「夢と夢と現実」 "エッセイ"
全く知らない部屋で、
とても知っている友人と話していた。
味のしないコーヒーを、
飲んでもいないのに
味がしない事を私は知っていた。
そこで気がついた。
「これは夢だ」と
起きて目を覚まそうと思えば覚ませる状態で
私はあえて起きずにいた。
夢の中で夢とは一体なにかを考えだした。
初めての経験だったが、夢の中で何か物事を考える事は起きているよりも感覚が研ぎ澄まされ、
集中力も現実では不可能なほどだった。
なのでとにかくスムーズに答えに辿り着く事ができた。
夢は科学で証明できていない。
記憶の整理、脳の整理と言う話もあるが、
実際今記憶に全くない部屋にいる。
それはとても鮮明に目に見えている。
私は元から夢とは何かを明らかにする手段として科学に頼ってはいなかった。
頼らないお陰と、夢の中で研ぎ澄まされた感覚 ですぐに答えを導く事ができた。
夢とは
数えきれない程に存在する
自分の平行世界の自分の意識に
一時的に意識だけ反映している
これが夢の正体だと私は夢の中で確信に近いほど理解する事ができた。
そして目が覚めた。
考える事は続けた。
平行世界は縦にも横にも斜めにもどの方向にも無限と言えるほど広がっている。
例えば1秒だけ時が進んでいるだけの平行世界がある一方で、全く違う内容の世界も存在すると言う事。
やはり起きている時に考えてみると、とても非効率的で感覚も鈍くかなり困難だと感じた。
でも私は考える事を続けた。
正夢と言うものは、
内容はほとんど一緒の自分の平行世界だが時間だけ何十時間、何百時間も進んだ平行世界の景色を意識だけ先に見て、
目が覚めたら自動的に現実世界でその何十時間と進んだ自分の平行世界に追いついているだけである。
「この場面夢でみたな?」
「この会話夢でもしたな?」
冷静に考えても、人生で正夢とはかなりの回数
経験するはずだ。
偶然では片付けられないほど、全く夢と同じ景色を見る者も多い。
逆に全く非現実的な夢を見る事もある。
空を飛んでいたり、
とんでもない化け物に追いかけられたり、
付き合えないはずの芸能人と付き合っていたり、
それは私達が今いるこの世界ではありえない事であってその世界では当たり前の事。
そーゆー世界を生きる自分も存在するという事。
日々私たちが普通に過ごしている今この時を、
他の平行世界の自分が意識だけ、夢を通して見ている。
あり得ないと思う内容の夢ほど、私たちが今いる世界線からかなり離れた平行世界の景色を夢だと思って見ていると言う事だ。
空に龍が飛び交い、右手に剣と左手に盾。
明日の夜王国の姫を助けに行かなければならない平行世界の自分が、夢で私の世界線を見たらどの様な感想を話すのか、私は聞いてみたい。
驚く事に、また私は目を覚まして起き上がった。
さっき起きたと思っていたが、夢の中で夢を見ていたと言う事だ。
通りて普段より少し集中できてはいた。
これは現実だと決めつけるのも難しい。
コーヒーに味がするからこれは現実だろう。