固形物が飲み込めません…
ちょいすに1本の電話。摂食嚥下障害看護認定看護の資格を持っているからと連絡頂いたよう。
「今、役場の窓口にお母さまが固形物が飲み込めなくなったと困っている家族様が来られているんです。突然ですが今日見に来ていただけませんか?」
介護認定も受けておられない方が急に相談に来られ、役場の方も困っていた。午後からであればと約束。
チームで、原因はなんだろうと考え、アセスメント出来るよう色々準備してお宅へ伺いました。
訪問し、家族さんにヒアリング。
①水分は問題なく飲めている。
②病院で、検査をした時には年齢的な筋力低下はあるが、飲み込めなくなるというほどの機能低下ではない
③1週間まともに食事がとれていない。(家族さん心配&不安)
ヒアリングを基に、評価をしても多少の嚥下機能低下はあるが、しっかりと嚥下は出来ている。なぜ固形物が飲み込めないのか分からないくらいだった。
しかし、話を聞いていると、飲めなくなったと言い出す前日に気分が落ち込むようなことがあったと家族さんが教えてくれた。
気持ちの面からか…と思いましたが、本人は飲めなくなったこと、周囲に気の持ちようと言われたことに更に落ち込んでいるよだった。
そこで、クッキーを食べてみましょう!と提案。
唾液と混ざり、ペースト状になり固形物と言えない状態になりやすいから。
すると、2回の追加嚥下は必要でしたが、ちゃんと嚥下出来たのです。
本人も息子もびっくり。
そして、本人の気持ちも組みつつ、話を聞きながら気になるところに対するアプローチを行い、自主トレーニングを提案。
その後、週3回の訪問をしていたのだが、真面目な方だったので、訪問日以外はちゃんと自主トレーニングをしてくれていた。
訪問に行くたびに、あれが食べれた!水分を使って流し込んでいたのが唾液だけでいけた!追加嚥下しなくても1回で飲み込めた!など徐々に機能回復してきたことを報告をしてくれました。(嬉しい!!)
訪問開始して1ヶ月が経つ少し前にもう食べれなくなる前に戻っており、以前の日常に戻ることが出来たというお話になり、卒業(訪問終了)となりました。
このケースは重度の嚥下障害というわけでは無かったですが、飲み込めないという思いにどう寄り添うかが大事だった一場面でした。
固形物が飲み込めないという課題から多方面で考え、関わることで、利用者本人が非日常から日常に戻ることが出来たという喜び、家族の安堵感がちょいすにとっても、摂食・嚥下障害看護認定看護師としても大きな喜びになりました。
こんな"非日常から日常に戻ることができた"という思いを感じてもらえるようにな関わりをもっと増やしていきたいです。