エレベーター保全部品の話③

バッテリーの次に多いのはロープ交換です。
行政への定期検査報告の項目になるので、昇降機検査員は一番ここを入念に計測して指摘、報告対象にします。
基準は、年数、表面の赤錆有無とワイヤロープの素線切れ本数になります。
9,10年ほど前に東京の地下鉄でロープの全数が一気に破断した事故から
耐用年数約10年間と表面に赤錆、素線切れ本数の3つが是正基準となり特に最新のマシンルームレス型のロープ式は狭い昇降路内に巻上機を入れているので返し車が何か所もありロープの荷重箇所が多いのと元々ロープの太さが細いのでシビアな保全提案となります。
メーカーによってはロープ先端の留め具処理が特殊加工を施してるロープでないと、安全基準クリアしないとかで従来ロープより割高です。
それに、複雑なローピング構造なので限られた経験のあるベテラン技術者でないとできないので材工共に高額となってしまうのです。
ある大手管理会社は独自のエレベーターワイヤーロープ交換の単価をベースにタフな値段交渉となります。
毎回、この特殊ロープの説明をしても通用せず、交渉長期化してついにロープが伸びて最上階フロアにレベル着床しない事態となり、結局延命のロープ切断作業調整費+ロープ交換工事の2度手間工事発注する事になります。
できるだけ、皆さんに理解してもらえるようにロープ交換工事見積書に補足説明書を添付して納得して工事発注してもらえるようにしたいと考えています。

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