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ちょっと普通じゃない俺とだいぶ普通じゃない高校 #29

〇〇が階段を半ば放心状態で下った頃
フロアの先がざわつく
他の部屋の生徒が出てくるほどではない
多分誰かがテンション上がって廊下を走ったぐらいにしか思っているだろう
だが、〇〇の脳裏に残る走り去る足音
網膜に残る揺れる背中
揺れたのは走ったからかそれとも…
数秒後、久保が血相を変え廊下に飛び出してきた


久:〇〇!!
蓮加に何やったn……って、えっ??
〇〇も泣いてるの?
ど、どういうこと??


====== およそ10分前 大広間 =====

蓮:…ってことでね、二人になりたかったの…
ダメ??( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ )

○:だ..め…なわけ..な.い..けど…フイッ
(破壊力やばいな、超可愛い)
と、とりあえず、ここからは出よう、宿の人に迷惑かかっちゃうといけないから
(この上目遣い吸い込まれるわ…)

視線を外し、席を立ち冷静さを取り戻そうとする
しかし頭を離れない蓮加の顔
彼女になったからかいつもよりも距離が近くなり
わずかに触れた髪の感触ですら心地よく
紅く染まった頬にじっとこちらを見る目
今まで以上に可愛く綺麗に写る姿が頭を埋め尽くす

(次、蓮加見たら理性飛びそう)

蓮:待って、〇〇!

○:あ、ごめん…
(どうにかして落ち着かないと…)

〜〜〜〜〜

蓮:ちょっと外行かない?
夜景もちょっと綺麗らしくて、

○:ごめん、ちょっと外はやめない?
(綺麗な夜景と蓮加のセットはまずいって)

蓮:え、あ、うん…
じゃ、じゃあ、ホテル内回ってみようよ!

○:(まだ人の目もあるし大丈夫か…)
う、うん、わかった…

蓮:うん、じゃあ行こ!

○:…キョロキョロ
(なんかねえかな…)

蓮:ねぇ、〇〇…

○:ん〜?
(もうちょっと待ってくれ、ようやく落ち着いてきたんだから)

蓮:〇〇、れんかといて楽しくないの?

○:えっ

……..

=====

○:俺が悪いんだ、蓮加の思いを考えてるつもりなだけで…
付き合うってのは難しくて…
あ、でも、好きなのはほんとなんだけど…
勢いで告白したみたいに感じられるのもしょうがないんだけど…
実際、踏ん切りついたのは確かだけど、ずっと守りたいとは思ってて…
って、こんなこと言っても意味ないよな

久:いや、全然いいんだけど…

○:ひくよな、そりゃ
なんか、多分今、蓮加と二人っきりになったら何するかわからんのよ
俺も男子高校生だからさ、そりゃ普通に興味はあるよ
いや、同級生の女子にする話じゃないけどさ
もちろん、そういう目でみんなを見てるわけじゃないよ!
けど、彼女ってなるとなんか違うやん
違うのかな?
ん〜、けど、なんか止められる気がしないのよ
見つめ会いたいし、そのまま抱きしめたいし、キスだって…
いや、キモいな
忘れてくれ笑

久:早口すぎない?笑
楽天について語る私とおんなじかそれ以上よ笑

○:そりゃ、蓮加のこと、…好きだから///

久:誰に何言って照れてんの?笑
そこまでいくと確かに若干キモいよw

○:やっぱりか?
じゃあ、話したことは全部忘れてくれ

久:いや、むりw
まあ、多少落ち着いたならさっさと謝ったほうがいいよ
今女子陣殺気立ってるから

○:そりゃ、あんな状態で帰らしちゃあね…

久:そうよ、私だってビンタぐらいしてやろうと思ってきたんだから
そしたらこっちもこっちで号泣しててわけわかんなかったけどw

○:それも内緒なw

久:そーいうところなんじゃない?
カッコつけすぎっていうか、もうちょっと素の自分で行けばいいじゃん
結構、子供なんだし?笑

○:一言余計だと言ってやりたいがそうかもな..
俺が甘えるの見てられるかなぁ

久:珍しくていいんじゃない?

○:う〜ん笑
まあ、ありがとう
とりあえず、電話する

久:それがいいよ

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