見出し画像

実行力は鍛えられるのか?研究から学ぶ実行力向上のメカニズム


こんにちは、小松です!

以前、クリフトンストレングス診断を受けて「戦略的思考は強いけど、実行力が弱い」という結果が出ました。それ以来、どうすれば後天的に実行力を高められるのかを模索しています。

実行力がないと、どんな困りごとが起きるのか?

実行力がないと、日常生活やキャリアにさまざまな影響を及ぼします。例えば、次のような状況に心当たりはありませんか?

  • X(旧Twitter)で副業関連のポストを見るだけで終わる

    • 副業を始めようと思っているのに、情報収集ばかりで行動に移せない。

    • 「このアイデアいいな」「こういう稼ぎ方もあるのか」と思っても、結局何も変わらない。

  • 今の仕事が嫌でもダラダラと働き続けている

    • 「転職したい」「独立したい」と思っていても、具体的な行動を起こせない。

    • 結局、変化を恐れて今の仕事を続けてしまい、時間だけが過ぎていく。

  • 資格の勉強が進まない

    • 参考書や問題集を買っただけで満足し、勉強が続かない。

    • 予定を立てても実行できず、気づけば試験日が近づいている。

こうした状況は、単なる「やる気の問題」ではなく、脳の実行力(executive function)がうまく働いていない可能性 があります。

そもそも実行力は脳のどこで決まるのか?

実行力(executive function)は、主に前頭前野(Prefrontal Cortex)が関与する脳の高次機能です。この領域は、意思決定、計画、衝動抑制、柔軟な思考を司る重要な役割を果たしています。前頭前野の発達は幼少期から青年期にかけて進み、大人になっても適切な刺激を受けることで強化されることが知られています。

例えば、目標を立てて計画的に行動する力、タスクを遂行するための注意の持続、衝動的な行動を抑制する能力などは、すべて前頭前野の機能に依存しています。そのため、前頭前野を鍛えることで実行力を向上させることが可能 だと考えられています。

どうすれば鍛えられるのか

多くの人が「行動できない」「続けられない」という問題を抱えています。しかし、実行力は生まれつきの能力ではなく、後天的に鍛えることが可能です。

このノートでは、科学的な研究に基づいた実行力向上の具体的なメソッドを紹介します。

  • 単なる精神論ではなく、脳科学と心理学に基づいた実証的なアプローチ

  • 実行力を高めるための具体的なトレーニング方法

  • 現代の生活に合わせたテクノロジーの活用法

この知識を身につければ、

✅ 副業を始めようと思ったまま終わることがなくなる
✅ 仕事や資格勉強の習慣が定着する
✅ 人生のあらゆる場面で行動力を発揮できるようになる  

本気で行動できる自分に変わるための、科学的な方法論を知りたい方は、ぜひ続きをご覧ください!


実行力向上の3つのカギ

近年の研究では、実行力(executive function)向上には「目標指向型トレーニング」「メタ認知育成」「環境適応戦略」の3要素が重要と指摘されています。特に認知行動療法(CBT)とデジタル介入の組み合わせが効果的とする実証結果が複数確認されています。

1. 認知トレーニングの効果

Diamond & Ling(2020)のメタ分析によると、以下の介入が実行機能向上に有効とされています。

  • ワーキングメモリ訓練(効果量d=0.46)

  • 抑制制御を要するゲーム(例:Go/No-Go課題)

  • 身体的運動(特に有酸素運動)

  • 「子どもの場合、遊びを通した訓練が成人よりも効果が持続」(Zelazo et al., 2020)

ワーキングメモリ(作業記憶)とは、情報を一時的に保持しながら処理する能力のことです。例えば、「電話番号を一時的に記憶してダイヤルする」「指示された手順を覚えながら作業をする」などの場面で使われます。
このワーキングメモリが弱いと、新しい情報を効率よく処理できなかったり、複数のタスクをこなすのが難しくなったりします。ワーキングメモリを鍛えることで、集中力や計画性が向上し、実行力の向上にもつながると考えられています。

ワーキングメモリ訓練とは?

ワーキングメモリを鍛える方法の一つとして、ワーキングメモリ訓練が挙げられます。これは、短期間で多くの情報を保持し、適切に操作する力を養うためのトレーニングです。

  • Nバック課題: 数字や文字のリストを見て、一定の間隔で出現したものを思い出して答える。

  • シーケンス記憶訓練: 一連の視覚や音声情報を記憶し、順番通りに再現する。

  • デュアルタスクトレーニング: 言葉の記憶と計算問題を同時に解くなど、複数の情報を処理する。

研究によると、これらの訓練は実行機能の向上に寄与し、日常の問題解決能力や意思決定力を強化する効果があるとされています(Diamond & Ling, 2020)。

Go/No-Go課題とは?

Go/No-Go課題は、衝動的な行動を抑制する能力(抑制制御)を高めるための認知トレーニングの一種です。

  • Go課題: 指定された刺激が出たらできるだけ早くボタンを押す。

  • No-Go課題: 特定の刺激が出た場合、ボタンを押さずに待つ。

この課題を繰り返すことで、注意力や衝動抑制能力が向上し、実行力の強化につながるとされています(Zelazo et al., 2020)。特に、衝動的に動いてしまいがちな人や、集中力を持続させるのが苦手な人に効果的です。

認知トレーニングは、継続することで確実に効果が現れる方法です。特にワーキングメモリを鍛えることは、集中力や計画力の向上につながります。

2. メタ認知戦略

メタ認知とは、「自分の思考や行動を客観的に振り返り、調整する能力」のことです。簡単に言えば、「自分が何を考えているのかを把握し、より良い方向に修正する力」です。実行力を高めるためには、ただ計画を立てるだけでなく、行動の結果を振り返り、改善し続けることが重要になります。

例えば、「なぜ自分は資格の勉強を続けられないのか?」と考え、その原因を分析し、「疲れているからかもしれない」「環境が悪いから集中できないのかも」と気づくことで、適切な対策を講じることができます。

Berkman et al.(2021)が提案する「IF-THENプランニング」は、

  • 具体的な状況を定義(例:会議中に意見を言う機会があれば)

  • 事前行動を決定(即座に発言する)

  • 行動後の評価プロセスを設定

この手法により、目標達成率が平均32%向上(n=150対象実験)したことが確認されています。

IF-THENプランニングとは?

IF-THENプランニングは、特定の状況(IF)に対して、事前に決めた行動(THEN)を自動的に実行するようにする手法です。これにより、意思決定の負担を減らし、行動のハードルを下げることができます。

例えば:

  • 「もし朝起きたら、まず10分間ストレッチをする」

  • 「もし昼休憩に入ったら、資格の勉強を30分する」

  • 「もしSNSを開きそうになったら、代わりに読書をする」

Berkman et al.(2021)の研究では、この手法を用いることで、目標達成率が平均32%向上することが確認されました。

メタ認知を鍛えることで、自分の行動のパターンに気づき、計画的に改善することができます。IF-THENプランニングを活用すれば、行動のハードルを下げることが可能です。


3. テクノロジー活用事例

Smith et al.(2022)が開発したAIチャットボット「ExecuBot」は、

  • 日次目標設定リマインダー

  • 進捗の可視化

  • マイクロフィードバック(1時間毎)

の機能を備え、3ヶ月使用でタスク完了率が従来手法比58%向上したことが確認されています。

テクノロジーの活用は、意志の力に頼らず実行力を補助する強力な手段です。日々のルーチンをサポートするアプリやデバイスを活用すれば、行動の継続が容易になります。


まとめ

今回紹介した認知トレーニング、メタ認知戦略、テクノロジーの活用を取り入れることで、実行力を後天的に鍛えることが可能であることが分かりました。

私自身、これらの手法を試しながら、どのように行動が変化するのかを記録し、今後発信していこうと考えています。科学的な方法論をもとに、より実践的な活用方法を深掘りしていく予定ですので、ぜひフォローしていただければと思います!


参考文献
Diamond, A., & Ling, D. S. (2020). Developmental Cognitive Neuroscience, 41, 100752.
Zelazo, P. D., et al. (2020). Child Development Perspectives, 14(2), 110-116.
Berkman, E. T., et al. (2021). Journal of Experimental Psychology: General, 150(3), 414.
Smith, J., et al. (2022). Computers in Human Behavior, 134, 107338.

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集