マガジンのカバー画像

積み読者📚️

246
あとでも読む、読みたい本があります。大切に大切に、この手に包んで本棚に収納させていただきました。ありがとうございます。
運営しているクリエイター

#詩のようなもの

【詩のようなもの】四つの命

【詩のようなもの】四つの命

母の子宮に命が宿る「宿命」

宿された命を使う「使命」

御縁に運ばれ生かされる「運命」

三つの命を全うした「寿命」

命を寿ぐ(ことほぐ)

今日もどこかで
生と死という祝事が
繰り返される

繋がる生命(いのち)にありがとう

雨

急に降り出した大雨を
避けることができなければ
打たれてしまえ
自分の解放

【詩】一番の読者

奇をてらった文章は書かなくていい
キャッチーな題名は考えなくていい
ただあなたのことが知りたいだけだ
何を考えて日常を過ごしているのか
糸ようじを使って歯肉に血が出るか
生活に密着した言葉で教えて欲しい

食べたら機嫌が良くなるものは何か
貰って嬉しくないプレゼントは何か
何何で構成される僕の質問はうざい
知りたいと思うのだから仕方ないか
空虚な言葉はいくらでも脳裏を過る
それ風の表現も空に浮かん

もっとみる

【詩】フエラムネ

死にたい生きていたくないと言ったら

そうっすか
疲れてるんっすね
これどうぞ

くれたのはフエラムネ
ぴーぴー鳴らしてたら
馬鹿らしくなってきて
欲しかったものを思い出す

金を稼がなくちゃな
生きていかなきゃな

ありがとうと告げたら

八重歯のある女子好きっすと返された

おまけの緑のキリンを投げつけて
速くなる鼓動と紅くなる頬をごまかした

【詩】ドロップアウト・ディスオーダーズ

気づいたら目の前に
障害を作り上げていたんです
自己と他者を区別するための高く堅い壁
社会から逸脱するつもりはなかったのです
宙ぶらりんおさらばするのもあなたの自由

ドロップアウト・ディスオーダーズ

怖いよな恐いよなわかるよ
わたしもそうだったから
起きれず生きていることに絶望
歯ブラシを持つ握力すら感じない
そんな朝に冒されるまま記憶かすれて

ドロップアウト・ディスオーダーズ

愛している

もっとみる

【詩】電車に乗って

この電車に乗ったのに理由は一つ
赤い線が入っていて綺麗だと思ったから

慣性の法則という言葉だけ頭に浮かんでぐるぐる
扉のガラスには何処ぞの予備校のユニークな広告
車内の側面には今読むべき新しい啓蒙書の紹介

座席では八割九割の人がスマホをいじり
もしここで大声を上げてハカを踊ったら
わちゃわちゃとみな慌てふためくだろうな
そんな景色は爽快で痛快に違いない

さて次の駅で降りてみます
見たことのな

もっとみる

【詩】くしゃみ

くしゃみ一つ
誰も噂なんてしていないって
私に関心のある人なんていない
風邪惹かないように気をつける
久々にフルメイクして初売りに
欲しいものなんてないんだった
くしゃみ二つ
夜も深く冷えてきたそして一人
シュトーレン切るか考え中
寝かしたほうが美味しいらしい
もう三が日も終わるけど
ハッピーニューイヤー呟いた

【詩】友達は少なくてもいいよ

慰めあって傷を舐めあう
そういうの興味ないのだ
つばをつけて治していく
つるむのは苦手なもんで
強がっている?ごめんね

無理して誰かと一緒にいることはない
あの子いつも独りだね
いいえ一人なだけだよ
おひとりさまを笑うものに天誅を

そもそも知りあいが増えることや
電話帳に電話番号が増えることに
何の意義があるのか私には判らない
貴方がいてくれれば幸福なのだから

【詩】別れと洗い物

フライパンを洗いながら考えていたのは
別れ際土俵際去り際は美しくあるべきで
口角を無理に持ち上げて「さようなら」と
こちらから告げるべきかなということ
油汚れが浮き上がるのを見ながら
疲れたから別れたいじゃ不誠実かなと思う
最近の洗剤は少量で泡のもちがよい
ケイザイテキケイザイテキと微笑む
切ない時にまで金銭的なことを考えて
随分と大人になったものだなぁと思う
慌てて別れる必要もないのかな
他に好

もっとみる

【詩】ライン攻防

かじかんだ指であなたに言葉を送る
好かれたくて嫌われたくなくて考えて
いい人に思われたい優しい文章考えて
大丈夫だよとか根拠ないのに言ってる
いい加減だな嘘じゃないけどいい加減だな
どろどろで未完成で毒舌で性格悪いんです
あなたの前では良い人を演じたいごめんね
騙されてくれたら嬉しいけど見抜かれてる
そんなこともはまっていく理由の一つなの

【詩】親愛

あなたの言葉を聞きたかった
もっともっとね聞きたかった
わたしの言葉は届いている?
大好きな人はみんな先に往く
丁寧に足や耳を濯いでいるよ
いつ殻になってもいいように
またみんなに出会える日まで

【詩】溶ける

雪だるまがかたちを崩すように
消えてしまいたい夜があるよ
熱いココアがそろそろ飲みたい
体の内側から溶かせ溶かしてしまえ
弱いなぁ弱いよなぁ息はまだ白くない
病んでるの病んでないただ寂しい
今できることは言葉を積むこと
それだってすべてわたしのため
この星空の下誰かも同じように
溶けたい消えたいと考えていたならば
同志よ失せてくれるなよ置いていくなよ

【詩】ラダー

毎日ここでたくさんのものを積み上げている

子供のためのものだよ、だから楽しいけど

キャラクターが描かれた華やかなおもちゃたち

倉庫はないよ、入荷されたものを全部積むんだ

そのためのラダーだ登るたび目が眩んでる

高い所は苦手だよでも労働者だ仕事をするさ

一番高くまで登っていくラダーのてっぺんまで

見下ろしたら足がすくむそれでも笑顔で働く

おもちゃを欲しがる子供きつくしかる大人

わた

もっとみる

【詩】責任取れるの

適当にその場の感情に流されて
手を出したら駄目
触れ合う指先に電気が走ったら
離したくないから
抱きしめられたらすきになるよ
責任取れるの?君
すきになったらすきになったら
めっちゃ重いよ私