子供のお店屋さんごっこがアマゾンの件
私の子供時代、お店屋さんごっこといえば、まず品物を並べ、買い物をした人が商品を持って行って、レジ役の人が金額を打って、お金を払って品物をもらう、と言う流れだったと思う。
今日、トラ雄とクマ吉は仲良く声を掛け合っている。「10ユーロ」「はい、書いた。次」一体何をしているんだろう。
居間に行ってみたら、本がズラーっと並んでいた。どうやら本屋さんらしい。ところどころ、値段が書かれた札が置いてある。
今日の昼、誕生日会から帰ってきたトラ雄は、ダンボールとホットボンドで器用にレジを作っていた。(誕生日会はお泊まり会だった)それを使いたかったらしい。よくできている。カードの差し込み口もあるし、現金を入れる引き出しもある。
「お母さん、カードもあるよ」と、段ボールのカードをくれた。
選んだ本をレジに持って行くと、ピッ、ピッと口で言いながらレジにかざした。「42ユーロでーす」「カードでお願いします」「はーい」
「レシート入りますか?」
よくレジで聞かれる文句だ。よく聞いてるなあ。
「はい、ください」
「はい、どうぞ」
ところで昨日はクマ吉が段ボールでAmazonロッカーを作っていた。
「お母さん!Amazonで何が欲しい?」
「えー、なんだろう。ズボンかな」
「はーい」
しばらくすると、「来て!携帯持って来て!」と、くぐもった声がした。子供の部屋に行ってみると、机と椅子に掛け布団が掛けてあり、その下に段ボールの箱が見えている。
「お母さん、携帯持ってきた?押して!」
クマ吉はどうやらこの後ろにいるらしい。
「はーい、行くよ。ピッ」
ボフッ!
音がして、段ボールの扉が開いた。自動だ!
よくみると紐がついている。後ろからひっぱたらしい。
中にはズボンが置いてあった。
Amazonロッカーということか。
昨日Amazonで注文していた誕生日プレゼントを、ウチの前にあるAmazonロッカーにみんなで取りに行った。携帯で「開ける」を押すと、パカッ!とドアが開いた。番号を押すところも、引っ張るところもないツルツルのロッカーだ。新鮮だったらしい。
二人でAmazonごっこをしていたこともある。
このときは、家の中のものがいつの間にか消えていく。二人は忍者のように家の色々なもの、トイレットペーパー、フライパン、おもちゃ、私の服、などなどを子供の部屋に集める。
呼ばれて行ってみると、部屋は倉庫のような状態だ。
「お母さん、何が欲しいか言って」と言うので、部屋の中を見回して注文するするのだが、そこでは商品が出てこず「じゃあ向こうの部屋行って」と、追い出されてしまった。
キッチンでご飯を作っていると、後ろからスケートボードに乗っかった段ボールがやってきた。「アマゾンでーす」と言うが早いが、配達人の二人はサッといなくなった。
中には先ほど私は頼んだ品物が入っていた。
おー。なんて現代的なお店ごっこなんだ。
私は感動すら覚えてしまった。
ただこの遊びで1つ難点なのが、散々集めてものをまた元の場所に返すのに、少々時間がかかるという点だ。途中で、どちらかが片付けないなどと言って、喧嘩が勃発するとなかなかめんどくさい。
まあ、それでも仲良く遊んでいることに間違いはない。
どんなスタイルでも、遊びは遊び。楽しいものだ。