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材料としての粘石学

材料としての粘石学(SMS: Silmestone Material Science)は、粘石(Slime)を材料として用いた際の物理的な特性、建材としての価値を追求する学問である。粘石は外殻がアルミノケイ酸塩、内殻は炭酸ナトリウムやその他二酸化ケイ素等で構成される岩石材料である。地下5m以下10m以上の比較的浅い地中で採掘される。多孔質で、滑石と同程度のモース硬度を有し、中に一定量の水分を蓄える性質がある。また、機械的に柔軟で、任意の方位に剪断力を加えることによって、ゲル状のスライムのように変形する性質がある。
材料としての粘石学は、17世紀のローマで興った粘石学(Slimestone science)に端を発する。その当時から粘石は鉱山から大量に採掘され、広く建築に用いられていたが、その使用方法は現在と大きく異なっていた。その当時は、粘石を型に押し当てて変形させ、表面をシリコーンかそれに近しい粉状の物質でコーティングし、焼きなますことによって、強度が担保された建材を作り、いわば無垢材としてそのまま建造物に用いていた。しかし、この方法では、強度は担保されるが粘石特有の水分調節機能が十分に発揮されない。当時の粘石学は、粘石の加工方法や、いかに強度を向上させるかという部分に焦点を当て、安価で強靭な建材を追求する学問といえる。
一方で現代では粘石はあくまで柔軟性と水分調節能力を持つ建材の一つであるという立場を取る。このようなパラダイムシフトが起こった背景には20世紀に起こったセメント製造の工場化が上げられる。それまでの粘石よりはるかに安価で強靭なセメントの大量生産が可能になったことで、それまでの粘石学は一気に立場が狭くなっていった。この一件以降、粘石学は見直され、本来の特性である柔軟性、水分調節能力に焦点を当て、材料としての粘石学として、よりエンジニアリングな学問へ発展していった。この学問は、粘石の材料工学や地質学、物性学や建築・環境といったエンジニアリングな学問を広く内包している。現代において粘石は主に、セメント等の様々な建材に対し配合し、焼成や化学的な処理を加えることで、柱、内壁、床材に適した建材を作るのに用いられる。粘石を用いて作られた建材はスライム建材と呼ばれ、ある程度の強度、柔軟性、水分調整能力を持つ木材と石材の中間のような建材としてそのポジションを確立している。

#一筆書き1000


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