浄化槽管理士試験は何が出る?
浄化槽管理士試験は、以下の7つの項目で分類された内容で全部で100問の4〜5択問題が出題されます。
分類項目
①浄化槽概論
②浄化槽行政
③浄化槽の構造及び機能
④浄化槽工事概論
⑤浄化槽の点検、調整及び修理
⑥水質管理
⑦浄化槽の清掃概論
それぞれの内容と覚えるポイント以下の通りです。
①浄化槽概論(約10問)
公害や浄化槽に関わる一般事項の内容が出題されます。
浄化槽や、排水処理設備がなぜ必要か、浄化槽に関わる水理学、微生物学のさわりを勉強すると良いです。
覚えるポイント
・公害の種類と症状
・水の循環(海→雨雲→雨→山から川又は地下水へ→海又は湖)について
・水質汚濁(有機物、窒素、リン、有害物質が増えるとなぜ問題?)について
・浄化槽の情勢(普及率、下水道、コミュニティプラント等)
・浄化槽に関わる水理学(超初級程度)
・浄化槽に関わる微生物学(初級程度)
②浄化槽行政(約10問)
浄化槽法から、ほぼ出題されます。
丸暗記が理想ですが、覚えるポイントは以下の通りです。
・各定義 浄化槽とは、浄化槽管理士とは?
・届出関連 いつまでに誰に出す
・7条検査(設置後)、11条検査(年1回)
・罰を受ける項目 何をしたら罰金ですか?
たまに、廃棄物や都道府県のマニュアル等でますがカンで答えるのもありです。
③浄化槽の構造及び機能(約20問)
浄化槽はどういう理論で水を処理するのか、そして、理論通りにするためにどういう構造をしているかが出題されます。
覚えるポイント
・pH、有機物、窒素、リン、大腸菌群は理論上どう処理するのか
・浄化槽の種類(単独浄化槽はほぼ出ません)
・浄化槽のフローチャート
・各槽は何をするためにあるか
・各層の設備はどういう構造で動くか
・回転円板式浄化槽の基礎(ほぼ出ます)
④浄化槽工事概論(約10問)
浄化槽の作り方や図面の見方、土木のさわりが出題されます。
覚えるポイント
・浄化槽の作り方(杭打ち→掘削→捨てコン・基礎(ベース)コン→槽設置→中間まで埋戻し→配管・配線・機器設置→上まで埋戻し→上部スラブ)
・浄化槽の素材のFRPは強度はあるが「尖ったものに弱い」
⑤浄化槽の点検、調整及び修理(約30問)
③で覚えた理論上の処理が浄化槽に設置されている機器で正しく行われているかを点検(確認)、調整する方法が出題されます。
また、ポンプやブロワ等の機器の構造の問題、処理異常時の各機器の故障箇所の特定が出題されます。
覚えるポイント
・③同様に処理理論、フローチャート、各機器の能力
・調整を行う際に必要な指標(溶存酸素、微生物量、温度、沈降性、ph、汚泥状態等)とそれのバランス異常による影響
・各処理不良例(バルキング、汚泥流出等)とその原因
・各浄化槽仕様の点検頻度
・ポンプ、ブロワ等の機器の構造
最低でも処理理論、フローチャート及び各機器の能力を覚えると他が勘で答えられることも多いです。
⑥水質管理(約10問)
処理水測定項目(有機物(BOD,COD)、窒素、リン、塩素等)及び点検・調整の指標(溶存酸素、微生物量、温度、沈降性、ph等)の測定方法が出題されます。
覚えるポイント
・処理水測定項目及び指標の測定方法は全て覚えておいた方が良いです。
⑦浄化槽清掃概論(約10問)
浄化槽の清掃(引き抜き)で必要な基礎の知識が出題されます。
清掃(引き抜き)の資格は別にあるため、点検に関係のある範囲程度で出題されることが多いです。
覚えるポイント
・清掃(汚泥引抜き)の頻度や、目安
・浄化槽法上の清掃の内容(許可のある業者しか作業できない等)
・バキュームカーの仕組み
・清掃・引き抜いた汚泥はどこに行って、処理されるか
処理を続けると微生物量が増え、処理不良につながるが、浄化槽管理士は汚泥引抜き許可が無く出来無いため、異常を確認しても何も出来ません。正しい知識を覚え清掃業者へ作業依頼をしましょう。