HOPE

わたしが生まれ出ったとき、おそらく氏は四十のころで、そばに誰かがいたのかわからない、花のそばに死にかけたずんぐりと黒い虫は、そばにいるものだろうか
氏で生まれ出った羽虫は、耳障りな音をたてて、それを聞く人はまどのうちにはもういないのだろうか、伸びた新芽は切られてほしそうにしている
交わした言葉はこうしてみても十行もなくそれでも同じ雨も雷も体に響かせた仲でありますよ
わたしはみていました。流れを舵で漕ぐ几帳面な氏を、みていました 立派で正しい生活でしたと、わからないわたしには、思えます
けむりも盆なら届くかわからない ただ、吸いたくなっただけだけではないのです

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