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積み読者📚️

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あとでも読む、読みたい本があります。大切に大切に、この手に包んで本棚に収納させていただきました。ありがとうございます。
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#詩

健全妄想 【詩】

かわいいレジの子からのおつりが五円だったから
また新しい恋が始まるかもって妄想を楽しむ

【詩】YES NOまくら

【詩】YES NOまくら

脱ぐの脱がないのするのしないのと確かめて
必要なのは意思表示お互いの同意がすべて
性的曖昧さからの脱却
いっそのこと同意書を書くぐらいの事例
あ、すみませんいいっすか?
線引きしている間に性欲がなくなりました
だから帰りましょうホテルを出ましょう
素直に言える自分にならなきゃならない

夫婦間でも勿論そうパートナーにも率直に告げる
YES NOまくらを導入せよ活用せよ
 NO NO NOばっかりな

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【詩】多国籍スーパーマーケット

【詩】多国籍スーパーマーケット

入口近くまずドリアン山積み
悪魔のフルーツ食べ頃なのか
頭に直撃したら南無阿弥陀仏
その横にバナナの花が置かれ
見たこともない南国の風景を
思い浮かべる多国籍スーパー
鴨の横に鳩ラム一匹二万円弱
ドナドナは仔牛脳裏駆け巡る
未渡航島国育ち狭い視野拡げ
食から始まる海外世界は広い
それでも買い惑う他国の菓子
結局買い物かごにサモサ一つ

【詩のようなもの】四つの命

【詩のようなもの】四つの命

母の子宮に命が宿る「宿命」

宿された命を使う「使命」

御縁に運ばれ生かされる「運命」

三つの命を全うした「寿命」

命を寿ぐ(ことほぐ)

今日もどこかで
生と死という祝事が
繰り返される

繋がる生命(いのち)にありがとう

もう無理 【短歌】

「もう少し頑張れますか?」それは無理気力も愛も全て捧げた

はっきりしてない 【詩】

白か黒
0か100
そんなにはっきりしてない
君への想い

ただ今日も
愛していると
伝えたくて
生き延びる

[詩] - あなたであれば   -

[詩] - あなたであれば -

        これがいいとか
        あれがいいとか
        ないじゃない
        ただ あなたであれば
        いいじゃない

        そんなことは百も承知と
        産道をただひたすらに突き進む
        百戦錬磨の魂は
        お気楽な人生なんて 用意してないの

        これもないとか
     

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【詩】日陰の二人

白くて長い指を思わずぎゅっと掴んだ
何処かに飛んで行きそうに思えたから
「握力つよ」って少し笑ってあなたは
いつもならふりほどく手をそのままに
空を見上げている電線には椋鳥が四羽
会話がないままにぎこちなく手を繋ぐ
一方的にこちらが握っているだけだが
左薬指にひかりが一つ毎度感じる苦さ
手を繋ぐのを嫌がるのは年齢のせいか
いい年をしてみっともないと言われる
わたしのことが疎ましく恥ずかしいの
白髪

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【詩】天賦の才

夭折の天才は夭折しなくても天才だろう
ロックスターは27才で死ぬとかの呪いか
死に方は一つではない生きるのと同じく
爺さんは95才で逝った大往生の大天才で
煙管をのみ都々逸を詠んで粋に過ごした
周りは大迷惑だが女を愛する天才だった
拒んでも人は天賦の才を生まれ持つんだ
そんなに高いところに突っ立って何時間
はやくおいで温かいスープでも食べよう
わたしは同調しない独りも悪くないから
手首ばかりを見つ

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落ち葉に埋もれた

落ち葉に埋もれた

この狭い部屋が

ほんとうに落ち葉に埋もれた部屋で

だって本当に そうみたいなんだよ

刹那の輝きだけで生きていた二人を

でも 愛は本物だった

くだらないと思う?

どうして

どうして

【詩】実存の彼方へ

【詩】実存の彼方へ

反実存の新境地に立つことを
いつからか夢見ていた詩人は
住み慣れた廃墟に背を向けて
旅に出た
転調の嵐の中
実存の彼方へと

旅の途中で
詩人は立ち止まり
その手のひらを見つめる

ああ 生きていた
ああ 生きている
―それが存在だと信じて―

だが詩人は複雑な性格の風を
不覚にも彼自身と同一視する

詩人は再び
生死の巧みな罠に誘引される

―生きているのだろうか
自然に死んでいるのだろうか―

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