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2023年2月の記事一覧
Re:Break 8
「私、まだ○○のことが好き。」
「、、、ありがとう。奈々未。」
▽
目覚めた時に隣にいる人は
本当に私の愛する人なのだろうか。
その答えを毎日、探していた。
公園で一人泣くアイツを、○○を
忘れられなかったから。
何度日を跨いでも、幾ら仕事に打ち込んでも、
何度、彼に上書きされようとも、
しっかりと焼き付いていた。
今横にいる人に何か不満を抱いたことはなかった。
それが怖かった。
Re:Break 9
「俺、決めたよ。変える過去。」
さくらとの思い出の公園。
5時の防災放送と、首筋を冷やす風。
2人だけの空間。
決意のこもった眼差しと、
戸惑いの眼差しが交差する。
「決めたんだね。」
「うん。」
拳を握りしめる二つの影。
「、、、同じこと言うけどさ。」
「うん。」
「私のエゴ、だったんだよ。
だから、、、さ。」
「うん。」
「このままで、いいんじゃない?
変えなくて、いいんじゃな
Re:Break 10
「一回整理しよう。」
家からほど近い幹線道路に入った車は、
直線を滑らかに進んでいく。
所々、舗装されていない道の振動を除いては。
「奈々未は、俺と結婚してる。
俺は相変わらずこの仕事をしてる。」
助手席の久保さん、もとい史緒里さんは、
三白眼でこちらを眺めながら、
スマホをアタッシュケースに投げ入れた。
「頼むから、嘘と言ってください。
なんですか、ドッキリですか?」
「ごめん。
Re:Break Final
「もう一度言います。危険すぎます。」
史緒里さんは、もう本来の目的を忘れていた。
「史緒里さん、わかってます。」
「それでも、やらなきゃいけないの。
例えそれが、私を刺した人だとしても。」
「いいや!わかってないです!!」
史緒里さんは、机をドンッと叩いて、
俺たちを説得しようとする。
「保護されてる奈々未さんに対して、
あんたは相応しくないって、
連行されながら喚き続けた人間な