はだしのまよいご
幽霊として駆け回るこどもは母親を探し出しているころだろうか
部屋の外の話だから別にいい
わたしはひとりでましになりたくてただこの柔らかい肌に記憶を残したことを悔いていた
空のスプレーのもたげたくびはうなだれて中身のなさを訴えている
籠のプラスチックは規則正しく並んでいるのに二重にした途端に規律が乱れる
きみはたくさんのたくさんの線の記憶をひと舐めして 束にしてのみこんだ
革の詰まる音は壁にぶつかり弾けた
道化として割れたつまさきを知らぬふりして何度もまわる
角まで、空気がぐちゃぐちゃに混ざるために
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