です

【詩】夜空に広がる

【詩】夜空に広がる

いつぶりだろうか

サービスエリアで自分の車を見る

ポケットに手を入れて

ベンチに座る

目をつむって押した

自動販売機

出てきたのはメロンソーダ

サービスエリア以外に光はない

虫の声だけが暗闇から聞こえる

このままでいいのか

何年ぶりかに飲んだ

メロンソーダを持って

家族連れ サラリーマン

トラックドライバー

目の前を通り過ぎるバイク

いつもの 

きっといつもの

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【詩】君に出会って気が触れた

【詩】君に出会って気が触れた

君に出会って気が触れた
苦学生だった君に
今のすべてを自分自身の力で手に入れてきた君に
鍛えられた翼で力強く太陽を目指す君に
恋をした
何もかもを与えられてきた私は
何者にもなれない気がして
存在していてはいけない気がして
痩せっぽちのカラダに刺すような視線を感じて
君に出会って気が触れた
遠い汽笛に 尻だけ白い犬 つないだ手
手放せなくなったクスリの代償は大きくて
アタマは分厚い毛布で埋まったみ

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ストロベリームーン

ストロベリームーン

マチネポエティック詩集を片手に

鍵盤の上でスキップをする

与り知らぬと言い切れぬ

不協和音が胸に響く

焦感の昼間興行

そしてまだ返事は来ない

裸足で一歩ニ歩

踏み出してしまいそうな

指先に力を入れても

何も掴めない

金の縁で水滴を囲むような

もうどうしてしまったか

教えてほしい

神には内緒で

人が望む安泰の小箱

絶対と相対の境界を

曖昧にすれば

自由な愛おしさ

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【詩】遠くへ

【詩】遠くへ

いつもそばにある
柔らかな 光の中で

ここにあって ここになくて
他の誰かと一緒にいて

あなたじゃなくてもいいと 思える日がきて
いつか 空に返ってゆくから

ひとときの幸せすらも 感じられないままに
あなたから遠ざかる私を感じた——

【詩】おかえり

【詩】おかえり

香りの毛布に包まれて
今 誰かのもとに帰る

打ち寄せる波のように 優しく 強く
守られながら

安心できる場所を 私に与えてください
子供の頃のように
眠れる場所を
与えてください——

【詩】愛の重さ

【詩】愛の重さ

冷たい仕草のワケは
あきらかに 他の誰かの影

私じゃない 他の誰かの影

愛は独占することができないもの
愛は情なんてないもの

私があなたに贈る愛と
あなたが他の誰かに贈る愛と

どちらが重いのだろう

【詩】満ち足りる

【詩】満ち足りる

人って 与えられてばっかりじゃ きっと

虚しくなるような気がする

誰かの役に立てた時の胸の清々しさは

今までの私の間違いを 一つ一つ

消してくれてるようで…

人は 本当は どこかでは いつもキレイに生きたいと思っているんだと思う

ただ 毎日そうはいかないけど

自分で自分を いつも好きでいられるような
生き方をしたい——

そう思えるひとときが

私の心を満たしてくれる。

【詩】つぶやき

【詩】つぶやき

人に言えない苦しみや
言いたくない苦しみもある

人が変わってゆくことが怖くて

できるだけ変わらない自分でいたい…と
思った。

【詩】愛と欲

【詩】愛と欲

愛って もらえるなら もらえるだけ
欲しいものだね

ご飯と違って お腹いっぱいにならないもん

「もう いらない」って 思わないもの

2024年7月2日(火) 無理して詩を好きでいなくてもいい

昨日は月初めの日でした。月の終わりの日と、月初めには、「詩の通信教室」へ送られてくる詩がいつもより多くなります。

ですから昨日は、通信教室に来た詩をいくつか読み、感想を書いていました。

全部を一日では書けません。集中力が途切れてしまうし、そんな状態で書くのは、詩に失礼だと思うから。

昨日も、たくさんの詩を、翌日へ取り残しました。

「詩の通信教室」というのは、月にひとつの詩を送ってもらって、

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