MOIW2023 旅行記① 忘れ物マンデー(2023.2.13月)
今これを仙台に戻る新幹線の中で書いています。
(特に意味もなく)オフィス車両にしてしまったので強張った顔のたくさんの通勤者がパソコンを開いているのが目に入ります。
車内アナウンスによると、JR東日本は150周年でお得な切符がえきねっと限定で販売されるとのこと。
これはTHE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!!!! 2023(以下、MOIW2023)が終わった後2/13の朝を書く旅行記です。
Day1Day2も書きたい。
………
ホテルで朝目覚めた。気分が良くない。
正確に言えば食欲がない。
朝にあるはずの空腹感はどこにもなく、詰め込めるだけ詰め込んだ満腹感だけがある。
正直に言えば起きたくもない。
起きるということは新幹線で仙台に帰るということだし、それは昨日一昨日の夢のような時間が終わるということだ。
午前休しか取れなかった自分を本当に恨んだ。
でも一日休でも明日同じ気持ちになるだけで遅いか早いかの違いだったかもしれない。
でも昨日の夜から一つ考えていた。
朝、東京を発つ前にもう一度東京ドームに行ってみたい。
あそこの空気を確かめてこよう。
祭の後の余韻っていうのが残っていたらエモいじゃん。
………
結局アラームで目が覚める。
「寝坊したら事なので」ということで昨日の夜自分が設定した重層的なアラームに苦しめられる(10分おきに4つもセットしていた)。
カーテンから入り込む外の光が暗い。
Siriによると東京の今は曇りとのこと(コンタクトをつけてないとカーテンを開けても自分ではよくわからない)。
ホテルのベッドの上に起き上がる。
06:48。
新幹線は東京駅08:40発。
まあホテルは8時に出ればいいかな。
タクシーを使っちまおう。
歯磨き、髭剃り、コンタクト、洗顔。贅沢にもシャワーまで浴びる(ホテルなので)。
カーテンを開ける。
現実に引き戻すみたいに灰色一色の空(土日天気良かったですね)。
通勤してる人たちが既にぱらぱらいる。
傘は差していない。
行けそうだ。
昨日まとめて置いた荷物を再確認する。
ドームから戻ったらすぐに出発できるように。
………
土日で何往復しただろうか(3往復しかしてない)。もはやいつもの道となったドームまでの道を歩く。4往復目。
通勤者と多数すれ違う。みんな音もなく歩いている。
私とはまとっている空気が違うというか、波長がずれてるというか、とにかく別次元の人間に見える。
(通勤者の目を見る限り、多分向こうからもそう見えていた。)
JRAの入り口の手前に出る目立たない階段から上る。
同じ考えのプロデューサーたちが結構いるかな、と思ったけど見当たらない。
ドームシティの飲食店を横目に見ながらドームに向かって歩く。
KAMAKURAじゃなくてKAMUKURAって書いてあったのか(ラーメン屋神座のことです)。
ドームに接続する小階段を上る。
………
東京ドームが目に入る。
あんだけはためいていたのぼりは一本もない。
昨日の公演後はあった気がするんだけどいつ撤収したんだろう。
振り向く。
物販の店構えはそのまま残っている。
レジ上ずらりと並んだお品書きで辛うじてアイマスの物販だということがわかる。
向き直る。
痛自転車を持ったプロデューサーがいて伊織が描かれているホイール(車で言うと)を外して一緒にドームの写真を撮っていた。
撮ってあげようかなと声をかけようかと思ったけど動けなかった。
何も食べてなくて頭が回ってなかったからかもしれないし、MOIWを経てもなお自分の殻を破れていないからかもしれない。
物販ブースの前の段差に腰を下ろす。
TOKYO DOMEが目の前に見える特等席に座る。
一枚写真を撮る。
ぼーっと、歩く人たちをみる。
東京ドームが通勤ルートの人が日本にはいるんですね。
伊織Pは自転車を押して立ち去った。
右手からプロデューサーが一人やってきて私と同じように写真を撮っている。
………
一体ここで昨日、一昨日、何が行われたんだろう。
もちろん自分の目で一部始終を見ているわけだけど、こうして祭が終わった後の東京ドームを正面から見ると、その規模感というか偉大さとかは伝わってこない。
「こんなもんだったっけか」とすら感じる。
それは、昨日一昨日と、キャストのみなさんとプロデューサー全員で絶叫した「ドームですよ、ドーム!」の熱狂からすると、だいぶ感じ方が違っていた。
パンフレットの中で(MCでも言ってたかも)中村さんが言っていた「ドームがゴールと捉えていたこともあったけど、今は必要以上に場所にこだわらなくても良いんだと思える」ということが腑に落ちた。
「これをやったら完成」「これが本当のゴール」というものではなかったんだ。
そういう意味では講演では(講演時間が厳しかったのかもしれないが)終わりを感じさせるようなエモーショナルな長尺のMCとかはなかった。
最後に、とても簡潔に、2.0が3.0に変わっただけだ。
MOIW2023はアイマスのセレモニーだと思っていた。
確かに東京ドームは一つのゴールだった。
昨日までは。
今は通過点だ。
………
なんでもう一度、東京ドームを見にきたのか。忘れ物をしたような感覚があった。
何か受け取り忘れているものがあるような気がした。
しかし東京ドームの目の前に来たらわかった。
何も忘れてはいなかった。
受け取るものは昨日全部受け取った。
その上で今気づいた。
新しく始める必要があるんだ。
自分の手で。
「始める」ことと「始まる」ことは大きく違う。
いつの間にか、なんとなく、自分の日常に戻ることもできる。
時間が勝手に連れて行ってくれる。
でも違う。
MOIW2023はぶち上がったし、笑ったし、とても感動的で涙もたくさん流した。
でもそこは通過点だった。
最後に示されたのは2.0が3.0に変わった、その事実だけだ。
3.0を始めてはくれなかった。
だから東京ドームを経て、新しく始める必要があるんだ。
自分の手で。
早く自分の日常に戻らなければいけないと思った。
………
リスタートしよう。
自分のプロデュース活動をもう一度始めてみよう。
仕事が忙しくてコミュを読む時間も取れないのに、アイマスポータルとかめんどくせぇって思ってたじゃん。
エモいコミュは大好きだけど、仕事終わりに重いコミュ読むのはしんどいし、最近はログインすら怪しくなってたよな。
もう一度始めてみようよ。
そのために私の日常に早く戻らないと。
気づけば、となりで写真を撮っていたプロデューサーもどこかに消えていた。
一度他の人々の中に入るともうわからなくなった。
別のプロデューサーがやってきて一枚写真を撮りすぐに立ち去った。
行こう。
私は立ち上がり、行き交う人の中に戻っていった。
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