表記本を読んだので感想を記載します。
大分前に買ったっきり、スクラムのスケーリングを考えるのはだいぶ先かなと思って読んでなかったのですが、読みました。システム思考や組織の学習について等、大規模スクラムやらなくても参考になる内容でした。
⇒「複数チームでの協働」をテーマにしています。そのためにプロダクトの価値や目的の共有について非常に重視されているのが印象的でしたし、スクラムとも同じだなと感じました。
⇒LeSSも原理・原則が心臓部分としていて、それを元にすコリのルールとガイドと実験の部分があります。ガイドと実験は必須ではなく、試してみる事をお勧めするといったレベルになっています。原理・原則部分は基本的にはスクラムと同様と感じましたが、プロダクト全体やシステム思考の部分が特徴的と感じました。
⇒LeSS全体としてこの学習に関する要素が非常に強いなと感じました。
⇒このような顧客中心、プロダクト中心な考え方もLeSSの特徴と感じました。またプロダクトを拡張可能なものと扱って常に今後の進化を考えながら進めていく点も特徴的だなと感じました。
⇒「教師及び学習者としてのマネージャー」というガイドでマネージャーに対しての学習者としての位置づけを強く要求しています。現地現物として現場の理解を進めることを推奨しています。
⇒LeSSはチームだけでなく、全体で価値を上げることが重要な為、スクラムマスターの責務も難しいと感じました。組織、チーム、プロダクトオーナー、開発プラクティスに時々で重点を置き、変えながら組織の自己組織化を進めていくとあるので、かなりハードル高いです。またそのために学習やコミュニティ活動が重要と書かれていました。
⇒プロダクトの定義についてとても大事に感じました。またこれらの事をチームメンバーでいかに共有できるかがポイントと感じました。
⇒プロダクトオーナー5つの関係性に対してどのように振舞うかというヒントです。特に「チームと顧客/ユーザー」の所は強く意識したいと感じました。
⇒LeSSはチームが分かれているからこそ、プロダクトとしてシッパブル(出荷可能)な状態にしておくこととインクリメンタルに進めることを強く重視していると感じました。
⇒出荷可能な状態を目指すためにDoneの定義とUndoneワークの考え方について重視しています。(UndoneワークとはDoneの定義と潜在的に出荷可能の差分の事です)スプリント進めて行きながらDoneの定義を育てることを重視しています。
⇒バックログリファインメントの考え方です。リファインメント作業の記載でも学習や顧客主義、システム思考をとても重視しているのが伝わります。
⇒スプリントプランニングの説明です。全体-個別との関係があるので、ボトルネックにならないようなバランスで進めるのが難しそうだなと感じました。
⇒この「ただ話す」は本当に強力ですが、意外とやられないと感じていて、名前を付けて推奨するというのはとても良いなと感じました。
感想
大規模スクラムとしての本になっていますが、大規模でなくても重要な要素が多くありました。大規模になればなるほどプロダクトや顧客主義、学習の重要性がしっかり説かれているのが印象的でした。ありがとうございました。