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わしの日常(2022年6月)

6月○日

事務所に祀っている神棚の榊に花が咲いた!今まで何年も榊をお供えしてきたが、これは初めてのことだ。
毎朝、榊立ての水を換えるとき小さな蕾がついていることは気づいていたが、まさか花が咲くとは。というより、榊に花が咲くこと自体知らなかった。これはきっと神様からの吉兆のお知らせに違いない・・

(以下、空想)いつものようにランニングをしていると、路上に老人が倒れている。「大丈夫ですか?」心配になり声を掛けると、その老人はアラブの石油王で今、お忍びで広島に観光に来ているとのこと。「何と優しいお方だ。皆、私のことを見て見ぬふりをして通り過ぎるのに。ぜひ、うちの養子になってくれないか」「いえいえそんなわけにはいきません」「それでは私の気が済まない。では、せめて私の所有する油田を一つ譲りたい」「いえいえ頂くわけにはいきません」「ああ、何と謙虚な方だ。では、こうしよう。その油田から得られる利益の一部だけでいいから、毎月送金させてくれ」「それで貴方の気が済むのなら、そうしましょう」以来、僕の銀行口座に毎月、数百万ドル入金されることになった・・(空想終わり)

数日経ったある日、花が床に落ちていた。

小さな可憐な花。夢が叶うまで、もっと長持ちさせたかった。

6月△日

素敵な喫茶店に出会った。以前からこの店の存在には気づいていたが、一見客を頑なに拒む雰囲気が周囲に漂っており、中に入る勇気がなかった。しかし、ある日「虎穴に入らずんば虎児を得ず」と意を決してドアに手をかけた。それ以来、僕はこの店のトリコになってしまった。

店は初老のマスターが一人で頑張っている。メニュー表などない。「コンチワ」と言って席に座り待っていればいい。すると「少なくてごめんね」という言葉とともに次から次から皿が運ばれテーブルのすき間が埋められていく。

この日は「ブリの塩焼き、モロッコ豆と厚揚げとコンニャクの煮物、生サーモンの酢物、ハムキャベツ炒め、卵入り味噌汁、漬物盛合わせ、パイナップル、アイスコーヒー」
煮物の皿には練り芥子が添えられなど「ひと仕事」手を加えられている。
そして途中で必ず「いったらいってね」と謎の言葉をかけてくる。(ご飯のお替りが要るようなら遠慮なく言ってね、の意味)
ダイエット中の僕は茶碗を差し出すのをぐっと我慢しなくてはいけない。

このおかずを肴にして、中ジョッキ2杯は飲める。

「ごちそうさまでした」と1000円札を差出すと、ニコリと笑い「来てくれて本当にありがとう」とお釣りの300円を渡してくれる。材料原価とか利益とか大丈夫だろうか。マスターは「安い材料ばかりじゃけぇ」「好きでしよるだけじゃけぇ」と言うけど、根底に「お客さんを喜ばせたい」という想いがあるのだろう。見習うべきことが沢山ある。ありがとう、マスター。

6月×日

早朝6時。既に暑い。
バスかアストラムラインで通勤したい。いやダメだ。あと8㎞走らなければ、月間走行距離200㎞のノルマ未達成になってしまう。
月末最終日の朝、思うことは一つ。「こんなことなら月半ばのうちからもう少し余分に走っておけばよかった」これって何かに似てないか。夏休み最終日にまだ残っている宿題を前に絶望するあの感じ。健康診断で体重計に乗る瞬間、計画的にダイエットしておけばよかったと後悔するあの感じ。

こんなノルマ誰が決めた?決めた奴を恨みたい。

以前はこんなギリギリで焦ることはなかった。と言うのも、月半ば辺りで今月のノルマ達成が難しそうなら、昼食に出かけるときGPS時計を作動させ、距離を少しずつ上乗せして記録していたからだ。
これはある意味「ズル」だが、別に法に触れるわけでもないので「クロに近いグレーな行為」として黙認していた。だが、先日ふと「そんなことをして意味があるのか」「誰も見ていなければ何をしてもいいのか」「ランニングの神様が知ったらお嘆きになるぞ」と自分の中の良識派が声を上げ、ついにインチキ派が駆逐されたのだ。

よし、走ろう!朝走れば、その後ずっと脂肪燃焼が続くので、昼に何をどれだけ食べてもカロリーゼロだ。そうだ、今日はあの店でお替りしよう!


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