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「あの頃は良かった…」の気持ち。騙されるな、自分。

ある日の休日出勤、普段は別の事務所で働く人(Kさん)と一緒になりました。
仕事しながらポツポツと話す内に、

「昔は毎日9時10時まで仕事でしたよね。」
「朝も始業より全然前に来てましたし、部署の皆もそうでしたね。」
「あの頃は毎週金曜が飲み会だったんですよ。」
「今は、仕事しながらワイワイ喋ることも無くなって寂しいですね。」

と、かつての会社の姿の話をされました。
パワハラ被害についても、ハハハと笑いながら話されていました。(というか完全に暴行事件。流血もしてる、そして相手はまだ普通にこの会社で働いている。)

「全然ブラックですけど、僕はあの頃に戻りたいですね。」

はたから見ていて、一見ツラそうなことでも、本人からすればそんなこと全然関係ない、そんなことより大事なものがある、という時があります。
Kさんには「そんなことより大事なもの」があったのだな、と思います。

自分には、「会社が居場所になっていく」感覚を覚える時があります。
会社に向かう電車の中から、あるいは目が覚めた布団の中から、「今日アレが締め切りだ」「○○さんにメール返事しなきゃ」「□□君にお願いしたことって進捗どうだっけ」なんてグルグルしている日は、一日が一瞬で過ぎていきます。
あっという間に6時、7時と仕事は続きます。「あとどのくらい?」と周りと話しながら。窓の外が、どんどん暗くなるのを感じながら。

そんな時、部署のメンバーと妙な「チーム感」を覚えます。
そんな時、その後の飲み会の誘いを断るのに、妙な「寂しさ」を感じます。
こうやって私たちはどんどん会社と密着していくのだろうか、と考えます。

昔見た「マスク」という映画は、弱気な主人公(ジム・キャリー)が不思議なマスクをつけて自分とは違う性格に変身する、という話です。主人公は、やがてそのマスクに乗っ取られていきます(確かそんな話でした)。

自分にとって「会社」は、そんなところがあります。
自分達のやっている「仕事」は、やらなくても本当は誰も困らないのですが、
さも大事なことであるかのような顔をして、それらしいことを周りと話して、
長時間拘束されているうちに、それに取り込まれていく。

いい年をしたオジサン同士が、やらなくても本当は誰も困らない「仕事」のことで、意地になって怒ったり、マウントを取り合ったり、失敗してこの世の終わりのような顔をしたりしています。
そんな様子を馬鹿らしく思いながら、気が付くと同じことをしてる自分がいます。


目を覚ませ、自分。その状態は、破滅への道です。
本当に大事なこと(自分の好きなこと、楽しいこと、家族、健康、その他たくさん)が、どうでもよく見えてしまう破滅の道です。
一刻も早く帰って、猫と小鳥が仲良くしている動画を見よう。

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