リンネルの人、と呼ばれて。
もう、だいぶ前だが、職場でもプライベートでもリンネルの人と言われて困った事がある。
リンネルとは?
雑誌で、いわゆる丁寧な暮らしをしている人や事にフォーカスした内容に思う。着る服は、リネン。色はネイビーか、ベージュ、と言った人達の事なんだろうな、という勝手な偏見がある。
シンプルな料理を作り、穏やかで時間を愛でるように暮らす感じ。
もう、だいぶキャラ変をしたであろう私だが、付き合いの長くなった友人にさえ、『あの時のリンネルな〇〇さんがまた見たい』的な事を言われると、本当に辛い。
だって、本当の私は、もっと違うキャラだからだ。
私はリネンの服なんて着ないし、掃除も苦手だし、朝に白湯は飲むけど、冬に暖かな部屋で編み物なんてしない。
なぜ、ノッキングチェアで読書をするなんて思うんだろう?
音楽が好きで、フジロックに行きたいという私の言葉に衝撃を受けられたり。とにかく、キレイなものみたいなイメージで接されると、非常にやりにくい。
私はモデルでも芸能人でもない。
当時、私は女の子に恋をしていた。
とても仲良くなって、良く一緒に遊んだ。幸せで楽しかったけど、致命的だったのが、世の中の男性がほぼそうするように、私もカッコを付けていた。
本来の自分ではないので、次第に違和感を感じて、疲れるようになった。
そもそも、友達なのか、彼女なのか、謎な関係に苦しむようにもなった。
最近、またリンネルが良かったと発言されたのも、この子だ。残念ながら、昔の自分はいない。
今でも会うが、結婚をし、子育てを頑張る彼女も、もう昔の彼女でもない。
時間の流れを感じる。
性懲りもなく、また恋をするんだろうなぁと、予感するけど、等身大な自分を見てくれる人がいい。
だって、リンネルの人ではないのだから。
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