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大漁旗の文化と技術の再興          新しい需要、受け継ぐ担い手を残す【STORY 13:デザイン決定と販売に向けて】

伝統産業の復興は三陸で挑戦したい人たちのため


今回は久しぶりに、宮城県で最後のお一人となっ大漁旗職人に後継者を残す取り組みの近況をご報告をさせていただきます。

とはいえ、初めてNOTEを読んでくれている方もいらっしゃるかもしれないので、少し何をしているか?を簡単に話をさせていただきますね。

僕たちは三陸エリアでこはらぎデザイン講座というグラフィックデザインの授業を行っております。これは三陸の職業の多様化を目指したものであり、女性を中心に今まで多くの方へデザインの基礎を教えてきました。これは今も第3期として現在進行形の取組みです。

デザイン講座の様子

あ。ちなみに本業は東京で外資系メーカーを中心にグラフィック総合デザインをしております。

そして今そのデザインの基礎を学んだ生徒さんの有志の方と一緒に取り組んでいるのがデザインの力で後継者不足の三陸の伝統産業。発信が苦手な職人さんのサポートしてあげることから三陸で古くからある伝統技術を後世に残していこうという取り組みです。

組織の名は【和づくり】


その中のひとつが江戸時代から続く伝統産業である大漁旗職人さんとの取り組みです。漁業の衰退とともに大漁旗の需要を減り続けている状況の中、新しいデザインで商品を開発をして新しい需要を生み出すことで売上をつくり、雇用へと繋げていこうという取り組みです。


和づくりロゴつくちゃいました。

大漁旗職人菊田さんより仕事が忙しく混んできており落ち着くまで(2ヶ月くらい)大漁旗作りに専念させてほしいと希望があったために少しストップしていたのですが、落ち着かれたとのことでプロジェクト再開のために菊田さんを訪れました。

大漁旗職人のプロジェクトを三陸デザイナーが活躍できるプロジェクトにする

まずは今回担当してくれたデザイン講座で関わっているデザイナーさんが仕上げた新しいデザインができました。そのデザインから和づくりメンバーの意見をまとめて候補に残ったデザインを持って大漁旗職人菊田さんの元に伺いました。

菊田さんのご不在中でも僕たちは動けるのでデザイン開発は進めていました。ただ菊田さん側の技術的な面、再現性、そして何より菊田さんがつくる上でご本人が納得できるものにならないと。菊田さんの意向を無視をすることができないと考え、菊田さんとの最終合意と実際の製品開発に向けての段取り詳細の打ち合わせまでが今回の目的です。

新デザインの新製品決定


私『これが新しいデザインの大漁旗です』
菊田氏:『なるほど。なるほど。はー、なるほど。』
私:『富士、鷹』
菊田氏:『これが茄子?』
私:『そうです。』
菊田氏:『なるほど。なるほど。』
菊田氏はなんども頷いてくれた。

私:『はい。プロダクト開発にこめた思いは、起業した方むけに送るギフトなので、強さの象徴である鷹が日本一を目指して羽ばたく。主人公がデザインにある感じですね。』

菊田氏:『なるほど。なるほど』
菊田氏は何度も頷く。

菊田さんもデザインにはすごく納得をいただけました。
デザインの現代的な部分、大漁旗の意味を大切にする構成要素とそこにStoryと日本らしさを加えたデザインです。

微調整が必要なため完成後にまた皆様にデザインは共有させていただきますね
安心する半面製品化に向けての課題として

○仕様、サイズ、布の質感
○グラデーションので具合の職人の意見
○色味の菊田さんへの資料ので落とし込みかた
○型の作りとデザインへの影響
○制作開始までの必要項目
〇配送の箱のサイズ感や仕様など

色の再現の指定見本

などなど
本日は本制作と商品化に向けての具体的な課題や調整が多々ありました。
僕たちも初めての挑戦ということもあり、なかなか思うようにはいかないですが、確実にみなさまに発表できる日が近くなっております。

ただ。新製品のデザインは決定です。

新規デザイン

月内には具体的な内容を詰めて発売日をご連絡できるかな?と思っております。
みなさん是非楽しみにしていてください。
またクラウドファンディングでご支援をいただいた皆様。
遅れて申し訳ないです。
ただ大漁旗職人の方はお一人で工房で今も技術を守られておりますので
新規の立ち上げで無理をさせられないのも事実であります。
ご理解いただきたいです。

大漁旗の新商品開発は派生した三陸地方の地域循環の自立のための仕組み作り

もちろん大漁旗職人の方の売上のためにデザインを使った商品開発はずっと続けていきますし、もうもう全力です。メンバーともに。
ただそれをどう三陸の方々が職業として回していけるか?が鍵になります。
そこで販売のためのプラットホームを作り、大漁旗デザインを作った和傘や扇子など色々開発をする予定です。しかもデザインをしたデザイナーの顔がみえるようにしてあげることで、三陸でデザインを学んだ人たちのことや思いとか。それを海外の色々な国の人たちに伝える。
海外の方にも買ってもらえるように。

三陸はいままで東南アジアの漁業研修生を育成をしてきました。
つまりただ日本の文化が好きや海外で人気。だけではなく実際になじみをもってくれているかな?と思っております。
東南アジアの方に知ってもらえるように完成が見えたら告知をしていきます。

デザイナーが自分がデザインをしたものを実際に商品化して販売ができる。その売上の一部は大漁旗職人に、一部をサイトの運営に、デザイナーの売上になる。その仕組みをつくれたら三陸で経済的に自立したコミュニティになるのかな?それを告知する。オンライン上での大漁旗商品のプラットフォームを形成したいです。そこまでが僕ら和づくりが目指す三陸の新しい社会です。

東京メンバーとも連携です。

そのために
東京にいる和づくりメンバーとのプラットフォームと段取りに打ち合わせ。
大漁旗職人菊田さんの再始動により急ぎ各々の段取りを確認。

それは気仙沼のカフェで三陸の景色を楽しみながら・・・

打ち合わせのひととき

時々思うんですよね。
時代が少し変わってきてて。
どこに住むではなく、どこにいても。
まぜこぜにして新しい挑戦を進めます。 
次の世代に繋ぐビジネスを。



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