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(昔話)首待ち洋一

 この話は、フィクションじゃ。実際のものとは関係ないぞい。
 今は昔、とある田舎に洋一というおじさんが住んでおった。そのおじさんは大学を出ていたもののろくに職につかず、のうのうと生きていたんじゃ。
 ある時のこと、とうとうお金がなくなってしまい。アルバイトをしようと決心したそうな。
 ネットのサイトを利用しようとしたそうじゃが、職歴が全くなく、面接に合格する想像ができなかったそうじゃ。
 じゃが、世の中には職業安定所という救済があることに気づき、寒い寒い雪の中向かっていったと。
 ドンブラコドンブラコという擬音が聞こえそうなほど重い足取りで、ゼエゼエと息をきらしながらやっとついたんじゃ。たかが、15分ほどの道のりに三十分も時間をかけ歩いとった。
 職業安定所についたとき、洋一はサウナあがりのように汗びっしょりで職員たちはドン引きしてたそうな。
 職員に挨拶もせず、職員から(初めて来ましたか?)と聞かれるまで、その場に立ち続けたと。
 洋一は職業安定所の紹介状を受付で作り、職員さんがいる席に呼ばれてついたんじゃ。
 その職員さんはな、林田さんといって30だい前半ぐらいで、眼鏡が良く似合っており、落ち着いた雰囲気の人なので洋一は思わず惚れてしまったんだと。
 思わず見とれているとな。彼女は少しうれしそうな顔で
(どのような求人をお望みですか?)と聞いてきたんだと。
洋一は照れながら
( ・・・ァアァアリュバイトーです。)と言った。
 彼女は困ったような顔をし、
(アルバイトですか?)と聞き返してくれたそうな。
洋一は彼女の顔をじっくり見ながら、照れながら頷いたそうだ。
(そうなんですね。では、車を持ってますか?市内だけではない企業を紹介できます。)
洋一はもちろん車など持っていなかったそうじゃ。理由は買ったあとにも維持費がかかるというものだったそうじゃ。合理的じゃの。
じゃが、彼女にかっこよく見せたかったんじゃろな。
洋一はまた、静かに頷いたそうじゃ。
(そうですか。なら、少し遠いところも出しますね。それでは、どんな職業がいいですか?)
 洋一はもちろん職種など考えたことがないのでな。
何も答えられなかったのじゃ。
(職歴はありますか。)
 洋一は大学時代にバイトもせずに、のうのうとゲームをして毎日過ごしていたので、そんなものなかったんじゃ。
じゃからな、また洋一はゆっくりと首を振ったんじゃ。
女性は
(そうですか。では、工場のアルバイトとかどうですか?あまり人と会話せずに仕事ができますよ。)
洋一は、それならできそうと思い、工場のアルバイト一覧を印刷してもらい、一度家に帰ることにした。
 数日後
 洋一はやっとのことで1社受けて見ることにしたそうな。
初めの企業は、モヤシを製造する工場だったんじゃ。
洋一は面接のマナーを学び、面接にそなえたそうじゃ。
面接当日
洋一は緊張してはいたが、学んだことを思い出し少しの勇気を持って、企業の事務所のドアを2かいノックしたんじゃ。
(どうぞ)と厳しそうなおじさんの声がしたんじゃ。
洋一はおじさんの厳しそうな声にとても驚き、声が出なかったんじゃ。じゃからな、そのまま部屋の中に入ってしまったんじゃ。
おじさんは厳しそうな顔つきで、洋一が椅子に近づくと(どうぞ)といったんじゃ。
(失礼します)と言って、座らないといけないんじゃが、緊張してまた言葉も出なかったんじゃ。
おじさんは(履歴書を出して)と言ったんじゃ。
洋一は手を震わせるながら、履歴書を提出したんじゃ。
おじさんは笑顔でこう聞いたんじゃ。
(高爪洋一くんであってるかな?)
洋一は声を震わせながら、(はい)といったんじゃ。
すると、おじさんは(合格)といったんじゃ。
その後、(いつから働ける?)と聞いたんじゃ。
洋一はなんとか声を出して、
(明日から大丈夫です。)といったんじゃ。
次の日、洋一は気合を入れて家から飛び出したんじゃ。
その工場は洋一とおじさん以外誰もいなかったんじゃ。
(さあ、はじめようか)おじさんは、ニヤリと笑って、洋一にかごを被せたんじゃ。
洋一は身を揺すって、抵抗したんじゃが筋肉トレをしておらず、全く力がないので動けなかったんじゃ。恐怖で声も出せんかったんじゃ。
(お前にはモヤシの栄養になってもらう。それがお前のバイト内容だったろう。確認しなかったのか?)
洋一はとにかく高い給料を求めて、就職活動をしていたんじゃ。求人の内容もみずに決めていたんじゃ。
そのままカゴに閉じ込められずっと放置されたんじゃ。
尿意を感じても動けず、何もできなかったんじゃ。
そして、数ヶ月が過ぎたんじゃ。
洋一はモヤシみたいにやせ細ってしまったんじゃ。
おじさんが重い扉を開け、洋一をかごから出した。
おじさんは数ヶ月の間合計30回来て、モヤシを摘み取ったんじゃ。
モヤシがなるにつれて、洋一から栄養が抜けていったんじゃ。
洋一は閉じ込められながら思ったんじゃ。
やっぱり外に出るんじゃなかったと外に出たら、恐ろしいことばかりだ。こうして、洋一はまた引きこもったんじゃ。
文章をキチッと読めば、こんなことにならなかったのにな。
おしまい
butend


あとがき
首待ち洋一のアナザーエピソードを考察中です。
A,Bどちらのテーマがいいですか?
コメントよろしくお願いします。

A 首待ち洋一ハッピーエンド
B 首待ち洋一シワアセエンド











 

 


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