僕と君の話 1
2017年 秋
史:じゃあ、行ってくるね。
美:うん。
史緒里なら、きっとうまくいく。
さ:うん。きっと大丈夫。
○:名監督と名女優からのレッスンだから
色んなもん吸収しろよ?
史:、、、うん。
本当にありがとう。
色んなことがあったけど、
皆んながいてくれて良かった。
その二ヶ月後、史緒里は死んだ。
交通事故だった。
最後に会った日は喧嘩をした。
些細な事だったと思う。
なんで喧嘩したのかもうろ覚えだから。
でも、喧嘩をして
お互い口を聞かなくなったことは強烈に覚えてる
それからというもの
僕はそれまでの人間関係をリセットした。
多分怖かったんだと思う。
「僕と関わった人は亡くなってしまう」
そう思ってしまうのが。
いや、綺麗事だな。
何を言われるだろう。
どんな顔をされるのだろう。
会うのが怖くなったんだ。
だから誰も知られないように
関西の大学から東京の大学へ編入した。
そうして誰とも関わることなく、
僕は教師になった。
2022年 春
教師になって3年目
桜は咲き乱れて、生徒たちを歓迎してる。
「じゃあ朝の朝礼を始めまーす。」
「今日から○○先生のところに転校生が来ます。」
そうだ転校生だ。
高校3年生からの転校だから色々あったんだろうな。
そういう子もちゃんと
クラスに馴染めるようにしないと
教師ってめっちゃブラックだけど
でも、そういうのが結構楽しかったりする。
でも大丈夫だろうな。
うちのクラスいい子ばっかりだし。
「じゃあ朝礼を終わります!
○○先生、転校生が校長室で待たれてるので
行ってあげてください!」
思えばこの時から
運命の歯車は回っていたんだと思う。
校長室
「こちら、今日から転校してきた山下さくらさん
そしてその保護者の林瑠奈さん。」
ん?絶対保護者じゃねぇだろ?
名字も顔も何もかも違うじゃねぇか。
林:さくらちゃんのお姉さんが
今日来れなくなっちゃって
代わりに親戚の私が来たんです。
○:あ、ああ!
びっくりしました!
かなりお若い保護者の方だなぁと思ってました!
林:うちの子をよろしくお願いします。
○:はい!こちらこそよろしくお願いします。
さぁ山下さん、教室にいこっか?
さ:、、、、はい。
○:さ、ここが新しい教室ね。
さ:、、、、先生。
○:どうした?
さ:、、、、いえ。今日からよろしくお願いします。
○:うん!
放課後
クラスの皆んな、山下さんのこと凄く歓迎してたし、
ちょっとは安心かな。
林:すいませーん。
○:あ、えっと、林さん?でしたよね?
どうかされましたか?
林:少し大丈夫ですか?
○:あ、はい!
じゃあこっちの方に、、、。
○:ここなら生徒たちもあまりこないでしょう。
どうしました?
林:私、誰だと思います?
○:誰って、山下さんの保護者の方ですよね?
林:あなた以外とピュアなんですね。
○:ピュア?
林:そんなわけないじゃないですか?w
私、さくらちゃんとはただの知り合いです。
○:は?
林:お!いよいよ本性でたかな?
○:通報しますね。
林:待って待って待って!
一回話を聞いて!
○:待ちませんよ。
林:じゃあこれだけ!
「久保史緒里の話を映画にしない?」
これは僕と君の一年間の物語だ。
To be contined