ラジウム(放射能)泉のススメ
ひょんなことから訪れた都内のクリニックで「ラドン温浴」なるものを取り入れていた。デトックス効果が高いらしく、リピートしている人が多いとか。
説明書きには、「ラドン浴は、秋田県の玉川温泉や鳥取県の三朝温泉、山梨県の増富温泉などがあり、がんやリウマチ、神経痛などさまざまな難病の治療が行われてきた歴史があります」とあった。
クリニックの紹介文には、その作用として、
・活性酸素の除去・免疫力の強化、調整・代謝の活性化・アレルギーの抑制・神経機能の改善・ホルモンバランスの調整
さまざまな効能がうたわれている。
適応疾患も
慢性疲労、自律神経失調症、更年期障害、うつ病、パニック障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、高血圧、心不全、COPD、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、慢性肝炎、胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、糖尿病、慢性関節リウマチ、甲状腺機能亢進症
え? そんなに書いてしまってOKなの?
ってくらい書いてあったけれど、クリニックだから医学的根拠はあるんだろう。
本家本元の温泉はといえば・・・
増富温泉「不老閣」→
・鎮痛効果 ・がん治療と再発防止 ・病気の進行抑制 ・老化の防止
三朝温泉「木屋旅館」→
・ストレス軽減 ・精神的リラックス効果 ・痛みの緩和 ・がん予防 ・参加障害の抑制 ・呼吸器疾患の改善 ・皮膚バリア機能
玉川温泉は→
・リウマチを含む神経系統の疾患 ・血圧等循環器系統の疾患 ・脊髄性並びに脳性小児麻痺 ・貧血症並びに白血球減少症 ・皮膚病 ・免疫力・抗菌力の増強 ・肝機能の活性化 ・疲労回復 ・細胞の活性化と若返り
具体的な病名までは書いていないけれど、コレは!!! 効きそうじゃない?? って期待感は湧いてくる・・・。
温泉の効果・効能は医学的根拠に乏しく、実際にお客様の声があったとしてもはっきりとうたうことはダメなことになっている。
というのも、戦後、各地にあった国立大学の温泉病院などが次々閉鎖されていったために、研究や論文が少なくなってしまったのだ。だけど、ラジウム泉は比較的、研究成果が残っていて、効能はうたっても大丈夫なことになっている。
目に見えないラジウムラドンだけど、私個人も体感として効果をすごく感じていて、いちばん好きな泉質かもしれない。
ラジウム泉を言い表すのに、「細胞レベルで活性化してくれる温泉」まさにこの一言に集約されていると思う。
全温泉の1割にも満たない希少な泉質なんだけど、「ラジウムの温泉にだけ行っている」という人もいるくらいである。
東京大学医学部物理療法内科学教室の教授で、温泉医学に造詣の深かった故・大島良雄先生は、著書『温泉療養』(昭和31年、創元医学新書)で次のように記している。
「ラドン(気体)はα線をだして崩壊 ラジウムAとなる。
皮膚・粘膜のいずれからも体内に吸収され脂溶性で血液中に溶けやすい。
鎮静的に作用し、神経痛、疼痛性のリウマチ、植物神経の過敏な状態に応用尿酸排泄の促進、アドレナリンに拮抗するので血圧低下、末梢循環障害の改善、糖尿病などによい。下垂体・副腎系、卵巣、睾丸に機能亢進的に作用」
新潟の村杉温泉も地元の雑誌に「玉川温泉を凌駕する驚異の泉質」と紹介されたほどの奇跡の温泉。
入るだけで「若返る」なんて、もうサイコーでしょ。