「失敗」のスゝメ、不正解をすることこそ、成長するために必要なこと!
学校の先生をしている夫です。
今回のテーマ、「失敗」を勧めるなんてオカシイですよね。
それでも、子どもたちに伝えたい。
また、子どもたちだけでなく、学校の先生、周りの方々に訴えたい。
「もっと『失敗』してみようよ!」
※ただし、自分や他人の命に関わること、他人の人権を損なうことは許さないよ。
夫から聞いた話です。
いまの子どもたちはとても「いい子」が多いそうです。
学校の先生や周りの大人たちの指示を聞いて、行動してくれる、とても「いい子」。
ただし、夫は「〇〇〇〇〇〇、『〇〇』のいい子」と「いい子」の前に入ることばがあると考えているそうです。
〇〇〇に入ることばの解答例
「大人にとって、都合のいい子」
教師にとって、「都合のいい」とは、教師が一度、指示したことをそのまま子どもたちが行動してくれる、そんな子どもかもしれません。
指示されたことができなかった場合、
「なぜ、できないの!」
「先生(大人)の言っていることが分からないのか!」
と子どもを叱る先生(大人)は多いのではないでしょうか?
また、指示されたこと以上のことをしてみると、
「その先はするな、と言ったことを聞いていないのか!」
「指示通りにしなさい、と言ったでしょ!」
といったことまで言われる始末です。
子どもにとって、先生(大人)は到底、力が及びません。
この経験が大きな恐怖(不安)となります。
その恐怖(不安)が繰り返すことの無いよう、その後、指示されたことを指示された通りにすることを子どもにとっては「最良の選択」として考えるようになっているのではないでしょうか?
「先生(大人)から指示されたことを自分で何も考えず、指示されたとおりにすれば、(褒められることはあまりないけど)叱られずに済む。」
こういった考えが自然と刷り込まれていくようになっている、と夫は感じています。
先生(大人)だって人間です。
先生(大人)も自分の言ったことが伝わっている、ということに、ある種の承認欲求が満たされますので、子ども達が次の機会でも同様に動いてくれることを期待することにもなります。
このことに慣れていくと、子ども達の中で、次のように解釈するようです。
「先生(大人)から言われた通りにする。
上手くいかなくても、先生の指示通りだから、仕方ないし、先生のせいでできなかった、と言い訳ができる。」
このような考えがあらゆる場面で見られるようになってきます。
つまり、
子どもが「自主的に考え、判断し、行動するというプロセス(過程)」が全く見られなくなるようです。
すると、子どもたちは、
「指示が無ければ動けない。」
「自分から考える方法を知らないから、できない。」
という考えが根付いていくことに繋がっている、と夫は考えています。
このような状態は子どもだけでなく、先生(大人)にとっても残念なことではありませんか?
学校は指示されたことをそのまま実行する人材育成の場ではありません。
「期待する子どもの姿」「本校の目標」をインターネットに書いている学校も増えてきました。
「自主」や「自立」といった類のことばを掲げている学校が多いようです。
ただ、その目標が達成できるような場面をどこまで創っているのだろう?
夫にとって、疑問になっているようです。
夫はこの状況の打破のため、
「子どもが『失敗する』場面を多く創る」ことこそ、明日の子ども達の成長に繋がると考えています。
そのため、先生(大人)は子どもが考え、行動させる、ことが最善のことだといいます。
その結果、失敗したとしても、その結果を責めず、
「どうしたら、上手くいくか、一緒に考えようよ。」
「失敗した原因を一緒に振り返ってみようよ。」
といったことばを掛けることが子どもの成長に大きく寄与するもの、
逆に、上手くいった場合でも、「すごいね、偉いね」ということばだけではなく、
「上手くいったね、まだ悩んでいる人にヒントをあげて。」
「さらに上達するには、どうすればいいと思う?」
といったことばが更なる子どもの成長に繋がっていくもの、
一度の結果に一喜一憂させることが先生(大人)の役割ではない、
子どもの成長のために、失敗しても大丈夫なんだよ、一緒にチャレンジしてみよう、
このような姿勢が大切だ、と夫は考え、実際に、学校でもこのような声掛けを心掛けているようです。
時間が無いときはこの方法は上手くいかないかもしれません。
ただ、時間が無いというのは、大人の「都合」に過ぎません。
人間は今できること以上に自分自身を成長させたい、という「自己実現」の欲求があります。
子どもの頃なら尚更のことでしょう。
「これ、できません。」
「え?指示されていないのですから、できないに決まっているじゃないですか?」
このような社会人になることを望む社会はほとんど無いでしょう。
小学校では2020年、中学校では2021年、高等学校では2022年に学習指導要領が改正されました。
特に、小学校では
「外国語活動」として、3,4年生から「聞くこと」「話すこと」、5,6年生では「読むこと」「書くこと」を目標とした授業が始まりました。
また、「プログラミング教育」も新たに導入されました。
これらは、社会の変化に伴い、より深い子どもの成長に向けた教育をするため、という意図があることと思いますが、
これは成長するための「ツール」「手段」でしかありません。
重要なことは、この「ツール」や「手段」を用いて、
子どもが自主的に思考し、行動に移すことができる
ようにするためのものである、と夫は考えています。
子どもが自主的に思考し、行動に移すことができる
このような子どもの成長を促すためにも、夫の考えを改めて言います。
「もっと『失敗』してみようよ!」
※でも、自分や他人の命に関わること、他人の人権を損なうことは許さないよ。
このような考えを持つ子どもが少しでも増える社会のため、
子ども達の未来に大きく寄与する先生(大人)が様々なチャレンジの場面を与えることを期待しています。