コトヴィア〜いつかあのウィナーズサークルで〜2
2月に出走したコトヴィアはその後牧場へ戻り休養も兼ねた体力強化を行う。
そして6月、約4ヶ月ぶりのレースに出走しそこで再び3着に好走する。いよいよ勝利が近付いてきたのではとワクワクしながら次走の予定の発表を心待ちにしていた。
「レース後も脚元など特に問題ありません。この感じだと感覚を空けず続戦出来ると思います」
レースの2日後に厩舎からのコメントがホームページにアップされていた。
(という事は中2週くらいで出走してくるかな)
そう思いながらカレンダーを見る。3週間後だ。しかし土曜か日曜かはこの時点では分からない。シフト制で出勤してるので前もって休暇を決めておく必要がある。悩んだ挙げ句3週間後の日曜日に休暇を入れる事にした。土曜日に出走、もしくは阪神以外の競馬場で出走となれば諦めよう。
1週間後、コトヴィアの情報がホームページにアップされた。
「再来週の日曜阪神のダート1400mに照準を合わせて調整していきます」
うまく日程が合った。1つ目の関門をクリア。応援に行ける。
そして次の関門。
「次の次の日曜日やねんけど、3人で阪神競馬場行かへん?」
妻に相談だ。
「俺の馬走るの?」
「そうそう2月に競馬場行った時に走った馬がまた走るねん。コトヴィアって馬、覚えてる?」
「えっ、あ、うん、なんとなく」
覚えていないようだ。馬券も当ててたのに。基本的に競馬にはあまり興味がない。変にのめり込むよりいいかもしれないが。
「その日は空いてるから行ってもいいよ。」
興味はないがやはりついてきてくれる。やはり不思議な人だ。こうして2つ目の関門もクリア。
次の関門は一口馬主になったからには一度は味わいたい、「アレ」への参加だ。
続く