ちょっと普通じゃない俺とだいぶ普通じゃない高校 #34
修学旅行最終日
この日は学年全体で奈良へと向かう
大仏の前で集合写真、鹿と戯れたら東京へと戻る
帰りの新幹線は思い出と疲労感に浸る生徒がほとんど
私の隣で一人の男子が眠っている
山:ねえ、○○ってガチで寝てるの?
蓮:多分、そうだと思うよ
久:初めて寝てるの見たかも
梅:確かにね
そんな会話を聞きながら隣の顔を覗き込む
まつ毛こんなに長かったっけ、とか、意外とかわいい顔してるじゃん、とか
そりゃ、和ちゃんだって美形だし、
ひいき目なのは知ってるけど○○もかっこいい部類に入る
そんなことを考えていると思わず口角が上がっていたのか
梅:れんか~、何見とれちゃってるの~?
山:車内はダメだよ~
すぐみんなにいじられるけど、こんなのも青春らしくて楽しい
一応写真を撮って後でいじってやろうと思う
駅で解散するも、私たちはみんな同じ電車で帰る
与:あと1週間でGWだよ
久:っていってもみんな、学校行って勉強でしょ
梅:まあ、最終日にれんかの家で遊ぶんだし頑張ろうよ
その後は生徒会も終わるし、受験一色だなあ
蓮:○○はどうするの、結局
○:普通に受験かなあ、勉強は続けてたからいけそうだし
蓮:れんかも同じとこ行きたいなぁ~
久:いや、無理でしょ、○○が志望校落とさないとw
蓮:あ~、れんかのこと馬鹿にしたな~
久:勉強できるほうじゃないじゃん、だって
蓮:それはそうだけど...
○:まあ、教えてあげるからさ、コツコツやってこ
蓮:うん!
梅:こりゃ私たちはお邪魔かなぁ
山:学校でキスしたりしないでよね?
○:しないわ!
久:私たちの目の前であんなにアツアツだったのにねぇ
与:ねぇ
二人とも真っ赤になりながら家路につく
○:それじゃあ、また学校で
寮まで女子を送り、お土産とともに家に帰る○○
○:ただいま~
母:おかえりなさい
和:おかえり~
咲:お邪魔してま~す
三者三様の声に迎えられ家につく○○
○:今日はカレー?
母:そうよ~
○:お、さつきちゃんも来てるのか
咲:○○さんがいない間は毎日来てました!
なぎがさb
和:さっちゃん!
○:はは、ありがとね
そうだ、お土産あるからちょっと待っててね
手を洗い、お土産を渡し、洗濯物を回す
その間にご飯を食べながら、修学旅行の質問攻めにあう
話もそこそこにご飯を食べ終え、
部屋に戻り持ち物を整理しているとなぎからLineが
「部屋に来て」
有無を言わせない圧を感じながらも、理由に見当がつかない○○
言われるがまま、部屋に入ると今にも泣きそうなさつきちゃんと
困った顔のなぎがいた
○:おれ、何かしちゃったか?
咲:なぎぃ
和:…おにいちゃん、蓮加さんと何かあった?
○:え、うん、告白して付き合うことになった
和:だってよ、さっちゃん
咲:うわ~ん
突如、泣き始める妹の親友に慌てる○○
咲:私も好きだったのに、もう勝てないもん...
私のほうが先だったのに...
○:えっと、ごめんね
その、付き合うことはできないけど、気持ちはすごく嬉しい
こんなこと言うのはずるいけど、でも、ありがとう
咲:一回だけ胸貸してくださいぃ
○:うん、いいよ
背中をさすりながら優しく受け入れる
彼女がいるのに妹に見られながら
その親友に抱きつかれるのは何ともいえない空気だったが
やましい気持ちがわくはずもなく、蓮加とは違ういとおしさがあった
数分後、彼女は泣き止みこちらを見上げる
咲:いつ蓮加さんと別れても私がいますから!
別れなくても落としてみせます!
どこか踏ん切りがついた目で決意を述べる彼女に気おされながら、
少しドキッとする
和:あれ、お兄ちゃん、ドキドキしてるの?
○:そ、そりゃ、さつきちゃんも可愛いから...
咲:やった!
和:あ~、浮気だ~、言いつけちゃお~
○:おいやめろって
年下二人にも散々いじられましたとさ