頭の中の世界
お昼時、満腹感でいっぱいの私は本を開いた。
「ふーむ。、、、さっぱりわからん。」
私の部屋にある本は難しい。
一冊とて、読み切れたことはない。
幼い頃から漫画しか読んでこなかった私にとって
私の部屋にある本はまるで魔導書である。
すべて催眠魔法ではあるが。
なぜこんな状態になったのか。
理由は簡単である。
母のせいだ。
あまりにも漫画しか読まない私を危惧して
姉の読まなくなった本を私の部屋の漫画とすり替えた。
というわけで
壁一面にある催眠魔法ばかりの魔導書達は姉のものである。
ちなみに姉はこれを読んでも寝ることはない。
なんなら同じようなものを毎日読んでいる。
こんな難しい本をよくもまぁ毎日読んでいるものだ。
流石は国立文学部というべきか。
『かいけつゾロリ』ぐらい簡単なのは
もう読まないのだろうか。
「漫画読みたい、、、。」
天井に向かって呟いた。
▽
「ん、、、。」
いつのまにか眠りこけていた。
また魔法にかかったようだ。
そしてベッドに首だけ預けていたからか、首が痛い。
すごく痛い。
「難しかった?」
いつのまにかお姉ちゃんが横に座っていた。
鬼の首を取ったかのように、ニヤけながら。
「、、、難しくないし。痛てて。」
「そんな体勢で寝てるからだよ。」
「うるさいなぁ。私の部屋に何の用?」
「晩御飯。」
「あ、、、。」
時計の短針は8を指していた。
これまた強い魔法がかかったのだな。
そりゃあ首が痛いわけだ。
▽
「おかえりぃ。」
私が風呂から上がると涼んでいた姉がそう言った。
私のガリガリ君を食べながら。
「それ私のなんだけど。」
姉というのはどうして妹のものを奪うのだろうか。
これだから世から争いは無くならないのだ。
「よこせ。私のだ。
さもなくば決戦といこうでは無いか。」
今の私に慈悲はない。
「でもさ、
この前私のみたらし団子勝手に食べたよね?」
「むぅ、、、。」
しょうがない。慈悲をかけてやろうじゃないか。
「でもまぁ、元々は飛鳥のだし
当たりが出たらその一本は飛鳥にあげるよ。」
「それぐらい当然だ。」
「ん?」
「それぐらい当然だって。」
「ん?ご、め、ん?」
「、、、それぐらい当然だって。」
「、、、。」
「ごめんさい。」
「じゃあ、みたらし団子奢ってね?」
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「かっきー!」
「ふぇ、ふぇい!」
あ、あれ?さくら?
なんで高校の制服?
「こんな外でボーっとしてたら風邪引くよ?」
そっか。あれは妄想か。
「もー、また2次創作のネタ作り?」
「ま、まぁ。」
いつもやってるのは呪術だけども、、、。
乃木坂か、、、。やってる人いんのかな?
「それでフォロワー増えたの?」
「まぁまぁです。二次創作アカウントなんで。」
「そっか。」
〈二次創作なんてグレーゾーンなんだから。〉
仲良くしてもらってる同じ界隈の人の言葉が思い出される。
それでもやりたいことだから、現状維持希望。
「ねぇ?聞いてる?」
「ん?聞いてる聞いてる。」
「嘘だね。もう傷ついた。」
「ごめんてぇ!」
「じゃあ、みたらし団子奢ってくれたら許してあげる。」
「、、、奢ります!もうそれは奢らせて下さい!」
「、、、急にテンション上がってどうしたの?」
「いいじゃんいいじゃん。さ、団子屋さん行こ!」
「、、、変なかっきー。」
、、、うん。
多分乃木坂の2次創作もいけるな。
題名は、、、そうだな。
『妄想』+『ツイート』で
『妄ツイ』
なんっつて。
fin