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第10話 放課後の事故

まだ他にも「死」に関することは
小学生の間に多々あった

大きな大きな団地群の上に
13階〜15階という高層ビルも
あったため
自死する人々がいた

多くは住民ではなく
他所から来ているようだった

しかも小学校の裏門を出てすぐの棟に
限っては
のちのち50名を超えたとも聞いている

(余談:ビルの色を茶色からピンクに
変更したところ、ピタリと止まったと聞いた
色と心理はすごい関わりがあるようだ)

放課後その裏門を出てすぐ
小学生の人だかりが出来ていた
覗いてみると
警察官が3人くらい見えた

ブルーシートがあちこちに敷かれ
忙しそうに作業されている

そう。またか…
私はとても冷静だった。
特に見たいわけでもなかったので
家の方へ踵を返すと
誰かが
「あそこの木の枝!!!」
ぎゃーーーーー!!!

ふと見てしまった
本当に思わず
見てしまった…

『あるものが刺さっていた』

これまた
私は冷静だった
と、思う

だけど足早に帰った

これ系のネタは多すぎるので
このくらいにしておきたい

その頃の私にとっては
そうやって亡くなった方も
道端で亡くなったイヌやネコも
あまり変わらなかった
何より身近だった

後遺症としては
高所恐怖症になってしまったことかな

こんな環境でも
子どもたちは
何とか元気に育つんだな…
と、思う

でも私はずっとずっと思っていた
揃えてある靴やお手紙を
残していく皆さんの気持ちは
誰にも届かなかったんだろうか…

私のその時の気持ちは
何も分からなかった

そして今でも
『あるもの』は
いつでも思い出せる映像となった…

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