ロディニア〜個性派の弟〜3

「DMMは2000口募集で基本的には1頭につき4口までしか出資出来ないけど先着順で出資出来るからほぼ希望の馬に出資出来るよ！募集馬の血統レベル、質はシルクやキャロットと遜色ないと思うで。ただ募集馬はセレクトセールで仕入れてくることが多いから価格はちょっと割高な感じ。

広尾サラブレッド倶楽部は新規会員は4口分馬代金無料で出資できる。但し馬の当たり外れがかなり大きいイメージ。パンサラッサみたいな馬を見抜いて出資出来ればええけどなぁ。

YGGは渋めのダート血統馬が多め。来年からダート3冠レースも出来るし、ドライスタウトみたいなダート馬狙うならいいかも。馬代金が安いのも特徴。

サンデーが希望通りにいけなかった時の為にこういうクラブに1ヶ所入るのもいいと思うで。長々と失礼」

そして一口馬主データベースに登録している自分の出資馬約20頭のリストも送った。

「俺が今出資してる馬たちのリストです。数打ちゃ当たる作戦！どれか活躍するやろうと思って」

真平から返事がくる。

「そんなたくさん出資馬おったんか！すげーな！よし、お前が入ってるクラブの資料取り寄せるわ！他にも情報教えてほしいな。一口馬主のパイセンよろしく！」

こうしてはからずしも一口馬主のパイセンになった私はその後も真平とLINEのやりとりで競馬談義に花がさく。

　馬券を買うときはシャンハイボビー産駒とヘニーヒューズ産駒で儲けさせてもらってるからいつかこの2頭に出資したい。リアルスティール産駒は大物が必ず出るから価格が上がる前にええ馬を狙いたい。エーピーインディ系の種牡馬にサンデーサイレンス系かストームキャットの牝馬を配合した馬は絶対に走ると思うからそれも探したい···などなど。さすが血統博士、高校時代から更に知識量は増えている。パイセンの私はクラブを数カ所紹介したらあとは真平がいい馬に出資するだろう。心強い仲間が増えた。

　2月下旬、1着賞金世界最高額の1000万ドルを誇るG1レース「サウジカップ」に広尾サラブレッド倶楽部のパンサラッサが優勝したというニュースが飛び込んできた。

パンサラッサは前半からハイペースで飛ばし後続の馬達を大きく引き離す、いわゆる「大逃げ」を得意とする馬。稀代の名馬サイレンススズカを彷彿とさせる快速ぶりで昨年のドバイターフを制しG1ウイナーになる。大逃げ故に脆い部分もありあっさりと負けるレースもあるが、天皇賞(秋)では1000m57秒という超ハイペースで走りながらゴール寸前まで逃げ粘って惜しくも2着。馬券を買ってるファンはハラハラドキドキするレースだ。そんな個性的なレースに魅了される人も多く、ファンの多い馬の1頭。そのパンサラッサがサウジカップで優勝という大仕事をやってのけたのだ。広尾会員の私は、夢がすぐそこにあって掴めそうな気がした。パンサラッサには出資はしてないが弟には出資してるからだ。