６月になると思い出す曲、友部正人の６月の雨の夜、チルチルミチルは

６月になると思い出す曲　
６月の雨の夜、チルチル　ミチルは　です。

６月の雨の夜、チルチルミチルは

６月の雨の夜、チルチルミチルは
カラの鳥かごを下げて死の国へ旅立った
昨夜のままのこのぼくが
朝日を浴びてまだ起きている

半ズボンをはいたチルチルは　２人のこどものお父さん
そのチルチルに誘われて　ミチルは生まれ育った町を出た

会話を途切れさせまいと　わざと明るいお店を選ぶ
４人が作る沈黙の中で６月の雨の池が出来上がる

６月の雨の通りを　今夜は歩く人も少ない
生ぬるくなったビールの中で　雨がぽちゃりと音を立てる

ポケットの中の車のキーを　丸っこい手で握りしめながら
車をホテルに預けてきたからと　ミチルに勘定を払わせる

もう会えないと思うからと　ぼくに一曲歌わせる
それほど良くは歌えなかったのに　最高最高とチルチルは言う

もしも死にに行く人になら　いい思い出だけにはなりたくはない
そう思いながらも手を振って　黒い車を見送った

知らないことでまんまるなのに　知るとかけてしまうものがある
その欠けたままの僕の姿で　雨の歩道にいつまでも立っていた

６月の雨の夜、チルチルミチルは、　からの鳥かごを下げて死の国へ旅立った
昨夜のままのこのぼくが　朝日を浴びてまだ起きている

作詞　友部正人
１９５０年生まれシンガーソングライター

友部正人のライブCD

６月でない時に聴いたりもしますが。この季節が近くなるとやたらと思い出します。
死に行く人を止めないんだなと思います。

６月の歌でした。