ちょっと普通じゃない俺とだいぶ普通じゃない高校 #43
夏は終わり、学校が始まる
それでも、〇〇たちの日常は普通に過ぎる
〇〇はといえば、無事試験は合格しており、今は蓮加の専属教師
放課後はみんなの近くで1対1で勉強している
愛が深まった二人にはありきたりなデートはいらなくて、ただの勉強ですらかけがえのないひと時
秋が深まると授業が減っていく
咲月の誕生日があろうとも〇〇は態度に出さない
少しでも蓮加の集中力を切らさないため、できることは全てやる
〜〜〜〜〜 夏明け 〜〜〜〜〜
秋:合格おめでとね
○:ありがとうございます
橋:ふふっ、今は彼女の先生だもんね笑
これは来年から期待の教師だね〜
○:いや〜、しないと思いますよ笑
蓮加も嫌がるでしょうし
秋:蓮加を夏までかなり我慢させちゃったもんね〜
家でもずっと気にしてたもん、奈々未に取られないか笑
橋:流石に感じるよね、あれだけ見られてたら笑
大事にしないとダメだぞ〜
○:できるだけ、一緒にいようかなと
秋:執事見習いやれば?笑
橋:何それ、面白そうw
○:それは、逆に集中できないでしょ笑
学校に朝から晩までいるんですから
秋:ちゃんと相手してあげなよ?
○:もちろんですよ笑
〜〜〜〜〜
迎える年末
○:年末年始は実家帰るんでしょ?
蓮:うん、ちょっとゆっくり過ごそうかな
○:風邪ひかないようにね
蓮:うん…
○:どうかしたの?
蓮:ちょっと会えないなぁって..
○:初詣ぐらいはいく?
蓮:う〜ん、やめとく笑
なんか、油断したら運気逃げそう笑
○:ふふ、じゃあそうしようか
蓮:でも、冬休みも勉強教えてよね
○:学校開いたらね
しっかり、準備しとくよ
蓮:同じ大学行くんだから
○:うん、もちろん
じゃあ、良いお年を
蓮:〇〇もね
〜〜〜〜〜
鐘の音がなり、年が明ける
受験生にとっては追い込みをかける前の最後の休息
少しだけゆったりとした空気を吸いそれぞれの時間を過ごす
冷たい空気が白い息となりながら街を走る〇〇
想うのは愛しの恋人
願うのは二人の明るい春
石段を駆け上がり合わせる手
たとえ隣にいなくとも、目を閉じればまるでそこにいるかのように感じる
脳裏を巡る、大事な大事な高校の思い出
あの日の自分が今ここにいられる理由をその記憶に感じる
だからこそより一層、想いは強く
冬が明けるまでのサポートと春を迎えた後の喜びを
あの笑顔の君に届けたいから
〜〜〜〜〜
街中でキットカットが配られる時、君は一人会場に向かう
もう君にかける言葉はいらないから
これまでの努力はもうすでに十二分だとわかっているから
〜〜〜〜〜
二日経ち、さらに一日が経ち
いつものメンバーは学校に集う
梅:おつかれ〜
久:づ〜が〜れ〜だ〜
山:右に同じ〜
与:ん〜、あそぼぉ〜
秋:まだ終わったわけではないんだけどね笑
与:え、七瀬さんがもう終わりって…
七:まあ、ゆうきは大丈夫やろ〜
みんなもいい顔しとるもん
橋:まあ、私たちが教えたんだからね〜
そこらへんの受験生よりだいぶ上よ
秋:〇〇くんも先生してたもんね
阪:蓮加の専属だけどね笑
蓮:ふぃ〜、けど、スパルタなんだから笑
山:まあ、受けるとこが元の蓮加じゃ無理なとこなんだから笑
蓮:あ〜、ばかにしたな〜
橋:けど、最終的にはしっかり仕上がってたもんね
久:愛の力は偉大かぁ〜
○:蓮加がよく頑張ったよ笑
蓮:でしょ〜、やっぱ〇〇はわかってるな〜
橋:青春だね〜
山:受験で青春できるのはこの二人ぐらいでしょ笑
梅:間違いない笑
〜〜〜〜〜
3月に入る頃
無事全員の進学は決まり、一同で遊ぶ久しぶりの一日
互いの誕生日を祝い
互いの合格を祝い
新しい春の楽しみを思う
山:私たちの中だと、蓮加が一番上の大学なのか…
久:ね、なんかウケる
阪:たまみは寂しいなぁ
蓮:みんなしてこればっかじゃん
与:大学の課題やってね〜
蓮:自分でやりなさい笑
梅:まあ、これからもみんなで会うでしょ
久:バイトとかみんなでやりたいよね
山:〇〇のホテルでみんなで働こうよ
○:いや、俺もう辞めてるって笑
それこそ、高校で教えればいいじゃん
山:たしかに
蓮:でも、〇〇はダメだから!
○:はいはい笑
久:二人は一緒に住むんでしょ〜?
梅:蓮加のこと大事にしなさいよ
蓮:しなさいよ!
○:自分で言うなや笑
まあ、もちろんするけど笑
山:なんか蓮加に逆らえない絵が見えるw
久:大きめの家に住んでくれたらみんなで行くから笑
蓮:実はもう決まってるから今度来なよ
お父さんが決めてくれてた笑
阪:親公認とはね〜
○:うちの母がびっくりしてたよ笑
蓮:私もびっくりだったけどね
いつの間に仲良くなってたの?
○:なんか、蓮加が受験の日に家に呼ばれててさ
そこで合格したらいいだろうって
梅:ふ〜、結婚もすぐしちゃったり?
○:ん〜、学生ではないんじゃない?
山:その後ってことかぁ〜
蓮加が一番乗りかな、そしたら
蓮:えぇ、照れるw
○:はは、その時はみんな来てよ
〜〜〜〜〜
気づけば卒業
普通じゃない自分が、普通になれた3年間
誰かを想い、誰かが想ってくれるかけがえのない3年間
そしてまた、つながる
普通には有り余る大き過ぎる幸せと共に
fin