民間支援団体の後継者を阻んでいることの大きな原因の1つは低賃金でやる気の搾取が当たり前になっているからです。
なぜ、非営利支援団体の職員の報酬はこんなに低いのでしょう。
労働政策研究・研修機構の2015年データによると、NPO法人で働いている人の平均年収は260万円。これは、国税庁が調査した同年の正社員の平均年収485万円と比べてもかなり低い水準です。
専門性知識が必須であること、社会貢献をしたいと熱意をもって、この業界にかかわろうと入ってくる方々。
当団体はDV被害者支援の長期支援と子どもたちへのフォローを主にしている団体なので、現時点での収益は寄付と講座による収入のみです。
新しい弱小団体なので、補助金や助成金も獲得していません。
補助金や助成金にも申請したから採択されるというわけではなく、このご時世なので採択率は低くなっています。
確かに、今年一般社団化したばかりの新参者です。
助成金などの審査では、実績も求められ、数年間の活動歴が必須となっているものが殆どで、エントリーにさえハードルがあります。
そして、一番かかる経費、人件費が出ない又は50%と条件があると、諦めざる負えません。
若い世代に興味を持っていただき、労働に見合った報酬を払うことで、モチベーション高く、継続して就業していただけることが必須と考えています。
自立した一人暮らしの単身者が節約に節約を重ねないと不可能な報酬では、プライベートも楽しめず、結婚や出産を望んでいる方は退職の道を選択します。
ボランティア精神とは「自発的に社会貢献すること」日本ではなぜタダボラがセットになっているのでしょうか?
資格や経験やスキルに対して、正当な報酬を要求する意見を述べると、金の亡者扱いされ、「あなたにはボランティア精神が足りないわね」と揶揄され、その同じ口で「後継者を育てないと存続の危機」といいます。
これまで力を入れてこなかった収益を得る事業も増やさないといけないのではありませんか?
いくら集まるかわからない寄付金と人件費、その他の経費の全額が出るわけではない助成金や補助金を当てにして、補助金が採択されても出ない経費の金額を捻出しなければいけない現状は、不正会計の原因の1つになっていると思います。
当団体は、寄付金や補助金・助成金の増減に一喜一憂することなく、収益事業で安定した運営と労力に見合った報酬と人材確保と人材のスキルアップに力を入れることで、就業していただく職員に、安心してモチベーション高く長く働いていただいて、結果として良質な支援をし続ける事を目標としております。
私たちの目指す民間支援団体
その為には収益事業をしっかり実行することが重要で、更に団体活動に関係する収益事業を計画しました。
それが「ジェンダーフリー・ブックカフェ」です。
「ジェンダーフリー・ブックカフェ」とは、DVや様々なハラスメントで傷ついた人の居場所であり、テイクアウト商品や、講座開催・オリジナル商品で収益を上げ、その収益を、人件費と、ほぼ支出のみのDV被害者とその子どもたちの長期支援や、様々なハラスメントで悩んでいる方の無料相談窓口としての役割を果たすブックカフェです。
DV・デートDV・ジェンダー・虐待・性暴力に関する書籍に限定した書籍の販売をし、持ち帰りたくない(持ち帰ると危険)な方のために、マイ本棚の提供をします。
貧困家庭には生理用品やおむつ、コンドームの無料配布、保存がきく食品の無料配布も協賛企業様からの賛同を得て、ご提供をお願いいたします。
テーブルに設置されたカードをレジにお持ちいただければ会話なく配布が出来るようにしたいと予定しています。
現在のDV被害者支援は別居か離婚が前提となっていますが、様々な事情で「別れたくない方々」も多数おり、相談や心理教育で乗り越えることの出来ることのできる方々も対象としたいと考えています。
収益を上げるため、テイクアウトが可能な店舗の立地と、相談室確保の必要性があるので、適した広さが必要です。
夜9時前後までの営業とし、仕事帰りの方にも利用できるようにする予定です。
ひきこもりの方の外へ出るきっかけ、コミュニケーションが苦手な方は、一人でゆったり読書や珈琲を楽しむことが出来る居心地の良い内装やテーブルやいすの配置とし、話したくなった時に話せるきっかけが出来る場となりたいと考えます。
十代の子も受け入れます。
必要であれば、自治体、民間の支援先の紹介だけでなく、同行し心細さの軽減に努めます。
カフェで働く人は、シングルマザーやDV被害者でもまだ同居中の方、そして、社会学やジェンダー学を専攻している大学生を積極的に採用し、DV被害者支援者の若返りを図る計画です。
希望者には研修をしっかり受けていただき、支援事業に移行していただく道をつくります。
もちろん、本来なら国や自治体では足りない支援をおこなっているのですから補助金や助成金の申請も致します。
会計業務が複雑になるため、専任の会計担当職員の雇用も必要となりますし、会計士や税理士への経費も必要です。
資金があれば、すぐにでも可能な事なので、資金が潤沢な団体が、「それは良い考えである」と、全国どこでも始められる事です。
私たちは、どんどん意見を出し合い、新しいアイデアや取り組み案が沢山でてきますが、資金も実績もないため、何も現実化出来ない状況であることがとても悔しいです。
始めは資金だけでなく経営のノウハウもご支援いただけなければなりませんが、収益事業を賛同いただける企業様と協働事業とし支援事業を両立させ、自立し、モデルケースとなり、子ども食堂のように全国に広がり、私自身は後継者を育成し、当団体を継続して活動していくことが夢です。