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個人LIVE開催時の企画者の効率的な動きとは - てるぷぅLIVEを振り返り -
どうもこんにちは、てるてるSAXチャンネルのぷぅです。
noteを見てくださり、ありがとうございます。
本記事では先日開催したてるぷぅLIVEを振り返り、やったことを書いてみようと思います。
この記事が少しでも今後個人LIVEをする方の参考になれば幸いです。
0. ぷぅについて
私ぷぅはてるてるSAXチャンネルで動画編集兼サックスプレイヤーをしております。
サックス自体は小学生からずっと吹奏楽オンリーでやってきました。YouTubeはてるてるからお誘いを受け、デュオでの出演と動画編集という形で参加しています。
普段はエンジニアとして働いていて、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーを務めていることもあります。今回のような企画運営はどちらかというと好きな方です。
これから読んでいただく内容も「ここまでするの?」みたいなことが出てくるかもしれません。(私はここまでやった方が漏れがなく安心するタイプなのでやってしまいましたが、てるてる含めその他関係者からは少し引かれました)
「ここは使ってみよう」とか「こういうやり方もあるんだなぁ」程度で見ていただけると良いかもです。
1. 企画立案
2023年12月 - ぷぅの中で「LIVEをやってみたいかも…?」が芽吹く
エレクトーン奏者2名のLIVEにお邪魔させていただく機会がありました(てるてるが賛助で出演させていただいた)。今回てるぷぅLIVEでもゲスト出演してくださった小助川さんとエレクトーン奏者のJun nさんがALT SPEAKERで開催したエレクトーンLIVEです。
エレクトーンとは何度かYouTubeでコラボさせていただいていましたし、ショート動画やTikTokでできることの幅広さも知っているつもりでしたが、生演奏を聴いてエレクトーン自体の自由度の高さとパフォーマンスの高さを改めて感じることになりました。
そして初めてお邪魔したALT SPEAKERさん。
今までもてるてるが出るLIVEは極力見に行っていたのですが、何十人何百人が入る箱、音が大きい箱、いかにも"ライブハウス" なところが多く、「こういうところでLIVEを"やる"となると大変そうだよなー」という感想しか出てきてませんでした。初めてALT SPEAKERさんでのLIVEを拝見して、現地でも配信でもLIVEが楽しめて、エレクトーンが置いてある珍しいライブハウスの存在を知りました。
我々のYouTubeでの演奏スタイルはサックス2本のみのため、伴奏は作るかYouTube上で出ているものを借りるかのどちらかでした。ピアノ伴奏でやることも可能ですが、どうしても迫力に欠けてしまいます。さまざまな音が単体で出せるエレクトーンは我々の伴奏楽器として魅力的な可能性を秘めていたのです。
このLIVEを見て私は「これはもしや…我々もLIVEができたりするんじゃないか…?」と考えるようになったのです。
2024年2月 - LIVE開催が決定
ぷぅ「チャンネル登録者もそろそろ1500人だしさ、お箱を借りてのLIVEとかできそうかね?」
てるてる「そうだね、LIVE配信にも来てくれる人が増えてきてるし、いけるんではないか」
ぷぅ「今後のことも考えるとやるなら今年だよね」
てるてる「そうだね〜、ありだね、やってみようか」
という会話からLIVEをやることがふんわり決まりました。
2024年3月
とはいえ、私は個人LIVEは右も左もわからぬ初心者。
一方てるてるはプロだったこともあり個人LIVEや「対バン」と言われるような複数のグループで開催するLIVEは何度も経験ありの猛者です。とりあえず進め方がわからなかったので「これはどう進めるの?あれはどう調整するの?」と質問攻めにしてました。そんな時にてるてるから一言。
てるてる「大枠の流れがわからないと判断できない…」
なるほど、と思った私は本職であるプロジェクトマネージャーのスキルを発動しました。
ひとまず大枠の流れを企画書を書き起こしたのです。
企画書の流れ
※界隈の方だと「要件定義書じゃねえか」ってツッコミが入りそうですが、私が一番見慣れてる書き方がこれなので許してください…
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この企画書を作っててるてるに見せた時、引かれたのは言うまでもありません…(「ここまで作れとは言ってない…」と開口一番に言われました)
ただ、この企画書を作ったことでお互いの意思疎通がかなりスムーズになりました。
企画書をもとに詰めなければいけないところをガンガン詰めて行きました。
小助川さんへの打診
ある程度企画書が詰まったところで、伴奏者の第一候補であった小助川さんに打診をしてみることになりました。
小助川さんは普段新潟で活動されているプロのエレクトーン奏者の方です。
2023年12月のLIVE時点で小助川さんのパフォーマンスに魅力を感じまくっていた私が12月の時点で小助川さんに「伴奏とかもお願いできるんでしょうか…」とふんわり聞いたところ、「お声がけいただければ伴奏もできますよ〜」とお言葉をいただいていました。
早速3月に打ち合わせをセッティング。企画書をお見せしつつ「こういう内容でLIVEをやりたいのですが、ゲストとして伴奏者をお願いすることはできますか」とご相談したところ、二つ返事で「いいですよ」とご快諾いただきました。(企画書をお見せしたときは小助川さんにも「こんな資料をいただくのは初めてです…」と言われてしまいました)
この打ち合わせ内で、セットリストの大枠を詰めて行き、その後はチャットでほとんどのやり取りを進めていくことになります。
小助川さんと打ち合わせをしていて私が個人的にびっくりしたのは、小助川さん自身のスキルの高さです。エレクトーンの音源の作り方はかなり手間がかかるそうで、両手と両足だけでなく、事前にプログラミングと呼ばれるリズムや音色の変化を打ち込んでセットしていく必要があるのです。
1曲1曲作るには手間がかかるとエレクトーン経験者のてるてるからもしこたま言われていたのもあり、セットリスト一つひとつに対し、「この曲は耳コピで作ります」「この曲は伴奏持ってるかな」「この曲はYouTubeの動画に合わせて作っときますね」など"作る"のワードがポンポン…
私的には「えっ…そんなに作ってもらえるの…本当にいいの…?」と思いながら(とはいえ、音楽的な会話は全ててるてると小助川さんにお任せ)、会話を聞いていました。
あとからてるてるに聞いたのですが、通常のエレクトーン奏者は売られているプログラムを使い演奏することが多いそうなのです。プロとしてもエレクトーン教師としても活躍している小助川さんだからこそ、あれだけ多くの曲でも「作る」という方向で合わせていただけたのだということでした。
2. 事前準備
負荷を下げるための工夫
今回伴奏者の小助川さん含め、プレイヤーの負荷を可能な限り下げるために以下のような工夫をしました。
伴奏/楽譜制作のため、以下は初回打ち合わせで全てすり合わせ
エレクトーンの伴奏があるもの
伴奏をイチから作らなければならないもの
互いに共有し合える情報(参考楽譜)
セットリスト中2曲(Solo、Duoをそれぞれ1曲ずつ)は告知も含め、コラボ動画リリースのためにかなり早い段階で作成、公開
遠距離間でのリハーサルにSyncroomを使用
我々は関東、小助川さんは新潟と遠距離でリハーサルをオンサイト(現地)で行うことが難しいため、前日リハーサルまではリモートでリハーサルを数回実施しました。
使用したサービスはYAMAHAさんが出しているSyncroomです。
(おそらくネットワークの問題だったのだと思いますが)少々の遅延があったり、音がブツブツ切れてしまったり等はちょこちょこあったものの、最低限の音合わせはできました。
集客に関する工夫
一応予測は立てていたとはいえ、どのくらい来てもらえるか未知数だったため集客は考えられる方法を可能な限り試しました。
告知動画公開
約2ヶ月前に実施しました
CM動画公開
YouTube / X / Instagramに載せるほか、通常の土曜動画リリース時の動画の最後に必ずつけるようにしました
フライヤー
各種媒体に載せやすいよう、A4の縦ver. のほか横ver. 正方形ver. QRコードver. を用意して関係者に展開しました
紙で配れそうな時はQRコードが印字されているフライヤーを印刷して配布していました
カウントダウン動画公開
30日前からカウントダウンと称し、ショート動画を作成し毎日YouTubeのショートにアップしました
作成負荷を下げるため、Canvaを使用しました
見どころ動画公開
本番1週間前には「LIVEの見どころを紹介!」と称し、紹介動画をリリースしました
タイムスケジュール作成
吹奏楽の方は馴染みが深いかと思いますが、タイムスケジュールという本番の具体的な流れを取りまとめた資料を作成しました。
リハーサルから本番前 - 本番中の動き - 終わり - 解散まで、関係者それぞれの動きと所要時間を記載して、当日は関係者全員が共通認識を持てるようにしました。
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3. いざ本番!
前日リハ
本番の会場(ALT SPEAKER)を押さえたため、本番さながらのセッティングでリハーサルを実施しました。
主にSyncroomでは合わせきれなかった部分をしっかり合わせつつ、てるてるや小助川さん中心に音量バランスを見ていきました。
当日直前リハ
音のバランスの最終チェックを念入りに実施しました。
当日何かあった場合に色々サポートしてくれる人が一人いるとかなり動きやすくなるので、我々はアシスタントも1名お願いしていました。直前リハ中にはアシスタントの方への現場での追加情報共有、当日のお客様の一部配慮ポイントなどをインプットしてもらいました。
本番
事前に関係者に配布したタイムスケジュールを関係者全員が確認しながら動いたため、特に大きなトラブルや遅延もなく本番を遂行することができました。
メイキング動画作成のための素材とり
せっかくの機会なのでメイキング動画を作ってみたいなという気持ちがありました。
どんな素材がメイキング動画に使えるかわからなかったので、会場までの移動中や直前リハの様子、本番後の様子を動画に収めました。
直前リハからは別途依頼したカメラマンさんに「メイキング動画も作りたいのでいい感じに撮っておいてください!」と雑な依頼をして、撮っていただいていましたw
4. 反省点・良かった点
反省点
マスタスケジュールの遂行
少し遅れが出て、やりたいことや告知のためにやりたかったことができなかったものがありました。余裕が出るように組んだスケジュールだったとしても可能な限り、「何がなんでも守るぞ」という意気込みで遂行して行った方がなんだかんだうまくいくんだろうなという学びがありました。
チケット予約のフロー検討
我々に直接連絡が取れない人(YouTube上のみのリスナーさん等)向けにGoogle Formを用意しました。しかし、活用されるシーンはほとんどありませんでした。当時考えうる限りでは最善のつもりでしたが、もう少し簡単な現地チケット予約方法を検討できたら良かったなと感じました。
良かった点
企画書の成果
企画書を最初に作ったことでその後の動きに大きなブレは発生しなかった印象があります(1本の軸がある状態で進められた)
タイムスケジュールの成果
当日関係者全員が同じ指針を持った上で行動できたと思います。関係者からも「動きやすかった」「これがあれば安心」などのお声をいただくことができました。
最初で最後
「最初で最後」と自分たちで銘打ったものあり、セットリスト含めLIVE自体に全力で取り組むことができました。「この曲は2回目にやりたいから残しておこう」とかそういう配慮はゼロで進められたと思います。
次回へのボーダーラインが見えた
今回の結果をもとに仮に2回目開催するにしてもなボーダーライン(「YouTubeのライブ配信でリアルタイム接続が何人」「チャンネル登録者が何人」等)という指針が一つできました。
最後に
いかがだったでしょうか。
私にとって初めての「個人で箱を借りて開催するLIVE」でした。箱を借りる・人を集める・告知をする・開催までの段取り・各方面との調整全てが初めてのことばかりで、ミュージシャンの世界のルールはてるてるや小助川さんにアドバイスをもらいながら進めて行きました。
バタバタすることも多かったですが、学びも多い10ヶ月でした。
また、ゲスト出演いただいた小助川さん、場所を提供いただいたALT SPEAKERさん、当日のアシスタント、衣装提案をしてくださった方、素敵な動画と写真を撮ってくれたカメラマンさん、そして現地でないしは配信で見てくださったお客様、さまざまな方に支えられ今回のてるぷぅLIVEが「成功」という形で終わることができました。
本当に音楽というものは自分たちだけでなく、多方面の協力によって一つの作品として作り上げられるのだなと改めて実感した機会でした。
皆様、本当にありがとうございました。
今回のLIVEは2024/12/23まで見逃し配信のチケットを購入することが可能です。
以降はLIVEの閲覧が不可となりますので、よければぜひ実際の様子もご覧ください。
※購入後すぐに閲覧が可能です
見ていただきありがとうございます。