未来の先生フォーラム2024での学び


9月14日(土)桜美林大学新宿キャンパスでの開催に参加した。このフォーラムは初めてであり、申し込みに及び腰でしたが、学びの友人の酒井淳平(立命館宇治)先生と林裕文先生(ふたば未来)のお誘いがあり、2日前に参加に踏み切りました。
いま、こうして振り返りを行って感じていることを箇条書きにすれば
・自分の人生の今後の生き方や働き方をしっかりと計画とやりがいを持ち進んでいく必要があること。
・ICTと個別最適な学びの関連をきちんと整理し、考えながら進めること(インクルーシブ教育の考え方を狭義的にとらえない)
・プロセスを重視する教育の必要性とそのためのコンテンツについて日々学び、活用することが大切
・生徒が自分自身のキャリアを考えるときに「学校」という狭い視野ではなく「世界」「多世代」などの広い視野をもたせ、なによりも「体験する」ことが重要。そのための学校としての仕掛けが必要である。
ということだと感じた。以下は参加したフォーラムの概略です。
(登壇された先生方の敬称は省略しています)

「人生100年時代の学校教育」

宮田純也(一般社団法人未来の先生フォーラム代表理事)
遅れての受講になりました。「16歳からのライフシフト」の内容から。
・ナラティブの生成
・DXから考えるアンラーン
・ステージラーニングプロセス(広い視野によってできることが多くなる)
・自己対話の重要性によって他者対話ができる。様々な経験をして振り返る
・座学だけではなくて人とつながる、体験する。
・「再帰性」自分自身の行動を振り返り、その行動の意味を理解、分析し社会に還元していく考え方と捉えてよいのかと考えた。
中途半端な理解だった「ナラティブ」「アンラーン」「再帰性」について学びを深めていかなければならない。

「教育活動におけるテクノロジー活用の可能性と実装」


稲垣忠(東北学院大学)、鈴木秀樹(東京学芸大学付属小金井小学校)平井総一郎(合同会社未来教育デザインCEO)
なぜ、ICTを使うのかの問いに対する答えの一つとして、インクルーシブ教育を実現すること。「複数の学び方の選択」を学習者(子供たち)に与える。一律の教育をしてきた教師・大人からの抵抗感があると思うが、子供の学びの成果を見てもらう、見せるなどして共感してもらうという方法もある。ある学校では、子供が先生役になって親に教える取り組みをしている。
個別最適な学びを実践している学校が広がっている(宮城教育大学付属、福島県新地、宮城県気仙沼津谷の小学校)。自分の学習計画は自分で作る。教師は振り返りに注視し、いま子供たちが何を学んでいて、何に悩んでいるかを確認しておくことが重要。プチPBLを回していく際には、この課題の解決を通してどのように学びを高めていくか、学びでどういう人を幸せにするか、意思決定はどれだけあるかを教師から生徒に話せるかを授業を作る際に考えてほしい。
<AIによる実践事例>
AIが作成した文章に対して、子供たちが手直しをする授業を行った。すると真っ赤に染まった添削になる。これは、子供たちが「自分の意見文にしたい」という思いからであるが、その根底には「普段からの泥臭い授業」がある。国語の見方、考え方を働かせることが根付いているから手直しをしたいと思うし、することができる。
昨今の学校教育には、「失敗させたくない病」が強い。すべて大人がお膳立てをして、そのレールの上を走らせることが一番効果的だと考えている。しかし、それではこれからの社会を生きていくことはできない。なぜなら大人の考えるレール自体が古臭く、役に立たないものであるから。

実践校から学ぶ、発展的な探究学習と進路への接続


順天中学校・高等学校(川村真一)、茨城県立水海道高等学校・付属中学校(福田崇)、栄東高等学校(市原貴紀)
生徒のキャリア形成への疑問点として「なぜ生徒は弁護士や医師を目指すのか」という問い。カンボジアへの体験留学という体験をして、医師になるという考えから、教師になり地元の教育を高めることが国を人々を幸せにすると「教育」に目を向けた生徒。自分の行く道を考えさせることがとても大事。校内科学オリンピックを実施して、「好きなこと、好きな人が集まって楽しめる場をつくる」ことをしている。
県の教育事業予算を捻出し、探究学習を民間に委託する。探究でもなんでも一つのことに目覚めた生徒は勉強も一生懸命やると信じているから、無理やり探究と授業をつなげるシステムは組んでいないが、先生方から自然にそのような雰囲気になってきた(地球の裏側のブラジルまで穴を掘ることはできるかを複数の教科のアプローチで考える)。キャリア教育ではとにかく面白い人を学校に呼んで講演してもらう。人と出会うことがとても大切。同窓生で大学を卒業したばかりの社会人に進路講話をしてもらっている。23,24歳という未来の自分の投影という感じで生徒は生々しい声に真剣に耳を傾けている。


中高においてAIを活用した良い教育活動を考える

安藤昇(青山学院高校)
衝撃!9月13日。数学の問題を解くAIの登場!
個別最適な学びを効率よく、そして生徒が楽しく学びに向かえるようにAIを活用することができる。そのことで、プロセスを評価する授業にシフトする。

学校DXが導く学校教育の未来

平井総一郎(合同会社未来教育デザイン)
学びの解像度を上げる(深めること、広めること)
教師の授業の立ち位置を考える
OODAループ
Observe(観察):観察することによって現状を認識します。
Orient(状況判断):観察結果から、状況判断します。
Decide(意思決定):具体的な方策や手段に関する意思決定を行います。Act(実行):意思決定したことを実行に移します。
N高校は在籍3万人。これは全国の高校生の1パーセントに匹敵する。海外の大学にも進学する(進学者数は全国2位)。対面での授業・学校の必要性はどこにあるのか。生徒が自分の力で切り開く授業を考えなければならない。教師自身も自分自身の授業のあり方や学び方をUnlearnすることが必要ではないか。それは新しいものを編み出すために必要。第3回デジタル学習基盤委員会資料を確認してみること。KPI(業務指標)を確認する。
全国学力調査(小学校・中学校)の問題は未来に生きる子供たちに備わってほしい事柄を問うている。教師自身が解いてみて、自分たちでどのような授業をすべきかを考えてみよう。「責任の移行モデル」で授業が変わる。責任段階、「学びの責任は誰にあるのか」(ダグラスフィッシャー・ナンシープレイ)を参考にしてほしい。

今こそ知りたい教育ファシリテーション実践編(組織開発)ポジティブアプローチによる成長する学校とは

上井靖(特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会)
藤村祐子(東京学芸大学先端教育人材育成推進機構)
ポジティブ・アプローチの重要性
「問題」と「課題」の違いとはなにか。
アイディア創造する。ありたい未来を思考し、アイディアを創造する。そのためには「対話」をベースとした組織のパフォーマンスが重要。
・チーム対抗の神経衰弱をやってみる。(途中のセカンドミーティングが重要)

一人一台端末導入による”未来型数学授業”

宮田隆徳(名城大学付属高等学校)
一人一台タブレット・ICTによって授業はどう変わったかを意識して授業づくりをする。反転授業を長年実施していると様々な改善点が見えてくる。生徒は全員が動画を見てはくれない。教師の働きかけや努力が必要。5分以内の動画にするように日々研究している。知識技能は動画で終わらせておく。いまは、生徒が説明動画を作成し、数学の内容を「言語化する」取り組みをしている。思考力・判断力・表現力を育成するためのパフォーマンス課題の教材研究も惜しまない。ICTによって今まで自分の手で動かしていたものを、動画教材を活用することで規則性を見える化することが可能となり、生徒も考えやすくなった。数学への興味も喚起される。さまざまなコンテンツがあり、それらを活用することで生徒が学びに向かうことはとても良いと思う。






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