大漁旗の文化と技術の再興 新しい需要、受け継ぐ担い手を残す【STORY 11:デザイン構想開始】
東京伝統工芸デザインを視察
今日は三陸大漁旗の新しいデザイン開発の一環として東京の和のデザインを学びに、浅草橋、日本橋を散策です。
僕たちが普段触れているデザインは主に広告デザイン。
その分野のデザインはいやというほどふれてはきているが
まず日本の伝統工芸のデザインに関してはあまり普段触れているものではないために、自分たちの視野を広げるためにも。と考えメンバーで視察をしてきました。僕たちが三陸で目指している大漁旗の再考のために新しいデザインで価値を創り出す!そのデザイン開発のために。
江戸時代から栄えたとされる扇子のデザインを探る
まず大漁旗のデザインを考えるにあたり、伝統工芸のなかでもデザインのオリジナル性が非常に高い扇子店を視察です。何故扇子を選んだかといえば
扇子とは平安時代に和歌の交換のためのツールとして貴族を中心に広まり
江戸時代には涼をとる道具として一般の市民に広がったものとされており、
浮世絵を盛り込んだものから現代らしいデザインから広くデザインのものが世の中に送り込まれており、今回の僕たちの課題に近いと考えたからです。
まず松根屋さんという大正より創業をした扇子専門店さんへ。
まず圧巻だったのはそのデザインの数の多さ。
伝統的と思えるデザインの扇子。そうかと思えば近代的で和のテイストと良さ風靡な余韻を残しつつも現代デザインに仕上げているもの。
まさに世情や時代を反映をしたデザインの数々。
そこで感じることができたものは
工芸品として和の文化を繋いできたものは、一つの絵の中に
STORYが組み込まれていること。
一つの面の中にさまざまな要素が入っているデザインや単体のデザインなど
色々な扇子があるがその時の情景ではなく作品の中にデザインとなったSTORYがある。
これが伝統工芸のデザイン。
和の情緒。
たた要素を入れるのではなく
STORYをデザインにする。それを伝えるようデザインを絞り込んでいる
花や雲の要素はあくまで情景を連想させればよいだけ。
シーンとして組み込む必要性もない。
だけどちりばめることにより情景が伝わりSTORYが伝わり情緒的なデザインへと扇子を変えていく。どの扇子でもそうなっている。
つまり何よりも大切にするべきもがSTORYなんだ。そう感じさせる。
まさしく和の趣。
伝統工芸のデザインはまさしく当時の広告デザインみたいに…
続いては伊場仙さんの店舗を訪れた。
伊場仙さんは日本橋で400 年続く老舗扇子店らしく、本当によく伝統工芸のデザインを学ぶことができました。
本当に扇子が素敵で思わず買ってしまった。
店内に入るとさすが老舗といわんばかりに古風で情緒豊かなデザインを施した扇子が多く飾ってある。
先ほど伺った松根屋さ"の店舗よりも割と古風なデザインでまさしく大漁旗にもそのまま使えそうな扇子の多々置かれておりました。
色の使い方、構図、そしてデザインともにダイナミックな印象のデザインが多く扇子文化がさかえた江戸の浮世絵文化の華やかさを象徴するような扇子がところ狭しと並べられている。
しかしそれとは別のコーナーには現代風なデザインを施した扇子も並んでおり、またその色の使い方、和風デザインの強く、美しく、そしてダイナミックなデザインを受け継ぎながらも新しい表現を再現している。なんともやさしいデザインの扇子だ。
さらにはこの檜扇という面白い扇子を見学することができた。
木簡の暖かさをそのままデザインに組み込んだこのデザイン。
なんとも奥ゆかしいデザインになっており、情景を想起させてくれるこの扇子はお茶会とその時期が来たことををうながすようなデザインになっており扇子のデザインなどとして切り離すものではなく、
まさしくお花見の季節を知らせるの当時の広告!
文字で語らず伝えるべきSTORYとメッセージが入っているデザインになっていた。
大漁旗の新しいデザインと価値を
今回の視察は本当に和の趣とその情緒を知ることができた
和のデザインに求められるもの
そこに大漁旗の意味をしっかり伝えながらも新しいものに
載せることで生まれるもの
今回僕たちが開発をしていくデザインに求められるもの、
デザイナーとの打ち合わせも終え新しい大漁旗を生み出すために
三陸の伝統産業を残すために
クラウドファンディングで応援をいただいた人たちに応えるために
これから一か月のデザイン開発に臨みます。