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きみたちを守るのをやめたよ、dearカベくんたち

猫が2匹いて4歳と3歳がいて、わたしの性格はズボラです。

新築だった我が家も築10年。
いろんな箇所がガタついてきたけれど、
リビングのテーブルと床、壁だけは、お客様も来るし、できるだけ傷をつけないよう頑張ろう、と決めていた。
そう、「頑張ろう」と思っていたのはわたしだけだったのだ。

うちの娘は4歳。そして、私には5歳の娘を持つ友人がいる。
友人はとてもおしゃれで物を丁寧に扱う素敵な人。うちと同じく、結婚後に建てた家も吹き抜けでとてもおしゃれ。

遊びに行くといつもピッッカピカに片付いていて、ホコリや汚れひとつない。
5歳の娘さんはとてもアクティブで小さい怪獣大暴れ然としているのに、不思議や不思議、床に傷ひとつない。
ソファもきれい。テーブルもカバーなどしてないのにきれい。壁も真っ白。

そして、我が家。

様々な模様の傷を取り揃えております
猫の傷、マジック、食べ物のシミの織りなすハーモニー
マジックを落とそうとして激落ち氏で擦ったら白くなったテーブルカバー

先日の夜。家族で休日を楽しく過ごし、風呂に入ってパジャマに着替えて、寝る前に娘は油性マジックでお絵描きをしていた。

油性マジックを使う時は、裏移りしてテーブルが汚れてしまわないように、新聞紙を敷く約束になっていた。今まで新聞紙を敷いていたおかげで、テーブルのビニールカバーはきれいな状態だった。
「おーい、娘ちゃん、新聞紙しいてる?マジックで汚れてない?大丈夫?」
と聞くと、「大丈夫だよー」と答える娘。
分厚いカレンダーの裏紙に書いているので、裏移りしないよ、ということらしい。
そのまま書き進める娘。いつの間にか別の紙にお絵描きを始めていた。
「ねえ、裏移りしてない?ちょっと…」
と確認すると、マジックのインクが紙を全貫通しており、テーブルがカラフルな花畑状態になっていたのだ。私は激怒した。
「ねえ!!新聞紙敷いた?って聞いたじゃん!!敷いてないじゃん!どうすんのこれ落ちないよせっかくきれいなテーブルだったのにもう落ちないじゃん!!いつもマジック気をつけてって言ってんのになんで敷かなかったの!!!!」娘が泣いても激怒止まらず。
怒り続けながらもう頭の中はテーブルのことはどうでもよくて娘に嫌われたくない嫌われたくないとばかり考えているのだが、激怒止まらず。
寝室から息子の寝かしつけをしていた夫が起きてきて「ハイハーイ汚しちゃったのね〜激落ち氏で擦ろうね〜」と掃除するが激怒の止まらない私は「やめろ!!激落ち氏で擦ると白くなるからやめろ!!わたしばっかり汚れないように気をつけて汚したら叱るのも私だしふざけるな!!!なんで私ばっかり気をつけなきゃいけないんだふざけるな!!!!」
と叫び娘がさらに泣いたので「もうだめだ娘に嫌われたし娘の性格が歪んでしまった」と絶望して椅子に座ってKindleを読み始めた。
(クールダウン)
掃除の終わった夫は娘を抱っこして「それでは〜」と寝室に帰って行った。

クールダウンした私は静かに寝室に入り、半分眠っていた娘に「ごめんね、もう汚してもいいから許して。もう汚しても怒らない、お願い許して」と謝った。
眠くてイライラしていた娘は「はいはい、許す許す。許すから早く寝てママ」と言って眠りの世界へ旅立って行った。
半分寝ていた夫には少し大きめの声で「ねえ。もう汚れないようにすんのも子に注意すんもの疲れっから、やめるから。テーブルも床も壁もグチャグチャに汚れてボロボロになるけど、そのうちリフォームするってことで。よろしく」と伝えた。

ということで、「娘に怒鳴ってしまった」という後悔は残ったものの、
「もう汚れたり傷ついたりを気にしなくていいんだ」という解放感を得られた1日だった。
友達が遊びにきたら「この家すごい傷だらけだな…」と思われるのはアレだけど、それだけのこと。
食べ物の汚れも、油性マジックやアクリル絵の具の汚れも、掃除はするけど、落ちなかったらそれでよし。シミとともに歴史を刻んでいきたいと思います。

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