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デザインの勉強になった!【展覧会の感想】ロートレック展 時をつかむ線 編

9月になりましたが、暑すぎますね。
それでも朝夕は少し気温が下がり、夜は虫の音を聞くと涼しく感じます。

会期が9/23に迫っているロートレック展に行ってきました。

ホームページはこちらです。

前回予習編をまとめました。
これから行かれる方はぜひ。


《騎手》1979-1981

あらかじめ予習していた本で見ていた《騎手》。
もともと知ってるものが出てくると、お!となる単純な私。

ロートレックは名家の生まれで、お父さんは狩猟や乗馬をする人だったどそうです。
馬は身近な存在な存在だったとか。

写真は撮れませんでしたが、プレスリリースに載っています。

あまり素描をまじまじと見たことがなかったからかもしれませんが、わたしは素描は、鉛筆や木炭で描く人が多いのかと思っていました。

インクの素描というのが少し新鮮に感じました。

《イヴェット・ギルベール》 

予習していた本、山田五郎氏のYouTubeでも取り上げられていた歌手。

イヴェット・ギルベール自身は「こんな風に描いちゃって、もー!」みたいに怒ることもあったようですが、それでも自身の版画集の挿絵はロートレックが書いたようです。

本やYouTubeでもギルベールに関するロートレックの作品を見ましたが、黒い手袋と、鼻が特徴的に描かれています。

どうしても鼻は強調したいのね…と感じました。

こちらも写真は撮れませんでしたが、プレスリリースに載っています。

《キャバレのアリスティド・ブリュアン》(文字のせ前) 1893年

展覧会のメインビジュアルとなっていた作品が第2章で登場。

周囲の壁紙が黒で、額縁もシンプル。
ブリュアンのトレードマークだったという赤いストール?マフラー?がよく映えます。

私が印象的だったのは、ケープコートの輪郭。ゴールドがとってもおしゃれ。ブリュアンの威厳を引き立たせています。

ロートレックのサイン


《『レスタンプ・オリジナル』誌表紙》1893年

『レスタンプ・オリジナル』誌の記念すべき第 1号の表紙 となったこの作品では、ロートレッ クが懇意にしていたアンクール印 刷所のベテラン刷り師・コテル但 さんと、刷り上がりを吟味するモンマルトルの花形ダンサー、ジャヌ・ アヴリルが描かれています。

https://www.sompo-museum.org/wp-content/uploads/2024/04/lautrec_pressrelease.pdf

刷り上がりをチェックする様子を表紙にする、という発想が面白いと思いました。
上記引用元で見れます。


《『ラ・ルヴュ・ブランシュ』誌のためのポスター》1895年

この展覧会で一番好きな作品かもしれません。
当時のパリのおしゃれ感が伝わります。

黒地に赤い水玉のワンピース、ふわふわのケープとミトン、羽飾りの帽子。

よく見ると羽飾り・ワンピース・ミトンは緑、文字は赤で縁取られています。
背景は赤や緑でうっすら色付けされています。
リトグラフって、こんな濃淡も表現できるんですね。


赤×緑は補色とか反対色の関係になるそうです。
ロートレックはそんな関係も考えながら、配色して印象的な作品を作っていたのでしょうか。

周りのアクセントクロスは、この作品に使われている緑色ですね。
水玉や、ミトンやケープの飾りの赤が、より印象的に目に写ります。


《エルドラド、アリスティド・ブリュアン、彼のキャバレにて》 1892年

またアリスティド・ブリュアン。
左上の3つの丸は照明?黄色い背景は舞台の上?なんてことを想像しました。
青紫の背景とアクセントクロスが、舞台の華やかさを際立たせますね。


《エグランティーヌ嬢一座》 1986年

写真は撮れませんでしたので。

皆同じ格好をしているのに、一人一人違う女性であることがわかります。
専門家の手にかかれば、ちゃんとどれが誰というのがわかるそうです。
人の特徴を忖度なく描写する(強調する)ロートレックだからこそ、かもしれません。


《紙吹雪(コンフェッティ)》 1894年

こちらも写真は撮れませんでしたが、プレスリリースに載っています。

カラフルな紙吹雪と、嬉しそうにその紙吹雪を受ける女性の構図。
とてもかわいらしい作品だと思いました。


《展覧会の招待状》 1898年

写真はとれませんでしたが、こちらの記事から見られます。

ダイナミックな夜の世界のリトグラフとはちょっとちがい、絵本の1コマのようで、すごくかわいいです。

こんな招待状が来たら、すごく嬉しいですね。

もはやスマホの壁紙にしたい…


ロートレックは友人に恵まれていた

障害を負ってしまい、おそらく父親が望んでいたような人生は送れなかったロートレック。

晩年はアルコール依存症などで入院し、その後退院したもの36歳での早逝だったようです。

死後、母や親友で画商のモーリス・ジョワイヤンなどによってトゥールーズ・ロートレック美術館が作られたようです。
このジョワイヤンコレクションの展覧会、 11月から三菱一号館美術館で見れそうですね。

親身になって支えてくれる、死後も作品を大切にしてくれる友人がいたからこそ、ロートレックの作品は今も私たちを魅了してくれるんですね。

そしてロートレックが描くからこそ100年以上経った今でも、ロートレックの友人たちは、生き生きとした姿で私たちの目の前に現れることができる。
展覧会の第2章には、ロートレックの周りのたくさんの人たちが描かれています。

ロートレックと友人たちの関係性が、感慨深いものに感じました


デザインの勉強になった

リトグラフって味わい深いな、なんかオシャレでいいな、と思いました。
キャプションのナンバリングもリトグラフが意識されていて、オシャレでした。

赤字のところ

リトグラフの仕組みについて展示でも紹介されていたのですが、図説されている記事を見つけました。
わかりやすいです。

私はWebデザインなどの勉強をしているのですが、
・ダイナミックな構図
・文字の載せ方
・配色
・リトグラフの味わい深さ

など、色々と刺激を受けるところが大きかったです。

考えてみたら、このダイナミックな構図は浮世絵からきているとも言われますし、ポスター芸術はミュシャなども有名なので、今度はそういうものも見てみたいと思いました。

他の展覧会にも興味むいてしまう…そんな展覧会でした!

次はどこに行こうかな(行けるかな)…なんて考えています。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


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